二石臼杵

はじめに。この作品を少しでも読みだしたらもう後戻りはできませんのでご注意ください。 本文に意識を向けると、あとはもう最後まで一気に文章を追いかけるしかありません。それでも追いつける…続きを読む

まずアイデアが非常に面白かったです。 インスタントカップ麺が出来上がるまでの話し相手となる道具の発明。 そんなばかなと思いつつも、そんなばかな人類ならいつか本当に作ってしまいそうで…続きを読む

数学の問題文に対して、「なぜこんなものを求めなければならないのだろう」「なぜこんな言い方をされなければならないのだろう」と疑問を、あるいは数学が苦手な故の反発を抱く人は少なくないだ…続きを読む

どの指と指の間が触って気持ちよいのか？ 長年にわたって議論の続けられていた問題であるが、全国手指官能連盟の定めた「中指と薬指の間」という結論でひとまず沈静化していた。 だが、この資…続きを読む

レビューとトショケン。語感は同じなれど実在のものと意味は異なる二つのキーアイテムを中心に据えて、読書を巡る風習が様変わりした世界を描いています。 なめらかな文章と展開で、主人公に自…続きを読む

流れるような語り口調ですらすらと気持ちよく読めました。
「こりゃ参った！」と作者さんに寿司をご馳走したくなります。
え？　結構ですって？
なぜならその寿司は――

物語から主人公がいなくなったら、それは死と同義なのかもしれません。 アリスの暗殺という依頼を請け負った主人公が、丸腰でありながらとっておきの武器を使ってアリスを殺そうと試みます。 …続きを読む

細く、ともすれば簡単にちぎれてしまいそうな人と人との縁ですが、それでもつながれることの奇跡を感じることができました。 横浜に行ったことはないのですが、雨の日の中華街を包む湿っぽい匂…続きを読む

ラストの一文を読んで「確かにホラーだ」と思いました。対岸の火事では済みません。私のところにも出頭命令がきませんように。

切り口が急角度の作品で、現在を過去のものへと置きざりにしていく鋭い勢いがあります。
この作品から与えられるものは、笑いか皮肉か。
嵐が通り過ぎたのかと見まがうような読後感です。

幽体離脱する話はあれど、自分以外も幽体離脱する話は新しいなと思いました。「Good Luck！」は始まりに向けたものか、それとも終わりを告げるものか。ある意味ではホラーの面も併せ持…続きを読む

読んだあと、オバケ自身もですが、オバケのいる村に住んでいるのがどんな人たちかもわかって、心にじぃんときました。

すらすらと読めて、けれどもぐっとくる余韻を味わえました。 普段あまりものを言わない人が語る言葉には、凝縮された重みがあると思います。 眼鏡を通して、父親の思いという情報に触れる。 …続きを読む

作品の中に流れる空気が好きです。
設定や世界観を壊さない程度にちょうどよく捻ってあって、短編らしい読後感を味わえました。

急展開に次ぐ急展開で、一気に駆け抜けたような爽快感があります。
さらりととんでもない発言が次から次に飛び出すのですが、テンポよく進むのであっさりと読み終えられました。

勢いに押されて負けました。
必死に抵抗するすべもなく、テンポにのまれたと思ったときにはもう話は終わっていました。
とにかく必死さが伝わってきます。

面白い設定となめらかに頭に流れ込んでくる文体で、すらすらと、けれどもじっくり味わって読みました。
心地よい時間をありがとうございます。

「定年」という設定、そして何より登場人物の一言一言が圧倒的なリアリティを持っていて、ぐいぐい引き込まれました。 今ここにあるのは、与えられた時間なのか、残された時間なのか、勝ち取っ…続きを読む

鏡合わせのように対比される二人の心が、かちりとかみ合っていく様子がきれいだと思いました。

オチへの逆誘導もさることながら、全体的にとても丁寧に書かれてあって読みやすかったです。