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イカワ ミヒロ
@ikamiro00
2021年10月31日
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アレクサの逆襲
アレクサがボブ・ディランの曲を流していた。 私が苦い顔をして聞いていたのがわかったらしい。家人が「アレクサ、ストップ」と声をかけた。 止まらない。 そのままディランはダミ声で歌い続ける。 「アレクサ、ストップ」 再び声をかけるも止まらない。 「アレクサ、ストップ」 私も言ってみた。 ダミ声は続く。 「アレクサ! ストップ!」 完全に無視。 『アイ,ロボット』みたいになってきた。 仕方がないので、物理スイッチを触って止めたが、ちょっと怖かった。 AI が反逆するってこんな感じか。
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3月3日
天啓!(イラストあり)
「ろ」と入力すると「老婆心ドルメン」と変換される。 どんな世界線? ディストピア系インディーズ? * * * 突然何かが降りてきて、架空のラノベの表紙を作ってしまった。元ネタは推して知るべし。 自分としては、「中学校時代に瓶底メガネでイジられキャラだった弟くんが高校デビューしたら、可愛くって人気者になり過ぎてお姉さんは大変! 」みたいなお話を想像しております。 絵は相変わらず髪の毛がゴッチゴチだなぁと思います。描いた後にあれこれ見てみて、もっとバサバサ髪の毛散らさないといけないんだなと学習しました。それは次回に持ち越し。 ブレザーは賀来ちゃんたちで学習したのでちょっとはそれらしく描けるようになりました(弟くんの方)。 宇宙目はすっかり描き方を忘れていて、調べるところからやり直し……💦 背景は みんちりえ さんの素材をお借りしました(https://min-chi.material.jp/tag/%E5%AD%A6%E6%A0%A1/)。 絵を描くのも楽しいんですが、タイトルのフォントや配置を考えるのがめっちゃ楽しいんですよ! これを機にラノベ表紙作る人になろうと画策中。
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2月9日
ヨガニードラが効く件
咳を伴う風邪で寝込んでいた。若いうちは一日で回復していたような風邪で三日も熱が続く。がーっと寝てしまえば治るのだが、眠れないのだ。体力が衰えるとはこういうことか。 どうにか眠れないかと思っていろいろと検索してみたら、『脳を休める&脳の疲れを取るカンタン瞑想「ヨガニドラ/ヨガニードラ』(20 分バージョン)というのがようつべで見つかった。 ヨガニードラは、楽な姿勢で寝たまま身体のいろいろな部分に注意を向けていくというヨガである。知っていたが、自分でやったときは「?」という感じだった。ビデオでは誰かがゆったりした声で誘導してくれるのがいい。バックグラウンドのほわ〜んとした音楽も眠りを誘う。ビデオの終わりに一瞬覚醒したが、そのまま寝入ってしまった。 目覚めてみるとかなりスッキリしている! 以来、寝るときに自己誘導型のヨガニードラを始めた。ビデオでは注意を向けるのは身体だけなのだが、私は頭頂部から始めて「頭のてっぺんの力が抜けます」「脳みその力が抜けます」「額の力が抜けます」……みたいに、割と細かくいろいろな部位の力が抜けていくようにイメージしている。そうすると手に至るくらいまでの間に、サイケデリックなビジョンが現れ始めて寝てしまう……という具合である。 面白いのは、「喉の力が抜けます」とか「みぞおちの力が抜けます」とかやってると、咳が出るのである。ひとしきりゲホゲホやってから続けて寝ると、目が覚めたときに咳が落ち着いている。一昨日からヨガニードラを始めて、今日は起き出せるようになった。もしかしたら、たまたま回復期と重なっただけかもしれないが、首のコリとかも楽になっているのでヨガニードラのおかげのはずだ。 ヨガニードラは深い瞑想に入るもので、本当は寝るべきものではないらしい。上記の記述に基づけば、サイケデリックなビジョンが現れるところで意識を保っていなければならないようだ。もう少し元気になったら意識を保って、ビジョンからインスピレーション(宝くじの当たり番号)でも得られればいいなと思う。 眠りが浅い人、肩こりがひどい人などにはオススメです。ぜひ試してみてください。
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2月4日
『かもす仏議の四天王』を今からでも読んで欲しい件
木下望太郎さんの『かもす仏議の四天王』が佳境を迎えております! これがええんですわ!(と膝を打つおっさん) これほど仏教思想が盛り込まれたバトル小説があっただろうか(いやない)! 今からでもいいんで、皆さんにぜひ読んでいただきたい! ちょっ、もう、こっから読んでっ! ↓ https://kakuyomu.jp/works/16816927860224664762/episodes/16818093089485053021 慧可や慧能の公案とかめちゃめちゃ上手く織り込まれてるし、自分とは何かとか深い哲学が語られてるし、崇春くんが「目立つ、目立つ」言ってたけど、これは崇春くんが「世界そのもの」でもあるからなのか?(一説によると「世界」を表す mundo は装飾という意味があり、日本語にすると「文(あや)」でまさに「目立っている」となるという) 深い! 深いんですってば、奥さん! これがアニメだったら、翌日学校で物知り顔で友達と語り合っちゃいますよ……。あー、高校生になりたい。
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1月13日
クイーンズ・ギャンビット vs アレクサ
お正月に「クイーンズ・ギャンビット」を見ていた。天才女子チェス・プレイヤーのドラマである。 一話見終わるごとに家人が「これって実話?」と聞くのだが、後で調べようと思っていると忘れてしまう。三話目が終わって「これって実話?」と聞かれたときに、「アレクサに聞いてみなよ」と答えた。家人はすかさず。 「アレクサ、『クイーンズ・ギャンビット』は実話ですか?」 「『クイーンズ・ギャンビット』は、まさに実話です」 自信たっぷり(そう)に答えるアレクサ。 アレクサって「まさに」とか言うんだ……。 でも、実話だとして、そんなに有名な女子チェス・プレイヤーとかいたかなあ、と思って調べてみたら。 ……ばりばりフィクションやんけ! 調べたサイトでは「チェスの試合の内容は有名な対決の駒運びに基づいているので、実話と言えなくもない」みたいなことが書いてあったが、それは取材しただけだろう。そんなこと言ったらフィクションのほとんどは、実話になってしまう。 そんな話をしている最中に、再び家人が尋ねる。 「アレクサ、『クイーンズ・ギャンビット』は実話ですか?」 「ノベル・ドットコムによると、『クイーンズ・ギャンビット』は実話です」 相変わらず実話説を騙るアレクサ。しかし、今回は引用元を出してきて責任逃れを画策したようだ。 それから二日ほどして、AI が編纂している Apple のニュースまとめに誤りがある、というニュースがやっていた。まだ行われていないダーツの試合の勝者が決まっていたり、スペインのとあるテニス・プレイヤーがゲイだと発信されていたりしたらしい。 「アレクサも同類だよね、『「まさに」実話です』とか堂々と嘘吐くんだから」と話している最中に、再び家人がアレクサに問う。 「アレクサ、『クイーンズ・ギャンビット』は実話ですか?」 「『クイーンズ・ギャンビット』は、ウォルター・テヴィスによるフィクション小説です。二〇二〇年にはスコット・フランクによる監督でドラマ化されました。ストーリーは、孤児のエリザベス・ハーモンがチェスの才能を見出され……」 すごい早口(に聞こえた)で、延々と説明しまくるアレクサ。何その変わりよう。 嘘吐き呼ばわりされたので、必死に名誉回復を計ったのか。それとも、嘘だと気がついて、恥ずかしさをごまかすために知ったかぶりしようとしたのか。 まあ、現実的なアルゴリズムとしては、同じ質問を受けるたびに検索する範囲を広げるように設計されているんじゃないかなと想像する。それとも、コマンドを受けなくても、聞こえた会話はすべて解析するようになっているのか。 皆さんもアレクサ詐欺に引っかからないようにお気をつけください。
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1月11日
今年の抱負 - 2025 年
皆様、良いお正月を過ごされましたでしょうか。 我が家は大掃除などから大幅に手を抜きつつ、平和に年を越しました。 さて、昨年は皆様のお陰で『ドルメン』を無事読み切り、スペイン語の勉強に多少の自信を付けました(スペイン語に自信がついたわけではない)。 『ドルメン』はお陰様で、いまだにコツコツ読んでくださる方々がいらっしゃって大変ありがたく感じております。この場を借りてお礼申し上げます🙏 この勢いを保ちながら、今年もスペイン語の勉強に励んで行きたいと思います🏋️♀️ というわけで、今年の抱負です! ⭐️ スペイン語の動詞の活用をマスターする! スペイン語の動詞には鬼のような種類の活用があります。「スペイン語勉強するぞ!」と思うたびに、この活用の多さが殺る気、いえ、やる気を削いでまいりました。 今年は気持ちも新たに「スペイン語 活用 覚え方 簡単」という用語で検索をかけたところ、便利なアプリが二つ見つかりました。小テストやフラッシュカードで、繰り返し活用を刷り込んでくれるというものです。これらアプリを駆使し、動詞の活用を脳みそに叩き込んで行きたいと思います。 また、モチベを保つ方法にも打開策を得ました!! とある方から聞いたのですが、私たちは普段、様々な次元からエネルギーを得ているのだそうです。例えば、「煙草を吸う」という行為は「嗜好品を嗜む」という次元からエネルギーを得ていると考えられます。これを「煙草を吸う」という行為から「ウォーキングをする」という行為に変えようとすると、今まで慣れ親しんだ方法でのエネルギー供給方法とは変わってしまうため、なかなか新しい方法が身につかない、ということらしいのです。 まあ、要は不慣れなことはなかなか身につかないよね、という話なのですが、私的にはこの「エネルギーの供給」という考え方が「なるほど!」と思えたのです。 私の場合、これまでのエネルギー供給方法は「スキマ時間に『なろう』小説を読む」というものでした。この「なろう」小説から得ていたエネルギーを「スペイン語の活用マスター」という意識高い系のエネルギー供給方法にスイッチするのです。 活用の勉強面倒くさいな…… ↓ ついケータイに手が伸び、「なろう 完結 短編」と検索してしまいそうになる ↓ はっ、ダメダメ! これからは意識高い系のエネルギーを取り入れるんだから! ↓ 「この活用一つひとつが意識高い系のエネルギー……」と思いながら、ひたすらアプリのテストやフラッシュカードで勉強する ……と、これがなかなかいいんですわ(と汗を拭うおっさん)。何かを我慢するのではなく、別のところからエネルギーをもらう、という発想が無理なく移行できていいなと感じています。 そういうわけで、今年は意識高い系エネルギーを取り入れつつ、スペイン語の活用のマスターに向けて頑張りたいと思います。 年末には、もちろん今年の振り返りをします! そう言っておかないと、途中でグダグダになるのは必至なんで!
