極道として生きてきた主人公に関する濃厚な描写は、緊迫感や戦慄をまざまざと感じさせられた。
一般人にはなかなか理解出来ない任侠の世界。その部分の重く苦しい表現、だけど合間に異世界ファンタジー独特のふわふわとした雰囲気が混在する、非常に読み応えのあるハイブリッド小説だと思う。
極道の主人公は残酷な任侠の世界を当たり前に生きてきた。
そんな主人公にも、作品の途中では真っ当で人間らしい一面がちょこちょこ見え隠れする。しかしそれと同時に主人公にとっての当たり前な残酷さも忘れない、そのわざとらしくないリアルな表現に、小憎い演出だなと思わずニヤリとしてしまった。
今後の展開も、他に無い作者様の良さをもっと見せて欲しいので期待して読み進めます。