……という恐ろしい手紙が町役場から書留で届いた 😨
「この請求に申し立てがある場合は、十五日以内に✕✕町役場までお越しください」
受け取ったのは九月二十四日だが、手紙の日付は八月二十三日。いつから数えて十五日? もう解除されてるかも? 真っ青になった。
もう夕方だったので、電話はしなかった。インターネットでどんな請求なのか調べてみたら、例えば、アパートの賃借人が住民登録を外さないまま退去した場合、家主が「この人はもうここに住んでいません」と言って、住民登録を解除できる仕組みがうちの近隣ではあるらしい。
しかし、我が家は賃貸ではないので第三者がそんな請求をするはずがない。誰がいったい何のために…… 😰
びくびくしながら翌朝町役場に赴いた。昨夜は心配でよく眠れなかった。
町役場は小さいので、受付というものがない。仕方がないので、廊下を歩いていたおじさんに手紙を見せて、「こんな手紙が届いたんですけど……」と聞いてみた。おじさんは手紙を見ると言った。
「あー、これ、住民課に行って、住民票の確認して。住んでるって確認が必要だから」
「そうなんですか……」
「今日、パスポートとか身分証持ってる?」
「はい」
「それ見せて、確認してもらって。あ、あんた、ここに住民票あるの?」
「はい、あります」
「じゃ、それ確認してもらって」
「はい」
どうやら、確認すれば済むらしい。住民課の部屋を見つけて、その前で待つ。待っていたら、同じ通りに住む A さんが来て、声を掛けてきた。
「こんにちは。『住民課』ってここかしら?」
「あ、そうです」
「なんか面倒な手紙が来ちゃって……」
「もしかして『住民登録を解除する請求がありました』ってやつですか?」
「そうそう」
私以外にも来てるんだ。何なんだろう。私は住民票を確認すれば済む、と言われたと話すと、A さんは「でも、私の場合はここは別荘で、別に住所があるから面倒なのよね……」と言っていた。
自分の番が来て、住民課のデスクに行くと、時々道端で会う、いつも犬の散歩をしている B さん(名前は知らない)が座っていた。
「あら、こんにちは」と B さん。
「こんにちは。なんかこんな手紙が来たんですが……」と B さんに手紙を見せる。
B さんは手紙を見ると、机に突っ伏した。
「あー、ごめんなさい。これね、五年に一回確認して回ってるの。ほら、この町、別荘が多いでしょう? だから、ちゃんと持ち主が住んでるかどうか確認するの。身分証明書持ってる?」
「はい」と私は身分証明書を B さんに渡した。
「ちょっと待ってね」
そう言うと B さんは何やら入力して私の住民票を表示した。B さんの指差す先には黄色い警告があった。
「この印があると、確認の手紙が行くの。イカワさんの場合は、電話番号と E メールが登録されてなかったのね(住民登録時は引っ越してきたばかりで電話がなかった。携帯の番号を教えたかどうかは覚えていない)。電話番号が分かってれば、電話で済んだんだけど、ごめんなさいねー」
そう言って B さんは、私の身分証明書のコピーを取り、住民票を更新し、電話番号と E メールを登録した。
「はい、これで終わりです」
「ありがとうございます。これ……、いつもやってるんですか?」
「そうね、今回人数が多かったから大変よ、もう夏から忙しくて」
「そうなんですか」
「びっくりさせてごめんなさいね、ホント、確認のためだけだから」
……ということで、一件落着した。
この町にはもう九年は住んでいるのだが、五年前にはこんな脅し、いや、お知らせは来なかった。町長が変わったからかな? よくわからない。
わからないが、もう少しおとなしい感じの「在住のご確認」くらいの表記に変えていただきたい。
びっくりした……💦 私の寝られなかった夜を返して欲しい。