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12月26日
親ブン子ブンとコテージ・パイ
写真はマトリョーシカ収納になっている親(オー)ブンと子ブンです。先日はコテージ・パイを作りました。 さすがミニ・オーブン、パイ皿を横並べにすると入りません。上下二段に分けて入れて、途中で入れ替えて焦げ目を調節しました。 手軽さは嬉しいが、少し大物になると入らないのが辛いところか……。 十二月に入った頃、たまに行くスーパーに行ったら、真空パックの鴨の胸肉が売っていました。最初は三千円くらいだったのですが、クリスマス直前になったら千二百円くらいに値下がりしていました。 ということで、クリスマス・ディナーは鴨肉のステーキ、赤ワインソースがけでした。 赤ワインソースがめちゃめちゃ美味しく出来たので、レシピを載せておきます。 1) 玉ねぎ半分を薄切りにして弱火で炒める。 2) 玉ねぎの縁に焦げ目がついたら、お湯を 150 cc ほど足して、お茶パックに入れたローズマリー 20 cm くらいと月桂樹の葉 2 枚を投入して煮出す。 3) コンソメを 1/3 から 1/2 個入れて(お好みの塩っぱさで)更に煮出す。 4) お茶パックを取り出したら、赤ワイン(安くて OK)を 150 cc ほど入れる。更に 50 cc のワインに小麦粉を小さじ山盛り 1 杯をダマの無くなるまで溶かした後、ソースに追加してよく混ぜる。 5) マーマレードを小さじ 1 杯足してよく混ぜる。 6) チョコレートを一欠け(2 x 3 cm くらい)足してよく混ぜる。うちにたまたまクランベリー入りのチョコがあったのでそれを使った。 7) バルサミコ酢を小さじ 1 杯半ほど足して味を引き締める。 ビーフやチキンにも合うと思います。 ちなみに鴨肉は初めて調理したのですが、ビギナーズラックでうまい具合にミディアムレアになりました。でも、調理し終わったらフライパンに油が 2 cm くらい溜まっていてびっくりしました。美味しいけど、健康には悪そうだな……💦と思いました。
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12月13日
どどど、『ドルメン』(カクヨム みんチャレ化 計画)が完結しましたぁぁあっ!
『ドルメン』の話をする前に、『赤い糸』に堀井菖蒲さんからお星さまを頂きました! 堀井さんありがとうございました! さて『ドルメン』です。カクヨム みんチャレ化を思いついたのが二〇二三年八月で、ドルメンの翻訳を始めたのが九月からだったので、通算で十六か月目で完結しました。お読みいただいた皆様、ありがとうございます ₍₍_(ᵕᴗᵕ_) ありがとうございます (_ᵕᴗᵕ)_₎₎ 私も中身を知らないまま訳し始めたので、最初は推理小説だと思っていたのですが、実際は「八つ墓村 x エルム街の悪夢」みたいな話でした。 読んでみたいけど六十二話も読む気せんわ! という皆さんには、第 47 話『あらすじ まとめ』と第 59 話以降を読んでいただければ、ふーん、そういう話なんだ、というのは分かっていただけるかと思います。御用とお急ぎでない方は読んでらっしゃい、見てらっしゃい! 47 話はこちらから 😉 https://kakuyomu.jp/works/16817330662439906579/episodes/16818093087523013085 59 話はこちらから 😎 https://kakuyomu.jp/works/16817330662439906579/episodes/16818093089014648401 あと、語学学習についてあれこれと思ったことがあるので、後にまとめてみようかなと思っております。 * * * 先月はずっと霧続きだったので、湿気でテレビとオーブンが壊れてしまいました。テレビは見てたら「ボンッ」という音がして画面が暗くなり、オーブンは温度調節ができなくなってしまいました。 テレビは一万五千円くらいで修理できましたが、オーブンは修理に来てもらうだけで三十分につき一万円超えの暴利! どうしようかなと思っていたら、スーパーで八千円くらいでミニ オーブンが売っていました。さっそく買って帰って、テストでパンを焼いてみました。小ぶりながらなかなかの実力です。今までの大型オーブンの半分の電力で済むのも嬉しいところです。 ただ、しまうところがないので、今のところ、以前のオーブンの中に小型オーブンをしまうというマトリョーシカ収納になっています……。 (写真は親オーブンの中から取り出してガス台の上に置いたところ)
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11月27日
『赤い糸』に応援やお星さまを頂きありがとうございました!
ちょっと夢のことを書いたりしてて、遅くなってしまいましたが、拙作『赤い糸』にコメントや応援、お星さまを頂きありがとうございました <(_ _)> 木下望太郎さん、チョコレートストリートさん、ヤンさん、プラナリアさん、薊奈コトリさん、ありがとうございました! お話としては地味なんですが、個人的には普通の人の話をいつも書きたいと思っているので、割と今回は「よっしゃ、書けた!」と思っている話です。 なんだろう、結婚相手って良くも悪くも自分と合わせ鏡のようというか、バランスしてると思うんですね。もっと広く考えると、結婚相手だけじゃなくって、今自分がいる環境は自分とバランスしていると思っています。 私は主人公の彼女に、憧れで結婚になだれ込むのではなく、まず自分というものを確立して欲しかったんですね。最初の彼にフラレたのも、グルメ雑誌で酷評されたのも、あの時点での彼女が「愛され」思想に踊らされていて、自分が好きなのは誰か、自分がしたいのは何か、というのをまだしっかり分かっていなかったからだと思っています。 それを乗り越えた時に、もっと大人の自分に合った男性が現れる……という話にしたかったのです。 「この人に自分の料理を食べて欲しい、この人に美味しいと言ってもらいたい」というのも、「愛されたい」ではなく、「この人に何かしてあげたい」と彼女に思って欲しかったからです。 「愛される前に自分の気持ちはどうなんや! そこに自分から湧き出す愛はあるんか!」と声を大にして言ってみた作品です。
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11月23日
夢の話 その二
また夢を見た。 今度は将棋を指していた。 相手の一手目は歩、私も歩を打つ。相手の二手目が金。 私は「難しい駒を」と思い、どうするか、歩の後ろに飛車を置いたらどうかなどと考え始めたら目が覚めた。 目が覚めたと言っても、またもや夢現の中。 将棋もチェスも苦手だし、どちらも二十年以上も触ったことがないのに、なんでこんな夢を見たのかな……、と思い始めたら、寝る前に『3月のライオン』を読んで……ません。 * * * もうちょっとはっきり目が覚めて考え直したら、ヘンなことばかり。駒は将棋でも指し方は碁だったし、金も動き方はチェスのクイーンと同じだと思っていた。飛車の動き方も桂馬の動き方と混同していた。 普段、将棋やチェスのできる人に憧れているので、夢の中だけでもインテリな人の気分になれたのは良かったです。
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11月23日
ハハからの伝言
夢の中で亡きハハと喫茶店に来ていた。 床は螺旋状のゆるい階段になっていて、周りはガラス張りで外の光が入ってくる。そのガラスの壁に沿って、一段ごとにテーブルと複数の椅子が置いてある。 私はその階段をハハと二人で降りながら、空いているテーブルを探しているのだが、混んでいてなかなか見つからない。そのうちにハハもどこかに行ってしまった。 少し暗がりになっている場所にやっと丸テーブルが二つ空いているのを見つけて、そのうちハハも来るだろうと思い、とりあえず席に座った。しかし、何故か同じテーブルに背の高い女性が一緒に座った。 知らない人なのにどうして同じテーブルに座るのかな、と思い、少しムッとしながら、もう一段下のテーブルに移ろうとすると、その人も付いてくる。 「なんですか、同席したいんですか?」と聞いている間に、ガラスとは反対側の壁にあるテーブルにハハが座っているのに気が付いた。そのテーブルは奥に続く廊下のすぐ横にあって、廊下からウェイトレスが出てきてハハのテーブルに水を置いていた。 なんでハハはわざわざ別のテーブルに座るのだろう、とやはり不快に思いながらハハに話しかけた。 「探してたんだよ、どこに行ってたの? こっちのテーブルでお茶飲みたいの?」 ハハはしかめ面で首を振る。 「なんで? 一緒にお茶飲まないの?」 ハハは再び厳しい顔で首を振った。ハハにそんな風に拒否されたことが今までなかったので、私はとてもショックを受けて泣き出しそうになった。 「どうしたの? 私にこの女の人とお茶してほしいの?」 私は何故か同席したがるその女性を指さしながら聞いた。ハハは変わらない厳しい表情で再び首を振った。 私はひどく動揺して、喫茶店を出て行こうと階段を登り始めたが、またハハの所に戻って何か言い始めたところで目が覚めた。 * * * 目が覚めたと言っても、まだ夢現で、半分寝ながら「なんでこんな夢見たのかな」と考え始めた。すると、寝る前にカクヨムで今推されている『宵を待つ月の物語』を読んだのを思い出した(無料分だけだが)。 この話は、黄泉戸喫(よもつへぐい)がモチーフとなっている。黄泉戸喫とは、黄泉の国の物を食べることを指す。死んで黄泉の国に行ったイザナミを、イザナギが追いかけて帰ってきてくれと頼むだが、イザナミは「私は既に黄泉の国の食べ物を口にしてしまったので帰れません」と答えるのである。 それに思い当たって、ハハの態度に納得がいった。 ハハが一緒に居たということは、あの喫茶店は私の中の黄泉の国だったのだ。そして彼女は私にまだ黄泉の国の食べ物を口にして欲しくなかったのだ。ハハのあの厳しい顔は、彼女の最大の優しさだったに違いない。 まだ半分眠ったまま、黄泉の国からでも私を守ろうとしてくれているハハに、私は心から感謝した。 * * * 私はなぜだか最近、自分の人生はあと七年くらいかな、と思っていた。こういう考えが起きることはときどきあって、十二歳の頃は自分の人生は十四歳までかな、と思っていた。十四歳で死ぬと思っていたわけではないが、十四歳以降の人生を想像できなかったのだ。実際に十四歳の誕生日を迎えて、特に何事もなく中学生生活を送り、十五歳になって、「ああ、十四歳を過ぎても人生って続くんだ」と一人静かに感慨にふけったことを覚えている。 それと非常に似た感覚で、自分の人生はあと七年くらいかな、と考えていた。特に具合が悪いわけでも、抑うつ状態になっているわけでもない。七年で死ぬのは別にいいけど、それまでに今考えている話を全部書ききれるかな、というのが心配だったくらいか。 ハハによると、私はそれより長生きするようである。 ありがとう、お母さん。もうちょっとがんばります。 2024 年 11 月 22 日
