読んでいるうちに、いつの間にか映画館で日本映画を観ているような気持ちになります。
リアルで重厚感ある言葉の数々が紡ぎ出す文章は読み応え抜群。
登場人物の何気ない仕草や吐き出される言葉からは、ありありとその人物像が思い浮かべられ、目の前でそのシーンがあたかも繰り広げられているかのような気持ちにさせてくれます。
登場人物の多くは暴力的で、けれど悪役や脇役を含めて彼らがどうしてか魅力的に見えるのは、作者様がいかに彼らを生き生きと描くかを考えて作品を生み出しているからだと思います。
読むたびに心のどこかを刺激され、感情を揺さぶられる物語の結末がとても楽しみです。