概要
スマホ時代の都市の哀しみを描いたハードボイルドミステリー
スマホアプリで生計を立てるIT青年が、「一千万円あげます」のスパムコメントに悪戯半分でレスしたら、マジで一千万円もらえた。このお金、ホントにもらっていいのかどうか調査すること、それが私立探偵の私への依頼内容だった。調査を進めるうちに殺人事件に巻き込まれる私。歪んでいく資本主義に抗おうとする登場人物たちの行く末は!? 一人称ハードボイルド、由名時探偵社シリーズ第二弾。
※この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
※この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!渦巻く欲望と、糊塗された人間性
純文学風味の短編ミステリーです。
そういうわけで作品ジャンル、尺、構成要素が上手く噛み合うのか少し心配しながら読んでいましたが、ただの杞憂でした。尺の都合上、やや駆け足っぽく見えたものの、それ以外は綺麗に収まっていた印象です。丁寧な情景描写に、ウィットに富んだ一人称の語り、映画を思わせる軽妙な台詞のやり取りなど。そうした作者様の持ち味も、最大限に生かされていたと思います。
その他にも、時事的な内容や社会問題を取り上げていたのは面白い部分でした。投稿されたのが少し前の作品ということで、今を生きる人にとってはある意味、定着してしまった事象も含まれますが、そうした人々にとっては当時の風俗を知るこ…続きを読む