霖しのぐ

第30回電撃小説大賞《メディアワークス文庫賞》受賞の東洋宮廷ファンタジー、書き下ろしの短編を公開！ 『心獣の守護人 ―秦國博宝局宮廷物語―』メディアワークス文庫より好評発売中 …

短い話です。 消したくなったら消します。

　五年ぶりに、僕はこの町に帰ってきた。 　さまざまな思い出がある、この町に。

　雨男の能力により雨が降り続く東京で、デートの約束をこぎつけた外出高校生・タケシが、雨を止める力を持つ少女・ミユキと出会い、恋に落ちる物語です。タケシは、ミユキの力を利用して「天…

「わたしを魔法使いの弟子にしてください！」 或る日の仕事終わり、珈琲を飲みながら空想に耽っていた僕の前に、突如として彼女は現れた。小学生だろうか。彼女は僕のことを魔法使いだと信じ…

しえんとはくせつ。 　『僕』は隣で煙草を吸う『君』を見つめる。 　警戒心の壊れた猫のようなその目に満足する。 　壊れ続けてなお惨めに生きる姿に安心する。 　大学卒業まであと三年…

第29回電撃小説大賞≪選考委員奨励賞≫受賞作『君が死にたかった日に、僕は君を買うことにした』の続編に位置する物語です。 2024/05/26開始～06/02完結まで、毎日12:…

男子大学生の城島九里香（きじまくりか）は、幼少の経験や毎夜届く無言電話によって重度の不眠症を患っていた。 ある日、不可思議な夢と共に無言電話の正体を知った九里香。同時に、彼の自宅…

道南・函館市。三月某日。 無事高校卒業の日を迎えた巴は一心にある場所目掛けて駆けていた。 それは、大三坂の途中にある英国喫茶。 長年の想い人である店主・誠志郎に会う為に。 出迎え…

クリスマスイブを、ぼっちですごすあなたに贈るショートストーリー。

　十一月二十二日。通称、『いい夫婦の日』。 　大安吉日となったこの日、都内の多くの結婚式場で挙式が行われていた。 　由佳と志帆。彼のハートを射止めたのははたしてどちらだったのか…

小学生の陽介には、焼き菓子工房を営むおじいちゃんがいる。 おじいちゃんは、雪の夜だけ、不思議な夢を見る。 雪の降る夜、おじいちゃんの焼き菓子工房にひとりの男が訪ねてきた。

不思議な霧に閉ざされた半島にある、とある帝国にて。 ウルリーケは『枯れ谷』と呼ばれる辺境の土地へと向かっていた。 本来嫁入りする筈だった相手の命令により、有難くない二つ名と共に、…

かつて、力ある獣であった虎とそれに寄り添う天女が開いたとされる国・辿華。 当代の皇帝は、継母である皇太后に全てを任せて怠惰を貪る愚鈍な皇帝であると言われている。 その国にて暮らす…

私、羽村海は、魔法に憧れる小学五年生。 だって、うちのお母さんは「魔法の国」の出身で、魔法が使えるんだもん。 なのに私は「科学の国」のお父さんに似ちゃって、魔法は一切使えない。な…

　幼少期から幽霊が見えるという霊感体質である私。 　私は、雨の日が苦手だった。 　理由は、雨の日だけバス停に現れる女の子がいるから。だが、私の霊感体質は、雨の日だけ発揮されるわけ…

　父の帰りを待ちわびる、母と娘の物語です。

あなたの首筋が好きだ。 あなたの大きな手が好きだ。 あなたの腹筋にある、三つ並んだホクロが好きだ。 私だけが知っているはずだったのに。

大学卒業まであと半月。 仲良しグループ五人で、卒業旅行をした。 「なんか、飲み足りなくね？」 友人のそんな一言から始まった、コンビニまでの散歩。 たった、10分間。 でもこの…

名門の相神家の長男・周は嫡男であるにも関わらずに裏庭の離れにて隠棲させられていた。 けれども彼は我が身を憐れむ事はなかった。 忘れられた裏庭に咲く枝垂桜の化身・花霞と二人で過ごせ…

不思議な光を宿すものを拾ったら持っておいで。好きな本と交換してあげよう。ここの本は、全てあやかしの世界のお話なんだ……ほら、読んでみたくなっただろう？ KAC2023 最初の…

　土地によっては子供の頭を撫でてはいけないそうだ。頭には神様が宿っていて、それを撫でる行為は神様の機嫌を損ね、成長を妨げる行為だからと。

大型バイクに乗った女性が、真夜中に一人で山に行くお話。 ※喫煙シーンが苦手な方にはお勧めしません。 お題『深夜の散歩で起きた出来事』

私は激怒した。必ず、かのNumLockキーを除かなければならぬと決意した。

鼻をほじってたら、出てきちゃいけないものが出てきました。 KAC2023　お題『ぬいぐるみ』の参加作品です。

１９世紀、女王の統治のもと繁栄する大英帝国。 ロンドンより離れた場所に存在する、エッカート侯爵家。 日本びいきの変わり者と評判の侯爵の城には、ある噂がある。 『エッカート侯爵家…