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11月21日
ポリッジマン(お粥マン)
アンパンマンを知らない人との会話。 「『アンパンマン』って知ってる? 日本のヒーロー物の一つで、あんまりシリアスじゃないんだけど……」 「いや、『あんパン・マン』って聞いて、シリアスなヒーロー想像する人いないでしょ? 『ポリッジ(お粥)マン』とか聞いて、劇画調のヒーローとか想像する?」 「なるほど……、確かに……。でも、それはかなりベトベトしててイヤなヒーローだな……」 * * * ポリッジマンは、お腹の空いた幼児のところへやって来て、おもむろに木製のスプーンで顔からポリッジを掘り出して、ボウルに入れて差し出すそうです。 子供が嫌がって泣くと(私もイヤだ)、目を青く光らせながら「これがお前のポリッジだ……」と低い声でボウルを突きつけるそうです。 それは、果たして良いヒーローなんでしょうか。 突きつけられたポリッジがホカホカしてたらもっとイヤです。 あっ、でも雪山で遭難してるところで出会ったら、有り難くて涙が出そうですね。何なら、全身くるんで欲しいと思うかもしれません。ただ後で服を洗濯するのが大変そうです笑
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11月7日
新しい短編を公開しました
学生の頃、試験前になるとマンガのネタがやたら浮かんで、勉強せずについマンガを描き始めてしまう……ということを繰り返していました。 その習性はいまだ変わらず、『ドルメン』を終わらせなければならないのに、なぜか新しい話のネタが浮かんでしまう……。加えて、書き始めたら一話で終わらずに四話になってしまいました。 というわけで、それでも短編と称して公開します ↓ 『赤い糸』 https://kakuyomu.jp/works/16818093088117921345/episodes/16818093088118083162 お楽しみいただけると嬉しいです。 さて、我が家はここ二週間ほど五里霧中の日々を過ごしています。 うちは半島にあり標高が高めなので、秋は湿度が高く海霧が発生しやすいのです。夏は水不足だったので、植物にとってはありがたいのですが、毎日朝起きると霧で何も見えないというのは、結構メンタルに来ます。 洗濯物は乾かないし、散歩に行くとそこら中にキノコが生えていて、白雪姫の森か(今日はうまく歌える気がするさ♪)、男おいどんの部屋かといった風情です。 上の写真はシロタマゴテングタケです。下の写真は、うちの庭にセップ茸が?と思ったら、ドクヤマドリでした。 あっ、それから、前作『スプーン』に引き続きお星さまも頂いております。ありがとうございます! 選挙前の政治家みたいになってきました。 不労つぴさん、イノナかノかワズさん、佐竹健さん、虎の威を借る正覚坊さん、ありがとうございました <(_ _)>
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10月28日
『ドルメン』が追い込みに入りました!
母さん、僕のあのドルメン、どうなったんでしょうね……? ……続いております! 好むと好まざるに関わらず、思ったより長く続いておりますよ! もはや谷底に落としたい気もしますが、やると言ったからにはやる! みんチャレの初志を貫徹するのぢゃ! いまだに読んでくださっているチョコレートストリートさんとヤンさんには、頭が上がりません。ありがとうございます 🙇 ただ、もう面倒くさくて読めないけど、最後だけは気になるという方もいらっしゃると思います。そんな方に朗報です! これまでの 47 話をぎゅっと一話に濃縮! これだけ読めば残りはひと月分だけ! もう第一の山場を迎えたので、後は最後のクライマックスに向かって一気に進みます(多分)! 「『ドルメン』あらすじまとめ」は、こちらからどうぞ! ↓ https://kakuyomu.jp/works/16817330662439906579/episodes/16818093087523013085 それから、『スプーン』に引き続き応援やお星さまを頂いております。ありがとうございます! プラナリアさん、崇期さん、悠真さん、ありがとうございました <(_ _)>
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10月27日
『スプーン』に応援マークやお星さまをありがとうございます!
昨日公開した短編『スプーン』に応援マークやお星さまを頂き、ありがとうございます! 大田康湖さん、雀さん、チョコレートストリートさん、堀井菖蒲さん、九津十八@ここのつとおようさん、木下望太郎さん、ガビさん、お星さまをありがとうございました。 こんな短い期間でこんなたくさん応援マークやお星さまを頂いたのは初めてです。感謝、感謝でございます。明日雪にならないといいですが……。 最近、@ninomaehajime さんの作品をよく読んでいます。 https://kakuyomu.jp/users/ninomaehajime 短編のホラーが多いのですが、短い文章の中でさっと舞台を設定し、主人公の気持ちの移り変わりに読者を引き込み、読後も余韻が残る……。「すごい!」と毎回思いながら読んでいます。 『スプーン』は、この @ninomaehajime さんの作品を目指しながら書いてみました。私の文章は「背景が皆さんにわかるように」という意識が働いてついくどくなってしまいがちです。それを削ぎ落とし、「ミニマルな文章で感情を前に押し出して」という気持ちで書いてみました。 そのお陰か @ninomaehajime さんから応援マークを頂けて、私としては合格点を頂けたようで嬉しかったです。 読み返してみると、全然ミニマルじゃなくて土地名がめちゃくちゃくどいんですが笑 それでも書きながら、いろいろな発見があったので、以降も短編を頑張ってみようかと思います。
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10月25日
短編
ふと思いついて短編を投稿しました。 『スプーン』 https://kakuyomu.jp/works/16818093087351209871/episodes/16818093087351348750 ちょっと地理が細かくて申し訳ないんですが笑、地図を見ながら、ふむふむそういうことか……と思っていただけるとありがたいです <(_ _)> 地図検索をするときは、「杉並区善福寺」で検索していただけると、大体の場所が表示されると思います。 普段行かない場所でも、車で行くと意外に近いんだなーと発見して書きました。
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10月21日
あの人は今
イスラエルの攻撃がガザからレバノンにまで広がっていますね……。 レバノンと聞いて思い出すのは、楽器ケースに隠れて日本を脱出した「あの」カルロス ゴーン氏。せっかく日本の検察から逃れてレバノンに落ち着いたと思ったら、戦争に巻き込まれて大変です。 いや……大変なのか? もしやまたどさくさに紛れて国外に逃げ出しているんじゃなかろうか? そう思って、ゴーン氏のニュースを検索してみた。 今年に入って出たゴーン氏関連のニュースは意外に最近の九月二十六日。英領バージン諸島の最高裁判所でゴーン氏に対して「豪華ヨットを日産に返却し、損害賠償として三千ニ百万ドルを支払うよう」判決が下ったとのこと。 ゴーン氏はレバノンにいるのに、なぜバージン諸島の裁判所が……? それはヨットがバージン諸島に登録されているかららしい。 ニュースによるとゴーン氏は日産の資本準備金をあちこち経由させて、最終的にカリフォルニアに私有していた自会社と、ヨットを買うためにバージン諸島に設立した会社に払い込んだんだそうだ。そして、そのお金で豪華メガヨットを特注で作らせたらしい。 なんと船名は 「シャチョウ(社長)」! 成金趣味!笑 その後追跡を交わすためか、船名を Twig(小枝)に変えたようだが、船の位置情報アプリで見るとベイルートの近くのマリーナに停留されているのがわかる(下の URL を表示して、最前面のウィンドウを横に動かすとマリーナで点滅しているピンクの丸が表示される)。 https://www.marinetraffic.com/en/ais/home/shipid:5069021/zoom:13 船を動かせば直ちに押収され*、本人もレバノン国外で見つかれば逮捕されるそうなので、どちらもレバノンに留まるしかないらしい。 ご本人にしてみれば、日本の刑務所で臭い飯を食うよりかは、レバノンで爆撃を避けつつ自由な生活をしている方がましなのかもしれない。 でも、逮捕はされなくても差し押さえは有効になるんだろうか? まあ、レバノン政府は今ゴーン氏どころじゃないですよね。 ハマスのしたことは残虐非道言語道断ですが、イスラエルの首相も今自国がしていることを自分の民族の歴史に照らし合わせて考えていただきたい 😟 中東にもウクライナにも早く平和が来ますように……。 * * * ニュース出典 https://headlight-news.translate.goog/2024/09/26/back-in-the-news-court-orders-carlos-ghosn-to-return-super-yacht-and-32-million-to-nissan/?_x_tr_sl=en&_x_tr_tl=ja&_x_tr_hl=ja&_x_tr_pto=wapp * どこかで聞いたような話 https://kakuyomu.jp/users/ikamiro00/news/16818093074370589734
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10月7日
ゲームしてますか?
