駒野沙月

――僕は雪の世界に住んでいる。 たぶんここは外からはスノードームって呼ばれている世界だ。 スノードームの中に住む少年は、自分がいる雪の世界に飽き飽きしていた。彼が眺めるのはたま…

――恋をしてしまった。 目が離せなかった。その相手は楽器弾き、得意げにバイオリンを奏でるその姿に一目惚れしてしまった。 ただし、その彼はからくり時計の人形だった……。 少女は街…

――私の街は巨大な鯨の上にある。 何言ってんだと思われるかもしれないが事実だからしょうがない。 鯨の上にできた街に住む少女が、鯨が死ぬことで街が滅びることを知る。 その事実を知…

――私はこの世界が大嫌いだ。 自分の世界が大嫌いで嫌気がさしていた私が思いついたのは別の世界を創ってしまおうということだった。 瓶詰めの世界を作った私が見たものとは……

わたしには秘密の味がわかる。わかるのは味だけ。それがどんな秘密かなんて知らないし、興味はない。でも、彼の秘密だけは特別なのだ。いつだって彼の秘密の味は特上のチョコレートのように甘…

順風満帆なカクヨム作者さんの下に、承認欲求強いメンヘラ特定屋が迫る物語。 皆さま、SNSにはご注意を。

たまたま目にした占い師風の老婆に告げられた「死」の運命から、逃れることはできるのか。

キャバ嬢としてうまくいかぬ日々を送るアリサは、 引っ越し先に現れた女幽霊のゴーストライターをする羽目になってしまった。 思いもせぬドタバタ劇が始まり、その果ては……。

とある夜会でミエルが告げられたのは、思いもよらない「告白予告」だった。 相手は幼馴染みで伯爵家の嫡男・アンジュ。 来週に迫った彼の誕生日に向け、プレゼントの話をするミエルに対し…

【カクヨムWeb小説短編賞2023「短編特別賞」受賞】 『妹が作ってくれた』 兄がSNSに投稿したのは、私が作ったラーメンの写真だった。 https://kakuyomu.j…

婚約破棄され、失恋した貴族令嬢の前に現れるのは——自転車での移動式屋台のカフェだった。 第一話：マレフツカ伯爵家令嬢フランチェスカは舞踏会のホールを一人飛び出して、川辺のベン…

プリンと謎解きが好きなおとなしい中学生の少女、早怜真実。 プリン探偵と呼ばれる彼女の元に、今日も依頼が舞い込んでくる。 依頼内容は「両想いらしき二人の仲を取り持とうとお膳立てを…

祖母の家に帰省した僕（圭一）は、祖母の企みにより隣家に越してきたみのりさんという女性と出会う。 デザイナーをしているという彼女のアトリエに招かれた僕は、彼女の彩る世界に魅せられ、…

とてもとても大事な友達との、ひねくれた友情をテーマにした広義の百合です

侯爵令嬢ラピスは、ある日父から幼馴染みとの婚約話を告げられる。 だけど相手は、幼馴染みグループの中で最も影が薄く、二人きりで話したことがあるかどうかも疑わしい男の子だった。 …

一人暮らしだと料理も適当。 でも急遽娘が帰ってくることに。 そうなると、がぜんヤル気が出てくるのが不思議！ ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊ 江山菰様(https:/…

世間は、私のような人を家出少女と呼ぶらしい。SNSの通知は鳴り止まない。スカートから伸びる脚を、私は誰に見せているのだろう。 ※この物語は、援助交際等の行為を助長・推奨するもの…

【本編完結済】 魔王討伐の帰路、私はともに旅した聖女にお友だちになろうと告げた。 そして、手ひどく拒絶された。 「あなたのことが嫌いだからです」 怒り、憎悪、嫌悪。 私は彼女…

大切な男の死に、私は一滴の涙も流せなかった。 私が執着にも似た感情を向けた男、俳優の原田たいちが ある日突然死んでしまった。 彼は私の全てだった筈なのに、今日も私は生きている。…

新皇帝の即位、それは妃狩りの始まりーー 庶民がそれを逃れるすべなど、さっさと結婚してしまう以外なく、出遅れた少女は後宮で下っ端妃として過ごすことになる。 そんな鈍臭い妃の一人…

その姿がどうにも切ないから、 どうしてと、私は聞いてしまった。 その姿がどうにも切なく見えて、 どうしてと、僕は聞いてしまった。 その火が燃え尽きる前にもう一度、 どうしてと、…

他人の作品を家に置けないほど、嫉妬深い絵本作家 ある日、娘が持っていたのは、自分の作品ではない絵本だった この絵本作家は、誰だ？ 嫉妬深い絵本作家が、唯一褒めた絵本作家の話

