遠い風花に謳う

作者 響 蒼華

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★★★ Excellent!!!

この物語は白銀に輝く冬の村を舞台にした、主人公達の純愛を描いた物語です。

詩のような流れる文章と話がものすごく合っていて、読み始めてすぐに物語に引き込まれてしまいました。

短編なのであまり書くとネタバレになってしまいますが、読み終わると心が温かくなります。ぜひ読んでみてください!

★★★ Excellent!!!

この短編を読む人にお願いなのが、「前半」の描写の部分を丁寧に読んで欲しいということ。ここを「きっちり」読むか、読まないかで最後の感動が段違いです。

 最近、わりとこういう描写を「ムダ」とかいう人がいますが、人間の感動とういのは、「心情」と「風景」がセットになって起こるモノなんですよ。ほら、幼稚園とかで「恋愛映画」とか見ても、子供がうるさくて感情移入できないでしょ?

 作者さまは、そこらへんをよくわかっていて、最低限まで絞り切った描写で雰囲気をつくって、物語を動かして感動につなげているのです。

 5000文字程度の短編です。流し読みをせずに「是非」前半の風景描写を噛みしめて読んでください。感動のラストがあなたを待っていますよ!

★★★ Excellent!!!

その青年の思い出には、何時だってあの娘が……
初めて出会ったあの若かりし日から、村の長になり天寿を全うした老後まで。

そんな彼の生涯を、まるで純文学みたいな叙情的な美しい文体で書き綴っています。
趣味の延長でなく、本気でコンテスト入賞を目指したい読者の皆さん。

一度読んでみる事を、お薦めします。

★★★ Excellent!!!

まず冒頭の美しい雪景色の描写に、一気に引き込まれました。でもそれは美しいだけでなく、そこに暮らす人々にとっては厳しく恐ろしいものでした。

例年なら来るはずの春が来ない――その理由は、叶うはずのない恋…… 詳しくは読んでいただきたいのですが、切なく純粋な悲恋物語だと思いました。
でも最後には救いがあります。決して悲恋ではなかった。
読後はあたたかく幸せな気持ちになれるのも、素晴らしいと思います。

冬にこそ読みたい、銀色に輝く短編です。

★★★ Excellent!!!

閉ざされた冬の山村で紡がれる恋物語。

それは長く苦しい冬の始まりを告げる初雪のよう。

それは静かに降り注ぎ、村は雪と氷に閉ざされていく。

冷たく清廉な雪景色と、淡く温かな愛の営みが、澄み渡るような美しい文章で表現された切なくも美しい物語。


悲しき春の始まりと、再生の初雪に涙する。