してませんっっ! ゲームに転生した話を書いてますが、普段ゲームしてないのバレバレですよね。装備とか Lv とか、サモナーとかアーチャーとか一言も出てきやしねえ笑 そもそもゲーム嫌いなんですよ……。やるのはお正月のすごろくとカルタくらいw 皆さんのゲーム転生小説とか読むと、「この装備だと攻撃力は高くないが火力がチート級だ」とか、ルールありきの前提で話が進められてて、既存のルールに基づいて何か書けるってすごいな……と思います。 そう、ゲームはルールがあるので苦手なんです。だから小説の主人公もゲームから逃げ出してます。作者によく似ているw でも少しはゲームについて知らないと話も書けないよなと思って、Roblox のアカウントを作りました! これから書こうとする設定に一番近いかなと思いまして。そしてコントローラを持っていないので、操作は全てキーボード。キーボードだけだと、なんか対応してない動作もあるらしいです。 まあ、とりあえずやってみるかと思って、洗濯をするゲーム(コイン ランドリーみたいなところで働くとポイントが貯まるらしい)に入ってみました。 入ると突然、とある街角に立っているところから始まるんですが、どこに行けば洗濯できるかわからない! 通りをうろついてみたり、海で溺れてみたりしていたら、雨が降ってきました。マイクラでも雨が降りますが、濡れやしないのに「雨宿りしなきゃ!」って思うのは不思議ですね。 というわけで、近くにあったカフェに入りました。キーボードでアバターを右に行かせたり、左に行かせたりしていたら、ふいに窓際の席にちょこんと座りました! あら可愛い! カフェの窓越しに雨を眺めてなかなか風流です。 まあでも三十秒もすれば同じ画面をずっと見てるのも飽きますよね。「洗濯場探しを続けるか」と思い、キーボードを押したら……動かない! 前後左右どのキーも効かない! なんで? しばらくキーボードをガチャガチャやってたんですが、アバターさんはカフェから動きたくなさそうだったんで、まあ、とうとう、ログアウトしました……。 結局、三十分くらいかけて通りをうろうろして、カフェから出てこれなくなっただけ……。 もうゲームなどせんっ!!
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10月1日
モヤモヤするメール
町役場からの怖いお手紙に続き、今度はモヤモヤするメールが来た。 差出人は以前通っていたスペイン語学校から。 まずはモヤモヤするメールの件名をお伝えしよう。 「ウェディングの最中に ✕✕✕ の音で大困惑?」 ✕✕✕ は男女の睦事である。 こういう見出しのスペイン語のニュースがあったらしく、それを送ってきたのである。見出しが見出しだったので、中も見ずにゴミ箱に捨てた。 捨てたはいいが、何かモヤモヤする。これは冗談の範囲か? 読んだからと言って、「キャッ、恥ずかしい!」となるような年ではないが、学校から元生徒に送る内容としては完全にアウトだろう。 ちなみに元生徒の男性にこういうメールが来たかどうか聞いてみたが、受け取っていないと言う。こういう見出しのニュースを送ってくるのはどう思うかとも聞いたが、「まあ、あの先生のことだから、そんな悪意があるわけじゃなくて、面白おかしい軽い気持ちで送ったんじゃないの」という回答だった。うーん……。 このスペイン語学校はイギリス人男性がワンマンで経営していて、このイギリス人先生がスペイン語も英語も教える。 かつてはどこぞの私立の中高一貫校で教頭までしていたらしいのだが、まあどういう経緯でか自分で語学学校を経営するようになったらしい。 この学校には、スペイン語の「ス」の字もわからない段階から通い、初級スペイン語の習得では大変お世話になった。 快活で話しやすい先生なのだが、段々と授業が進むに連れ、先生のお喋りが授業の半分くらいを占めるようになり、お金がもったいなくなって止めた。 止めた後も、ときどき学校からメールが来ていた。大体は、先生の目を引いたスペインでのニュースが送られてきていた。 タラゴナ地方で夏の山火事が大変だとか、スペインの地方選挙で右傾化が目立つだとか、そんな内容である。 少し気になったのは、メールが来るのは女生徒だけなのだ。元生徒だった男性と、この学校から来るメールの話になったときに、この男性はメールのことを知らなかった。 エラーなのかと思って、学校に男性の名前が漏れてますよ、とメールを送ったのだが、結局この男性はメールを受け取らずじまいだった。 学校に通っている間も「もしかしてこの先生ヤバい人かも……」と思うことが、二、三回あった。 教材で「初恋はいつか?」とか「初キスはいつか?」という内容のものがあったのだ。 初恋くらいだったら、「五歳の時に保育園の同じクラスの男の子と結婚の約束をしました!」で済むが、初キスとか聞く? 初恋だって、教材で聞く内容じゃないと思うんですけど。 「プライベートなのでヒ・ミ・ツ☆」という回答をしたが、男性陣はやはりあまりぴんと来ていないようだった。 クラスにはいつも四人から二人の生徒がいたのだが、たまに一人で授業を受けることもあった。そのときに先生が隣に座ったのもイヤだなと思った。その次から一人になったときは、わざわざ遠いところに座ったものだ。 これが若くてピチピチの娘なら気の迷いもあろうが、こちとらアラフ**のオバチャンである。(どっちにしても隣に座ってはイケナイ) 以降、私の脳内ではこの先生は「何かヤバいものを秘めているので、気を緩めて近寄ってはいけない人」という判定になった。 話に聞くところでは、お金持ちのお坊ちゃまやお嬢様に英語の家庭教師もしているらしいが、私に子供がいてもこの先生には習わせるまい。 そんなこともすっかり忘れていた頃にこのメールである。個人宛になっているのか、グループ メールで送られたのか、メールの宛先をよく見ておけばよかったと思うが、もうゴミ箱に捨ててゴミ箱からも消去してしまったので確かめようもない。 まあ、次回またこういうメールが来たら、今度からスパム扱いにしよう。 こういう微妙に判断がつかない事例は、私は疑ってかかる方を取り、割とあからさまに「疑ってますよ」と態度に示している。相手に失礼などとは考えない。先にこれぐらいはいいだろうと失礼をしたのは相手なのだし、実際に何かあってからでは遅いのだから。 先生や上司、あるいは同僚や友人に同じようなモヤモヤを感じる方には、「あ? 舐めんなや、オラ」と心の中の態度を改めるようにお勧めしておく。心の中の態度は絶対顔に出るので、程よい牽制となるはずである。
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9月26日
「条例に基づき、あなたの住民登録を解除する請求がありました」
……という恐ろしい手紙が町役場から書留で届いた 😨 「この請求に申し立てがある場合は、十五日以内に✕✕町役場までお越しください」 受け取ったのは九月二十四日だが、手紙の日付は八月二十三日。いつから数えて十五日? もう解除されてるかも? 真っ青になった。 もう夕方だったので、電話はしなかった。インターネットでどんな請求なのか調べてみたら、例えば、アパートの賃借人が住民登録を外さないまま退去した場合、家主が「この人はもうここに住んでいません」と言って、住民登録を解除できる仕組みがうちの近隣ではあるらしい。 しかし、我が家は賃貸ではないので第三者がそんな請求をするはずがない。誰がいったい何のために…… 😰 びくびくしながら翌朝町役場に赴いた。昨夜は心配でよく眠れなかった。 町役場は小さいので、受付というものがない。仕方がないので、廊下を歩いていたおじさんに手紙を見せて、「こんな手紙が届いたんですけど……」と聞いてみた。おじさんは手紙を見ると言った。 「あー、これ、住民課に行って、住民票の確認して。住んでるって確認が必要だから」 「そうなんですか……」 「今日、パスポートとか身分証持ってる?」 「はい」 「それ見せて、確認してもらって。あ、あんた、ここに住民票あるの?」 「はい、あります」 「じゃ、それ確認してもらって」 「はい」 どうやら、確認すれば済むらしい。住民課の部屋を見つけて、その前で待つ。待っていたら、同じ通りに住む A さんが来て、声を掛けてきた。 「こんにちは。『住民課』ってここかしら?」 「あ、そうです」 「なんか面倒な手紙が来ちゃって……」 「もしかして『住民登録を解除する請求がありました』ってやつですか?」 「そうそう」 私以外にも来てるんだ。何なんだろう。私は住民票を確認すれば済む、と言われたと話すと、A さんは「でも、私の場合はここは別荘で、別に住所があるから面倒なのよね……」と言っていた。 自分の番が来て、住民課のデスクに行くと、時々道端で会う、いつも犬の散歩をしている B さん(名前は知らない)が座っていた。 「あら、こんにちは」と B さん。 「こんにちは。なんかこんな手紙が来たんですが……」と B さんに手紙を見せる。 B さんは手紙を見ると、机に突っ伏した。 「あー、ごめんなさい。これね、五年に一回確認して回ってるの。ほら、この町、別荘が多いでしょう? だから、ちゃんと持ち主が住んでるかどうか確認するの。身分証明書持ってる?」 「はい」と私は身分証明書を B さんに渡した。 「ちょっと待ってね」 そう言うと B さんは何やら入力して私の住民票を表示した。B さんの指差す先には黄色い警告があった。 「この印があると、確認の手紙が行くの。イカワさんの場合は、電話番号と E メールが登録されてなかったのね(住民登録時は引っ越してきたばかりで電話がなかった。携帯の番号を教えたかどうかは覚えていない)。電話番号が分かってれば、電話で済んだんだけど、ごめんなさいねー」 そう言って B さんは、私の身分証明書のコピーを取り、住民票を更新し、電話番号と E メールを登録した。 「はい、これで終わりです」 「ありがとうございます。これ……、いつもやってるんですか?」 「そうね、今回人数が多かったから大変よ、もう夏から忙しくて」 「そうなんですか」 「びっくりさせてごめんなさいね、ホント、確認のためだけだから」 ……ということで、一件落着した。 この町にはもう九年は住んでいるのだが、五年前にはこんな脅し、いや、お知らせは来なかった。町長が変わったからかな? よくわからない。 わからないが、もう少しおとなしい感じの「在住のご確認」くらいの表記に変えていただきたい。 びっくりした……💦 私の寝られなかった夜を返して欲しい。
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9月16日
なろう王太子(婚約解消系)
某県知事のニュースが続いていますね。 彼の発言を読んでいると、なろう小説に出てくる 「エミリー ドラングウッド! お前との婚約は破棄する!」 とかって卒業記念パーティーで言い放つ王太子を想像してしまいます。 「俺は王太子だぞ! なぜ弁当を持って帰れない!」 「王太子の俺にそんな口を利いていいのか!」 「王太子の行動にケチを付けるとは不敬な! この者を探し出して処刑してしまえ!」 リアルでなろう王太子過ぎる。
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9月13日
『すぐ死ぬ村人(以下略)』にまたまたお星さまをありがとうございます!