　バレンタインデーについて二人で語り合うだけのお話。 　飲食中、閲覧注意。

鉄と石炭、煤煙と蒸気が漂い、列強国が睨み合うユースティア大陸。 グラーセン王国の若者、クラウス・フォン・シャルンストはマールに留学していた。彼はある夜、不思議な少女に出会う。彼…

みかじめ料を取らなくてはならない――今日も“大義名分”を携えて高橋フラワーショップに訪れる主人公、扇組若頭である桐島直久（きりしまなおひさ）の日常劇。 ※読み切りにつき一話完結…

「昨日助けていただいた銀縁眼鏡です」そう言って、クラスメートの顔をしたそいつが俺の部屋で頭を下げていた。ちょっとした事故で落っこちた銀縁眼鏡を拾い上げた、その恩返しにやってきたの…

「私と一緒に死んでくれますか」 　切り立った崖の上で見知らぬ少女が僕に死のうと誘いかけてくる。 　鈴蘭のようなささやく匂いと、打ち付ける波の音が僕を誘う。 　 　そして僕は現実…

　それは、禁断の愛の末におとずれた悲劇。 　 　花言葉に隠されたメッセージとは？

関東最大規模の指定暴力団――鬼道会会長大鰐源蔵（おおわにげんぞう）が、何者かに襲撃され殺害された。大鰐を唯一の恩人と慕う無悪斬人（さかなしきりと）は、上層部からあらぬ嫌疑をかけら…

元は令嬢だったあやめは、現在、女中としてある作家の家で働いていた。 紡ぐ文章は美しく、されど生活能力皆無な締め切り破りの問題児である玄鳥。 手のかかる雇い主の元の面倒見ながら忙し…

拝啓、私はいま、猫の国にいます 　猫をかばって交通事故に遭ったＯＬ 和多々比三華　……通称ミケは、猫たちが暮らす異世界に転移していた。 　そこはまるで御伽の国だった。森にはキャ…

十代の頃から世界中の戦場を渡り歩き、「狼」の異名で恐れられた木之下直義（きのしたただよし）は引退後を福島県の山奥でマタギとして生活していた。 年の暮れに差し掛かったある日、山でク…

目が覚めると彼女は、記憶を失っていた。 〈ジェーン〉と仮の名前をつけ、拾ってくれたロンの計らいで五人の男女とルームシェア生活を始める。 そこには唯一覚えていた恋人ダグラスもいた。…

甘味が苦手な34歳女上司と、甘党の29歳男部下。二人で行ったスイーツBARでのお話。『左党＆甘党』だけで終わらない、ジレ甘な『二刀流』をお楽しみください。

　千年前、異界から来た神々と創世の神々とがぶつかり合い、三つに分断された世界。ガナン大陸では最北の国カーネライズの皇帝ジニヤが狂気に走り、邪神の眷属「魔獣」を復活させ自国の民以外…

心血を注いで書いた小説が読まれない。 感想もレビューも夢のまた夢。 自分など何の価値も無いと打ちひしがれた時、５００円から利用出来る感想サービスがあったらどう思いますか？ ５０…

容姿端麗。成績優秀。スポーツ万能。 この理想とも言える3つを兼ね備えた天崎羽紅に惚れた者は口を揃えて言う。 「性格がもったいない」 「嘘に嘘を重ねれば、重ねた嘘は真になる」 こ…

時を渡り、永遠の命を生きる、少女と死神。 大反響の幻想譚がカクヨムにて大幅試し読み連載開始！ ＜ＳＴＯＲＹ＞ 死は平等である。富める者にも貧しき者にも。だが時に異形となる哀れ…

19世紀イギリス。ロンドンのサウスエッジ通りのクリーニング店で使用人を含めた一家七人が惨殺された。 まるで獣が食い散らかしたかのような遺体に、新聞は『サウスエッジの人喰い狼』と名…

この世界は、どこか普通ではない。 世界には六つの神区が存在する。その中で一番平和と言われるのは第一神区を治めるシェレビア王国。王国には神の森と呼ばれる神秘的な森が国の三分の一の領…

梅雨の時期、雨に濡れた猫が自宅の前で迷い込んできた。 玄関を開けると勝手に家の中に入る図々しい猫だったけど、濡れて凍えていたので、風呂に入れてご飯を与える。 その猫の飼い主を探す…

男子高校生がコンビニの傘だてに入れておいたはずの傘を盗まれて途方にくれているところへ、タイミング良く現れる超絶可愛い女子高生。あまりにも都合の良すぎる展開に喜びながらもなぜか胸騒…

自主企画用に書いたショートショートです。

霊感も何もない物書きの主人公。 条件最高のマンションに引っ越したけれど、そこはもちろんいわくつき。 それでも順応してしまう天然ボケは不思議な事にもあっさり順応してしまう。 そ…