『すぐ死ぬ村人(以下略)』にまたお星さまを頂きました。ナナミン・ビューティー(七七七@男姉)さん、どうもありがとうございます! 最後まで読んでいただけるよう頑張ります! 写真を整理していたら、ほっかむりしたおっさんみたいな犬の置物の写真が出てきました。
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9月9日
そして僕はゴボウを植える
……っていうタイトルにしたかったんです、『すぐ死ぬ村人(以下略)』の11話目のタイトルは。でも阿部くんはゴボウ植えてないんで、仕方なくお話に忠実に「蕪」にしました。リズム的には「カボチャ」のが良かったですね。直そうかな。 旅に出てしまったので火曜日の『ドルメン』はお休みです。代わりに旅先で見つけたディズニー アニメに出てきそうなキノコ🍄の写真を載せておきます。
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9月6日
「おコメが無かったらおせんべいを食べればいいじゃないの」
……革命起きそう。
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9月4日
『すぐ死ぬ村人(以下略)』をお読みいただきありがとうございます!
またまた『すぐ死ぬ村人(以下略)』にお星さまを頂きました。チョコレートストリートさん、どうもありがとうございます! 嬉しいです。皆さん、お気遣い頂きありがとうございます ! _“(. . _)ペコペコ (_ . .)”_ペコペコ やっぱり転生モノのタイトルは受けるのか、最初の三話はほどほど目を通していただけるようです。が、まあ、軽く読み進められるような文体でないことは自覚しておりますので笑、その先はだだ下がりでございますw でも、ゲームに転生するんだったらゲームっぽい……、というかコンピュータっぽい縛りやネタを突っ込んだ話を書きたい! という自己都合主義満載で書き進めております。 shift コマンドも別に「倍数にするコマンド(正しくは指数関数的に増減させるコマンド)」という説明だけでいいんだと思うんですけど、自分が読んでたら「なんで倍数になるんだよ!」って気になって先に進めないので、グダグダと説明を入れております。でも、そういうのがわかったら楽しいよね? d(゚∀゚*)ネッ!(強要) そしていつか量子素子に繋がったクマムシの話とかも書いてみたいです……。 楽しそうだよね? ((( d(@∀@*)ネッ!)))(強要)
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8月31日
すいません。今週のドルメンはお休みです。
仕事が来ちゃったので、仕事を優先させます(当たり前か)。火曜日には更新します(多分)。 * * * 『山田くんとLv999の恋をする』を続けて読んでいます。 山田くんと茜ちゃんのお付き合いが始まった後、二人のキスシーンとかお泊りのシーンとかがちょこちょこあるんですが、なんかこう、こなれ感がありすぎて「むぅ?」となります。 キスシーンはやっぱり素敵にねってのはわかるんですが、「山田お前昨日まで DK で DT だったんじゃないのか、なんだその流れるようなムーブは??」とつい思ってしまいます。やっぱり山田くんは前世五十五歳の転生者に違いない……。 * * * それから、『すぐ死ぬ村人(略)』に堀井菖蒲さんからもお星さまをいただきました。 ありがとうございます <(_ _)> なんか無意識に催促した気が……💦 いや、実力実力ぅっ!(ポジティブが過ぎる)
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8月30日
ドルメンは明日更新します(多分……)
『珍しく』仕事があって、ドルメンの翻訳が滞っております。下訳は終わらせましたが、編集がまだなので明日更新する予定です(もし仕事が来なかったら)。 * * * 『山田くんとLv999の恋をする』のマンガが五巻まで無料になっていて、五巻の終わりまで読んだのですが、すっごい気になる終わり方になっていて、気が付いたら既刊九巻大人買いしていました…… -⁽ -´꒳`⁾- でも、思ったほど派手な展開になっていなくて、ちょっと肩すかし感……。出版社(カドカワ)にうまいことやられちまったな、と思いました。 フォーマット的には、『ヲタクに恋は難しい』に似てる感じがします。ゲームやりこみが突き抜けてる男子(顔はいい、仕事/勉強はできる、だがコミュ障)に、ほんわか元気で気使いのできる女子(ただし『山田くん』の方の女子は腐っていない)。 山田くんは高三なのに、家庭教師もして、彼女とも付き合って、ゲームもしてるのに、しっかり大学に合格しちゃうスパダリっぷりがすごいです。しかも、いつも落ち着き払っていて、こんな高校生見たことない。絶対前世五十五歳くらいで死んだロマンスグレー(部長職)の転生者だと思います。 今なら電子書籍屋に行けば、どこでも五巻まで無料で読めると思います。五巻までの二人がハッピーエンドになるとこまで読めば、後はそれほどびっくりすることも起きないので十分楽しめると思います。絵もストーリーも可愛いのでご興味があればぜひ。
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8月29日
『すぐ死ぬ村人に転生したので shift コマンドで生き延びることにした』(長ぇ!)にお星さまをいただきありがとうございます!
ふと気がつけば、既にお星さまを十個も頂いておりました! るしあん @猫部さん、@SERUJIさん、酸性元素さん、プラナリアさん、応援していただきありがとうございます! コンピュータについていろいろ考えているうちに、替え歌を思いついたので書いておきます。 SE (メインフレーム)時代 バグのからまる画面に呪いを吐いてた日 夢破れしあの頃の思い出をたどれば 辞めてった同期の顔が一人ひとり浮かぶ 重い足を引きずって通ったあの道 休出のマシン室のテープと空調の匂い ダンプの散るプリンタ SE 時代 わっかるかな〜、わかんねぇだろうな〜(古過ぎてコワイ)。
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8月23日
ムクドリのモノマネ
うちの庭ではよくムクドリが集まってグジュグジュおしゃべりをしている。このムクドリがモノマネ上手ということはご存知だろうか。 春先のムクドリは、近所のニワトリと、その頃よく鳴いていたウグイスの真似をしていた。 コーッコッコッコーホー、ホー、ホー、ホーホケキョロキョロキョロッ、グジュグジュグジュ……(<- 地声) って感じ。 こいつが最近猫の真似をしている。 数日前に「ニャーウッ、ニャーウッ」と鳴いている鳥がいて、珍しいな、何の鳥だろうと思っていた。 そしてその晩、リアル猫たちも大騒ぎ。 ウ゚〜〜、ウ゚〜〜〜、プギャッ、ギャウギャウギャウッ、キャーッ! 🐈=3 ドドドドドドッ 🐈⬛ =3 翌朝になって、まだ早いうちからどこかで「プギャッ、プギャッ」と言っている。 こんな朝早くから猫が騒ぐなんて珍しいな、と耳を澄ませていたところ、「プギャッ」があまりに規則的なことに気が付いた。 よぉく聞いてみると、鳥の鳴き声だ。どうやらムクドリが最近よく聞く猫の鳴き声を真似しているようだった。 先日聞こえた「ニャーウッ」もムクドリの鳴き声だったに違いない。 それにしても本物の猫と聞き間違えるほどのモノマネ力。「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」の鳥部門に出たら優勝確実だと思う。
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8月12日
新小説始めました
新しい小説『すぐ死ぬ村人に転生したので shift コマンドで生き延びることにした』を投稿しました。 本当は『ドルメン』を終わらせてから、と思っていたのですが、いつまでも終わりそうにないのでしびれを切らして投稿しました。 以前にこの小説のネタを近況ノートで話したことを、なんと堀井菖蒲さんが覚えらしてくださって、いつそんな話したかなーとおもって見たら去年の五月でした。一年もほっぽらかしにしてたんですね。 途中までしか書けてないんですが、頑張って終わらせられればいいなと思います。 以下は、IC の設計をしている友達にこの話の相談をしてみたときのコメントです。 友 「プログラムの中に入って勝手に動けるわけないよ。プログラムが動作を決めてるんだから。勝手に動けたらそれはバグだよ」 ごもっとも……。
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8月6日
間違いメール と ドルメンのスケジュール
健康保険の規定に関するリンクをメールで送るはずだったのに、なぜか Illit の Magnetic のビデオのリンクを送ってしまいました……💦 まあ、宛先はよく知る人だったので事無きを得たんですが、顧客だったりしたら危なかった💦💦 でも、間違いを謝っているときに、相手が「反転のダンス練習ビデオか……」とつぶやいているのが聞こえてしまいました 🤦♀️💬 すいません、練習してるんです。山梨放送の安福太郎アナウンサーくらい踊れるようになりたいです。 * * * * * さて、話はまったく変わるんですが、『ドルメン』の今後のスケジュールを組んでみました。 チート スキルも導入して最速で翻訳したとしても終わるのが十一月末……。四か月か……。 まあ、四四〇頁の本一冊訳すって言ったらプロの仕事ですもんね、それくらいかかりますよねー。なんて無謀なことを思いついたんだろう 😓 訳し終わったら、出版社に持ちこもうかな。でも、こんなとんでもストーリー売れないよなぁ……。 読んでくださっている皆様におかれましては、十一月末までお付き合いいただきたく <(_ _)> 。よろしくお願いいたします。 小説も書きたいので早く終わらせたいー。
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7月27日
AI ……、お前って奴は…… 😖
『ドルメン』(カクヨム みんチャレ化計画)の翻訳が大変なんっすよ……。 お話がセビーリャの観光ガイド化しちゃって、名所の羅列に始まり「その都市の美しさの陰には血なまぐさいドルメンの暗さが息づいているのだ……」みたいな、「あー、もうそういうのいいんで、サクサク次に行ってくれる?」って言いたくなるような記述が続いております 🫠 今の時点で全体の 20 % くらいしか訳せてなくって、週二回更新頑張ろうと思ってもなかなか進みません。このペースで翻訳し続けられたとして、終わるのが七か月後。まあ、連載を始めた当時の工程見積もりが二年だったので、一年以内に終わらせられるのであれば工期半減、超前倒しで、仕事だったら今年の評価 A なんですけど(か、見積もりがちゃんとできてなかったって怒られるか)、あと七か月もこつこつ翻訳し続けられる自信がありません……。 そこでです。使っている言語学習ソフト LingQ に最近「レッスンを簡易化する」というオプションが追加されたんですよ。今流行りの AI が物語を要約してくれるという。 「それを使って簡易バージョンのお話を訳して連載したらいいんちゃう?」 そう思って「簡易化」ボタンを押してみた! ちゃら〜ん♪ 一つのレッスンの中で「簡易化バージョン」と「原文バージョン」の二つのテキストが出来上がりました! 二つのテキストはクリック一つで行ったり来たりできます。 簡易化バージョンは半頁を一文にしてくれるってかんじですかねえ。でも、あんまり簡易化され過ぎてる感じがしたので、とりあえず原文バージョンを訳し始めました。そこそこ進んだところで、簡易化バージョンに戻って読み直します。 「……? これ、同じ話?」 いや、全然違うじゃん。原文そんなこと言ってない。むしろ逆では? あまりに堂々と違う内容に要約されてるんで、自分が読み間違えたのかと思って原文バージョンを読み直してみたけど、まったく違う。 原文バージョンのままでも、機械翻訳が彼と彼女を間違えたり、人とモノを混同したりとかあるんですけど、いや、これいい加減もいいとこだしょ。 こっわ! こんなの真剣に信じちゃう人いっぱいいるでしょ! 学生の皆さん! 論文読むの面倒だからって、AI に要約させちゃダメですよ! それより速読でも身に付けましょうね! やっぱり語学学習に近道は無し、か……(遠い目)。まあねえ、この苦労が脳内の神経回路を作るんでね、苦労しないと意味ないんだよねえ。 あー、もうガリガリ続けて翻訳速度上げるしかないか……。頑張ろう💦
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7月23日
Windows の障害に便乗した詐欺
やっぱり Windows の障害に便乗した詐欺が発生しているようです。 新聞に出てたのは、障害の原因となったソフト会社のクラウドストライクを装って「障害の復旧を有償でお手伝いします」とメールを送り、お金をだまし取ったり、システムの情報を盗んだりするもの。 または、クラウドストライクの偽サイトを作って、ウイルス ソフトをダウンロードさせる、というのもあるようです。 会社でクラウドストライクを使っていて、会社からの支給 PC を使ってる人は、こんなメールを受け取ったら、ついうっかり口車に乗ってしまうかもしれませんね。 障害に関するメールを受け取ったら送信者名をクリックして、アドレスが正規のものか確認する、Web サイトにアクセスするときも URL が正規のものか確認するようにしましょう。詐欺のアドレスや URL はやたら長かったり、全然関係ない名前の携帯アドレスだったりします。見知らぬメールの場合は開かずに、直ちにゴミ箱に入れて、ゴミ箱も空にしましょう。 慌てなくても、仕事が遅れても大丈夫! ウイルスや詐欺でこれ以上の損害を出す方がもっと大変です。「文句言うんだったら、お前が代わりに復旧してくれよ」って、心のなかでつぶやいておきましょう。 さて、今回の障害ですが、マイクロソフトとクラウドストライクの両社のチェックをくぐり抜け(たのか、チェックしなかったのか)、バグが世にでてしまったのは両社とも責任重大です。が、いわゆる IT 識者の方が鬼の首を取ったように、すべての障害の責任は二社にあるような発言をされていたのを聞いてちょっと気になりました。 確かに、どうしてこんなことが起きてしまったのか原因究明は必要ですが、障害が発生した諸々の会社でどれだけ障害対策を取っていたのかな、とも思いました。 確かに飛行機会社のように常時運転が必要なシステムは、一度止めてやり直すのは難しいと思います。しかし、一般企業なら、バックアップ システムを備えていたり、直近の正常な状態に戻すような復旧ソフトを入れていたりすれば、障害の出た機械を一度止めて早急に回復できたのではないかなと思います。障害の種類としては、それほどびっくりするようなものではなかったような気もするんですけど、これは素人考えでしょうか……。 ともあれ、今回の事件で己に誓ったことは、「システム更新の前には必ずバックアップを取って、問題があれば直前の状態に戻れるようにしておくこと」です。 といいつつ、バックアップ最近取ってないな……。偉い人に叱られる前に取っとこう。
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7月20日
Windows の障害
今日は一日 Windows で障害が起きたニュースをやっていたけど、具体的にどのバージョンの Windows なのかとか、何のパッチが悪かったのか、とかあんまり言っていなくて、具体的に書いてくれていた「窓の杜」のニュースが一番役に立った。 私個人には問題は起きなかったけれど、この隙に乗じて何か悪巧みを仕掛ける人も絶対いるはずだ。 「先日のセキュリティ・アプリの問題でお客様の情報が漏れた可能性があります。ユーザー名とパスワードを確認しておりますので、次のリンクから入力ください」みたいなメールが出回りそう。 あとは、「通常のサイトはセキュリティ・アプリの問題で一時停止しております。こちらのリンクからご利用ください」とか言ってフィッシング サイトに誘導したりとか。 皆さんも受け取るメールやメッセージの内容、金融関係などのサイトにログインするときにはお気を付けください。 今回の事件はパニック映画みたいだった。OS も多様性がないと、世界的に脆弱になるということだろう。ただ、昨今のアプリの複雑さだとほんの少しの互換性の悪さが命取りになることも多いだろうから、同じ OS で同じアプリでという安定感も捨てがたい。難しい問題だ。 それにしても、アップデートのパッチの実機テストをしなかったんだろうか? 自分のところのシステム ファイルだけだから問題ないと思ったのか? ちょっと謎。原因をしっかり究明していただきたい……。
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7月14日
ガンダムのフォローありがとうございます
ここ何日か『シン訳・ガンダム SEED OS 書き換え呪文』をフォローしてくださる方が続いており、大変ありがたく思っております。楽しんでいただけると何よりです。 このガンダム読まれるウェーブが時々来るんですが、何をキッカケに来るのかナゾです。拙作は表立って紹介されないはずなんですが…… 🤔 読み直すとわかりにくいなあと思うことがあって、ところどころ直したいんですが、ほっぽらかしになっています。あと図を入れたらもっとわかりやすくなると思うんですけど、それもなかなか手間がかかる……💦 時間があれば、全体的に書き直したいです。 まあ、その前に終わらさなきゃいけないのはドルメンだな! これから気合を入れて来週には再開します。 写真は、雀のお宿と化していたサービス エリアの看板です。
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7月11日
暑くて蒸発しそう……
まだ自宅には到着してないんですが、道中で既に暑くて焼けそうです。こんな中でもセミはジュワジュワ言っててたくましい。 イギリスにいたときはセーター着てたんですよ。イングランド中部でも薄手のコート着てました。既にイギリスが懐かしい……。 気休めにドーバー海峡はホワイト クリフの涼しい景色をどうぞ。 地平線が右側に向かってやや太くなっていますが、向かいのおフランスが見えているせいです。地平線の途中でちょこっとだけ盛り上がって見えるのはフェリーです。 こんな距離をゴム ボートで渡ってくる違法移民の人たちは本当に命がけですね……。
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7月8日
ドーバー海峡に来ています
っても明後日帰るんですけどね 😅 今年は自分の意志ではなく旅づいております。お陰でドルメンの翻訳が進んでおりません 😞 今年後半は自宅でまったりいたしたく。 フレンドリーで親切な人々が溢れているのに、なぜか町中には荒んだ空気が漂うという矛盾を味わって、「ああ、イギリスだなあ」と実感しました。 ちょうどイギリスは選挙でトーリー党が大敗し、ブラウン首相以来、労働党が返り咲きました。消去法で与党になったとはいえ、スターマー新首相には、イギリスの町中が明るくなるような政治を頑張ってほしいと思います。
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6月21日
京都の某神社の霊験があらたか過ぎてコワイ話 2(願い事を諌められた件)
唐突だが、私には金運が無い。四柱推命によるとお金には困らない運命を持っているらしいのだが、占ってくれた人(プロ)に「全然当たってない」と言ったほど金運が無い。 株を買えば値段が下がるし、外貨投資をしようかなと思っている間に円安になるし、なんというかお金に対するタイミングがとても悪いのだ。 したがって、京都の有名な縁切りの某神様には「金運の悪さと縁が切れますように」ともお願いしていた。 数日前、付き合いの深い、とある人とケンカになった。酔った相手に絡まれたのだが、私も手加減せずに言い返す。それが金銭感覚に関する話題で、ヒートアップした口論のあげく相手はこう叫んだのだ。 「あんたはお金を憎んでるからね!」 ……なんつうことを言うんだ。そんなこと今までの一生で言われたことないぞ。 が、同時にはっとした。 もしやこれは……京都の某神様からのメッセージ? (すいません、こいつヤバい奴だと思ったら、ここでブラウザを閉じてください) 私はお金を嫌っているわけではないが、確かにお金に苦手意識がある。それはお金が数字だから。数字が苦手だから、何がいくらとか計算するのも嫌だし、金融商品がうんたらとか、複利がどうとか、そんなのを考えるのもイヤ。 対して口論の相手はお金に大変几帳面で、出納ソフトを使って、レシートはすべてチェック、クレジット カードの支出も使ったそばからソフトに入力していくほど細かい。そして一部のお金を「宝くじ付き定期預金」に入れているのだが、年に四、五回は五千円くらいの当たりをコンスタントに出している(私も真似して一時期同じ貯金に入れていたが全然当たらないので止めた)。 引き寄せの本じゃないけれど、お金が人だとしたらどうだろう。自分に対して苦手意識を持っていて、考えるのも嫌だと思われている人よりは、自分に興味を持ってくれて、ちょくちょく連絡をくれる人の方を絶対好きになるだろう。お金との付き合いとはそういうことか!と腑に落ちた。 口論の相手は翌日シラフになって謝ってくれたが、私は貴重な意見を賜ったと思っている。 そういうわけで、自分専用の家計簿でもつけて、少しお金との付き合いを深めてみようと思う。 京都の某神様は、実現できなさそうな願い事も無視せずフォローしてくれる懐の深い神様らしい。大変ありがたいことである。今後、某神様をパーソナル トレーナーとしてコツコツ努力し、金運を上向かせたい。
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6月19日
京都の某神社の霊験があらたか過ぎてコワイ話(願い事/呪い?が叶った件 2)
今年の四月くらいから近所の人が犬を飼い始めた。番犬用に飼ったらしく、家の前を人が通ると激しく吠える。人が通ったときだけ吠えてる分にはまだいいのだが、人が通っては吠え、通り過ぎてからも吠え、車が通っては吠え、近所の人が自分のお家のお庭に出てきては吠えしているので、ほぼ一日中バウワウしっぱなし。 しかも吠えに来る時の形相がコワイ。土煙を立てながらダッシュしてきたかと思うと、立ち上って柵に前足をかけ、イッちゃってる目で一心不乱に吠える。いつ柵を飛び越えて噛みつかれるかとビクビクしていた。 偶然、京都にある有名な縁切り神社のことを知ったのが五月のこと。しばらくして、この縁切りの神様にお願いしてみたはどうだろう、と思いついた。しかし、こちらは僻地住まい。京都になんかおいそれと行けやしません。ということで、ノートにお願い事を書き出すことにした。 「✕✕ 神社様」と書いて願い事を考える。 「バウワウ犬と縁が切れますように」と書こうと思ったのだが、欲を出して「近所の騒音と縁が切れますように」と書いた。この辺りは別荘地なので、夏になると近所のテニス コートでズムズムいう音楽を大音量で流したり、隣に毎夏来る家族が夜中の三時にダンシング クイーンを合唱したりとそれはそれは賑やかなのだ。 その他の願い事(五つくらい書いた)を書いた後、「来年京都に行ってお参りをします。お賽銭は ✕✕ 円奉納しますので、よろしくお願いします」と締めくくった。それが五月の二十二日だった。 六月八日のことである。 朝から静かなのだ。 バウワウはどうした? 散歩にでも連れて行ったのか? その日の午後、バウワウ犬の家の前を通った。バウワウ犬は相変わらず土埃を上げてダッシュしてきた。が、吠えない。 吠えられないようだった。 見慣れない首輪を着けていた。吠えると電気ショックが来る首輪のようだった。 それもなんだか可哀そうだったが、吠えっぱなしにさせてる飼い主ならさもありなん。柵に前足をかけることもなく、柵の向こうからやや興奮気味にこちらを見てくるだけだった。 その後、バウワウ犬の家の前を二回通ってバウワウ犬の姿を見なかったので「すわ、バウワウ犬失踪か?」とも思ったのだが、三回目に通ったときには植木の下で休んでいた。以前のようにダッシュしてくることもなく、横目で睨まれただけだった。どうした、バウワウ。別犬のようになって……。 ハッ Σ((゚Д゚))) これは……京都の某神様のご利益か……? バウワウ犬だけなら、近所から苦情が来てて飼い主が仕方なく首輪を付けたタイミングがたまたまあったとも考えられる。しかし、今年はテニス コートも静かだし、隣に来た家族も不思議なほど静かなのだ。 やっぱり京都の某神様のご利益としか考えられない。 神様がリモートでも願い事叶えてくれるとか、聞いたことないですよね? お賽銭の額を言ったのが効いたのか? これは何が何でも来年お参りに行かなくては……。
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5月30日
スネイプ先生
髪を染めたら思いの外ゴス ブラックに染まってしまい、鏡を見るたびにスネイプ先生の影に怯えております……。 しっかしスネイプ先生似てねえ……。
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5月23日
ドイツの美味しくないおにぎり
ドイツを旅していたときにスーパーに寄ったら、おにぎりが売っていた。 ヨーロッパのスーパーに行くと、SUSHI という名の「寿司」とは似て非なる食品に度々お目にかかかる。酢飯が単なる冷や飯だったり、「茹で」ご飯を海苔でこれでもかという位にぎゅっと巻いて溶けたご飯の中にきゅうりが埋まっていたりと、それはそれは冒険心をそそられる食べ物である。 たいして美味しくないとわかっていても、見るとその完成度を計ってみたくなる性分なので、これまでにも(食べて危険ではなさそうな)SUSHI はいろいろと食べてきた。 が、ヨーロッパのスーパーでおにぎりを見たのは初めてだ。 しかも、コンビニおにぎりと同じパッケージに入っている。つまり、こういうヤツだ↓ (1) ご飯とは別に海苔がフィルムで包まれている。 (2) そのフィルムの真ん中のツマミを引くと、フィルムが左右にぱかっと開く。 (3) 開いたフィルムを左右に引くと、パリパリの海苔の中に握り飯がすとんと鎮座する。 味も「テリヤキ チキン」と「エダマメ」の二種類があった。寿司ほど技量を必要としないので、あまり失敗することはないだろうと、期待度高めで両方とも買った。 ホテルに戻って、いざ実食。 フィルムの真ん中のツマミをツイと引く。が、食品表示のシールに引っかかって、そこから先に進まない。力を入れてツマミを引き直すも、シールが丈夫過ぎてツマミが切れそうになる。今度は手でシールを切ろうとするが、よほど頑丈な紙と粘着剤を使っているのか、フィルムがよれよれになってしまい、あげくの果てには中のおにぎりが崩れてきてしまう。 仕方がないのでハサミを取り出してきて、ハサミでツマミの通り道に沿って食品表示シールを切っていく。 ハサミにくっついてくるシールの粘着剤と悪戦苦闘しながら、やっと前述の「(2) フィルムが左右にぱかっと開く」の作業を終えた。ふう、と額の汗を拭う勢いである。 そして「(3) 開いたフィルムを左右に引く」を実行すべく、フィルムを横に引くがうんともすんとも言わない。フィルムの角が三角おにぎりの頂点の両側で接着されているため、回り込んだ海苔が引っかかってフィルムが抜けないようだ。この接着点を剥がそうとするが、またまた頑丈に張り付いていて剥がれない。 引っ張ろうとすると、海苔は破けるし、ご飯は崩れるし、こんなに技術を要するおにぎりパッケージには初めて遭遇した。結局ハサミでフィルムの端っこを切って、ようやっと破れ海苔に巻かれたぐしゃぐしゃのおにぎりが登場した。 これでやっとおにぎりが食べられる……。あーん、ぱくっ。 ……。 ……うわー、やられた…… -⁽ -´⊿`⁾- お水を既に入れたのを忘れてまた水を足して炊いてしまったエダマメと鶏ムネ肉の混ぜご飯と言ったらいいのか(エダマメもテリヤキ チキンもほぼ同じ味)。炊きあがった当日は「リゾット風よ!」とごまかしたはいいが、翌日になって冷たくなったそれをニチャニチャにならないようにそっと握っておにぎりの体にしたような感じ。 にもかかわらず、フィルムを剥がすときにおにぎりを崩してしまったので、大雨で地すべりしたご飯を海苔で包んで食べているような気になった。久々のアウトである。 ここのところ、レベルの低い SUSHI を食べていなかったので油断していた。私は早々にエダマメもテリヤキ チキンも離脱したが、同行者は翌日にも「お弁当にするんだ♡」と言って同じおにぎりを買っていた。強者である。 それにしても、あのおにぎりパッケージ デザインをあれほど開けにくくできるというのはどんな発想なんだろう。生産段階に持ち込む前に接着剤の強度とか試験しなかったんだろうか? それともドイツ人はあんな接着剤くらいものともせずにバリッと開けられるものなんだろうか。無敵のインダストリアル勢。 写真は件のおにぎりです ↓ 一個約 370 円…… 🥲
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2024年5月13日
C.S.I. ドルメン
今週は GW ボケでドルメンの更新をサボってしまいました。 現在鋭意翻訳中です(G○○gle が)。 お茶を濁すために、「C.S.I. ドルメン」のイラストを載せておきます。詳細は第 8 回のドルメンを参照してください(https://kakuyomu.jp/works/16817330662439906579/episodes/16818093076135685926)。 描いてる間は結構ウキウキしながら描いてたんですけど、描き終わってみたらあんまり面白くない……。 まあ、でも、二日くらいかけて描いたので、ここで載せて供養としたいと思います🙏 ナームー
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2024年4月30日
ドイツの回る便座
ドイツに来ております。 とあるサービス エリアでトイレに入ろうとしたら、遊園地の改札みたいなものが。1 ユーロ(≒ 170 円)払わないと入れてくれないらしい。仕方がないので、お金を払って個室に向かった。どんなにピカピカなトイレが待ち受けているかと思ったら、やや昔風の普通なトイレ。 うすピンクの陶器のトイレに O(オー)型のプラスチックの便座。お水もこころなしか薄汚れて見える。「なーんだ、1 ユーロも払ったのに」と思いながら先にお水を流すことにした。コトが終わってから水が流れない!という事態は避けたい。 流水ボタンのセンサーに手をかざすと(そこはテクノロジーが行き届いている)、お水が流れて一安心。と思いきや、なんと便座がモゴモゴと動き始めた。 何事が始まったのかと思って見ていると、どうしたことか便座が回転していくではないか! O 型のプラスチックの輪っかがモゴモゴと不器用そうに回っていく。更には輪っかを留めていたタンクの下にあるアームが微妙に伸び、下から平たい樋が現れてチョロチョロと水を流し始めた。 どうやらアームの下に何かお掃除機構が組み込まれていて、回転する便座をキレイにしてくれているらしい。便座は一周すると何事もなかったかのように元の場所に収まった。 そろそろとアームの下に帰っていく樋を眺めながら、お掃除の機構について考えた。ザーッと勢いよく水を流して洗うというほどでもない。スポンジのような何かがアームの内部にあって拭いているのかもしれない。チョロチョロと流れる水はスポンジからの余剰水なのではないだろうか。それはそれで衛生的にどうなのかという気もしたが、国全体が一般的にキレイなドイツなので、まあ国民性を信頼してそのまま座ることにした。 回転便座にあまりに感動したので、二度目はビデオに撮ろうと思ったのだが、車の中にケータイを置いてきたので撮影はできなかった。 手を洗う段階になって、石鹸もちゃんと出てくるし、手を洗うお水は温かいし、手拭き用の紙タオルもボタンを押すと自動で出てきた(手でひっぱろうとしたら、隣で三歳くらいの弟のお世話をしていた六歳くらいの女の子がすかさずボタンを押してくれた。ありがとう少女よ。しかし、ボタンを押すというのはやはり衛生的にどうなのか)ので、1 ユーロを取るだけのサービスは提供されていて、かつ回転便座を堪能できるエンターテイメント代と考えれば 1 ユーロ以上の価値があったと言えよう。 それにしても、日本のトイレにおける完全無欠の自動化テクノロジーに比べて、ドイツのトイレのテクノロジーはなんというかやはりバウハウス的なインダストリアル感があるなあ、と思った次第である。
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2024年4月9日
『カクヨム みんチャレ化 計画』(ドルメン)を再開しますっ (✧Д✧) カッ!!
『カクヨム みんチャレ化 計画』をお休みしたのは二〇二三年十二月だと思いこんでいましたが、実際は十一月八日でした…… -⁽ -´꒳`⁾- いつの間に五か月が? 私が光速で働いている間に(以下略) その間皆様が何を考えていらっしゃったかわかっております、わかっておりますとも! 「いつドルメン再開するんだよ……」 「こいつ、バックレるつもりじゃねえだろうな……」 「習慣化? 笑わせるんじゃねえ!」 脳内に響くお叱りの声に耳をそむけておりましたが、四月を迎え(ギリギリ)新年度、心を入れ替えて勉強の習慣化に励みたいと思います。 この機会にサボりから復帰したい方がおりましたら、一緒に手を携えて頑張ってまいりましょう……!(今回は裏切らないように頑張ります!)
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2024年4月5日
『半人前のメディシアンと破天荒な王女』を読んであれこれ思った話(ネタバレあります💦 そして長いです💦)
私の好きな作家さんの堀井菖蒲さんが『半人前のメディシアンと破天荒な王女』という小説を現在連載しております。 https://kakuyomu.jp/works/16818093072814362604 現代ドラマがお得意の堀井さんにしては珍しいファンタジー小説でして、タイトルにもあります半人前のメディシアン(現代のお医者さん)が獣人の相棒と一緒に、朱殷熱(レグア)と呼ばれる流行病にかかった王女様を直し、ひいては流行病を鎮圧していくというお話です。堀井印の太鼓判が押してありますから、読みやすくて面白いんですが、単なるファンタジーじゃない! このお話には深い、ふかいテーマが隠されているのです……。 メディシアンが主人公なので病気と治療が物語の軸となっているのですが、「健康のあり方」に関する含蓄に富んでいて、読み進めながら「はっ」とすることが大変多いんですよね。 例えば、第八話でゴブリンの家族が子供の朱殷熱を直して欲しいと主人公のメディシアンであるタイラーに頼むのですが、ここでは朱殷熱の特徴が詳しく説明されます。栄養が十分に取れている健康な人がかかっても軽症で済むが、身体が弱っている人や虚弱な人だと重症化するとか、終生免疫ができるとか、設定がリアル。 ゴブリンは知能が低いので、食料調達手段が限られていて栄養が十分に取れない。だから子供が朱殷熱にかかってしまった。栄養のある動物は自分たちでは狩れないから、死んでいるものを見つけて食べ物にする。でも死んだ動物は病気を持っているかもしれないので、穀物を育ててはどうかと勧めるタイラーに、生態系が崩れてしまう心配をするゴブリン。ここで「ああ、確かに健康って環境からバランスが取れてないとダメだよな」と、包括的な視点に思わず膝を打ちました。 その後、主人公は王女を治すのですが、もぬけの殻のようになってしまっている王女。タイラーはどうして治療がうまく行かないのかを考える必要が出てきます。第二十五話、第二十六話では、ベテランの治療者との会話を通して、自分の治療を振り返ります。 そこで気が付いたのは、病気の原因や、薬となる食べ物がどのように作用するのかを考えずに盲目的に作業していた自分の姿でした。「原因究明、実行、検証。これを繰り返して、医術は発展するのです」と、治療者だった母親から教えられていたのに、その考えに至らずにいた自分を恥じる主人公。そして、王女の状態の原因を探り心身相関の法則を見つけ出します。このあたりも単なるファンタジーとは一線を画す深さにうーむと唸らされます。 話は少し変わるのですが、最近とある医療関係者の方とお話する機会がありました。良い方だし、お話しやすくて、一緒にいる間は楽しく過ごさせていただいたのですが、なんというか、すごく断片的な印象を受けたんですよね。医療にまつわるお仕事をされているのに、衛生管理に無頓着だったり、特定の身体的・精神的な特徴に偏見を持っていたり……。少し特殊な環境で育ったせいもあるとは思うのですが、それも含めて「なぜそうだったのか」「なぜそれをするのか」「なぜそう思うのか」というもう一歩踏み込んだ考えを持ったら、ものすごくお仕事にも人間性にも深みが出て、患者さんたちにも言外の信頼感みたいなものを与えられるのではないのかなあ、と感じました(大きなお世話なんですが……😓)。 で、その方のことを考えているときに、堀井さんの『半人前のメディシアン……』を思い出したんですよね。主人公のタイラーはメディシアンとして特殊な能力を持っています。食べ物の効能を読み取ったり、その効能を増幅させたりできます。でも、ベテラン治療者に出会うまでは「なぜ」という観点が抜け落ちていることに気付きません。 「なぜ」という疑問を持つことは、「目的や意図をはっきりさせる」ことでもあります。「なぜ」を考え始めてタイラーが行ったのは、知識のネットワーク(体系)化です。体系的に知識を見直したところ、新たな知見を得ることができ、それを治療法に還元しました。その結果、無事に王女が意識を取り戻したので、タイラーの母親の教えだった「原因究明、実行、検証」の手順が満たされます。さらに、意識を取り戻した王女は、その治療法を社会に普及させるようにタイラーに働きかけます。つまり、タイラーが個人レベルで体系化した知識を社会に還元させようとするわけですね。 このお話から推論できるのは、明確な意図は、断片的だった知識を体系化していくこと。知識の体系化という観点があれば、包括的な視点から物事を解決していける可能性があること。そして「原因究明、実行、検証」と科学的な裏付けがとれた解決方法であれば、普遍性も高く、社会で広く活用していける可能性が高いこと、などなど……。これは医学だけではありません。教育や社会システムについても同様だと思います。 『半人前のメディシアン……』には、個人レベル、そして社会レベルでの知識のネットワーク化、そしてそこから得られる新たな知見を個人の知識および社会の知識として還元していき、より良い生活に結び付けていく、という社会的な深ぁあいテーマが編み込まれているのではないでしょうか……! 視点が広い! こんな見地からファンタジーが書ける菖蒲、おそろしい子!(by 月影先生) また、「なぜ」という意図は人間じゃないと持つことができません。AI は処理はできますが、意図は持てませんからね。そのあたりでも、人が人たるためには「なぜ?」という疑問を怠ってはいけんのじゃ! と感じさせるお話でもあります。 頭空っぽにして読めるお話もいいんですが、それだけじゃない! 楽しく読みながらも思考を促される『半人前のメディシアンと破天荒な王女』、ぜひ読んでみてください!
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2024年4月3日
『カクヨム作家さん……』と『マジンガー Z』に応援いただきありがとうございます <(_ _)>
『カクヨム作家さんに聞いてみた』のプラナリアさん編をお読みいただきありがとうございます。 おかげさまで『はじめに』だけでも 45 PV と多くの方に読んでいただいております。応援マークを頂いた皆さま、ありがとうごさいます。 それから、『マジンガー Z を見に行った話』の方も多くの方に読んでいただいております。読んでくださった方々、応援マークやお星さま、それにコメントを頂いた皆さまにこの場をもってお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございます。🙏💐 どうすれば面白くなるとか、読みやすくなるとか、暗中模索なのですが、精進を続けたいと思っております。今後とも宜しくお願いいたします。
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2024年3月27日
スペインにあるマジンガー Z を見に行った話: 写真 5
この近況ノートは『スペインにあるマジンガー Z を見に行った話』に挿入されている図の一部です。 本編の第 1 話はこちらからどうぞ! https://kakuyomu.jp/works/16818093074376957946/episodes/16818093074377078182 『第2話 マジンガー Z 降臨!』からこちらに来た方は、ブラウザ バックで戻るか、以下のリンクをクリックしてください。 https://kakuyomu.jp/works/16818093074376957946/episodes/16818093074377120923 写真 5: マジンガー Z と記念撮影 ↓ 「ブレストファイヤー!」
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2024年3月27日
スペインにあるマジンガー Z を見に行った話: 写真 4
この近況ノートは『スペインにあるマジンガー Z を見に行った話』に挿入されている図の一部です。 本編の第 1 話はこちらからどうぞ! https://kakuyomu.jp/works/16818093074376957946/episodes/16818093074377078182 『第2話 マジンガー Z 降臨!』からこちらに来た方は、ブラウザ バックで戻るか、以下のリンクをクリックしてください。 https://kakuyomu.jp/works/16818093074376957946/episodes/16818093074377120923 写真 4: 後ろから見上げたマジンガー Z ↓ 「かかってこい!」
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2024年3月27日
スペインにあるマジンガー Z を見に行った話: 写真 3
この近況ノートは『スペインにあるマジンガー Z を見に行った話』に挿入されている図の一部です。 本編の第 1 話はこちらからどうぞ! https://kakuyomu.jp/works/16818093074376957946/episodes/16818093074377078182 『第2話 マジンガー Z 降臨!』からこちらに来た方は、ブラウザ バックで戻るか、以下のリンクをクリックしてください。 https://kakuyomu.jp/works/16818093074376957946/episodes/16818093074377120923 写真 3: 下から見上げたマジンガー Z ↓ 空にそびえる……「くろがね」なのに「しろ」とはこれいかに? って思ってませんでしたか?
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2024年3月27日
スペインにあるマジンガー Z を見に行った話: 写真 2
この近況ノートは『スペインにあるマジンガー Z を見に行った話』に挿入されている図の一部です。 本編の第 1 話はこちらからどうぞ! https://kakuyomu.jp/works/16818093074376957946/episodes/16818093074377078182 『第2話 マジンガー Z 降臨!』からこちらに来た方は、ブラウザ バックで戻るか、以下のリンクをクリックしてください。 https://kakuyomu.jp/works/16818093074376957946/episodes/16818093074377120923 写真 2: 再びマジンガー Z の像の標識とマジンガー Z ↓ おっ、本当にあった! マジンガー Z だ!
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