全員嘘吐き、一人だけ本当。 シュビラウツ家といえば、その資産は国家予算に匹敵するのではと言われるほどの資産家貴族であり、 遺言状の『結婚した者』という範囲に、身分は問わないという…

これは、ある秋の日に出会ったあなたに宛てた手紙。 他のサイトでも公開しています。

レンガ造りの美しい街で偶然出逢った二人を巡る、ピュアな恋の物語。 この出逢いは偶然か、必然か……？

私はいつも下校中、イヤホンを付ける。それが世界と自分を隔ててくれるから。雨が降ったその日も同じだった。色褪せて退屈な世界だと思っていた雨の中で、あなたに会うまでは。

　小さな頃から絵師になることを夢みてきた。絵さえ描けるなら、たとえ後宮だろうと地獄だろうと、どこへだって行ってやる。 　私は絵さえ描ければそれでいいんだ。ひとりで絵を描いて生きて…

「1コ100円から」 道ばたで、見かけた不思議な屋台。思わず立ち止まってしまった僕に、その人は言った。 まん丸なもの、楕円形のもの、小さいもの、大きいもの、まだら模様のもの、き…

「ミルクパズルって知ってる？　絵柄のない、真っ白なパズル」 そう言って泣きそうに笑う彼女に、秘密の恋をしていた。 月と地球。離れ離れになっても恋を諦められない二人の話。

吉野あゆみは、たった四人で活動している文芸部の二年生。文化祭前のとある日、思いがけない「告白」を受けたあゆみは、顔と名前しか知らなかった同級生、藤原朝飛の写真撮影手伝いをすること…

自分の好きを纏って生きること。彼氏に振られたばかりのアカリに明るく前を向かせたのは、一つのリップクリームだった。

高校三年生のあの夏を、私は絶対に忘れない。『準』優勝とは、一体なんだろう。私自身も感じたことのあるこのブルーな気持ちを、とある美術部男子と吹奏楽部女子に込めて描きました。

　曖昧な自主企画から明確な目的や対象を指定した内容を始めてからより強く感じた、あるいは気になった点について反省会を踏まえてゆるりと書いて行きます。 　単純に自主企画を開くだけで…

他人と感情を共有できないことはおかしいと、誰かが言った。もうすぐ夏が終わる。ヒマワリのような少女は今年も、あの場所で寂しい鯨を待っている。 「渡り」「52ヘルツ」「アルバム」の三…

短くても、物語。2分で読める——ミステリ。

同棲していた彼女と別れた百合です。

付き合っている彼氏とケンカばかりしている「私」。 定期的にエサをねだりにくる野良猫に、彼としたケンカの愚痴を聞いてもらうのが日課になっている。そうすると翌日はちゃんと仲直りができ…

死んだ兄の部屋は、開かずの間となった。蜘蛛が出るから。

伯爵家令嬢ナシャは、お見合い35連敗を迎えていた。 原因は妹への溺愛を暴走させた兄が、お見合い相手に無理難題を吹っ掛けて破談させ続けているせいだ。 そんなある日の夜会の折。 彼…

女の子はドレスを着なければだめですか？ ドレスの着用が当たり前だった時代。 伯爵家の娘として生まれたアリシアは、子供のころからドレスが苦手だった。 だけど、それだけ。 ドレス…

父との思い出が詰まったレストランで、クリームソーダを挟んで出会った異母姉弟。

その少女は、高校時代の菜月を彷彿とさせた。

家庭教師のアルバイトをしている、大学生の澪。ある日澪は、自分の教え子が人気Vtuber“東間凪子”だったことを知り衝撃を受ける。いつもは無口な凪子が饒舌に語る動画を見て、親しくな…

国王から「平和になったので婚活しておいで」と言われた月の女神シアに仕える女神官ロイシュネリア。彼女の持つ未来を視る力は、処女喪失とともに失われる。先視の力をほかの人間に利用される…

雨が降り止まない。 だから、帰れない。 そう言い訳をして、僕と牧野さんは、教室に二人、留まり続ける。

幼い頃、よく祖母が聞かせてくれた詩がありました。

祖父が亡くなってから、祖母が広い庭に植えたモミジの木。 周りは常緑の木ばかりのなか、秋になると紅葉して庭に色を与えてくれる。 けれどそんなモミジには、祖母にとっての秘密が隠されて…

人との関わりを断絶し、海を生きるセイレーンの王女セシリーヌには、忘れられない人間がいた。 子どものころ、難破した船から助けた一人の少年……。 見られてはいけない姿を見られ、たった…

三本の巨大な牛蒡が空から降って来たあの日以来、東京の人々の食生活は牛蒡中心。東京在住の“私”は、勤務先の新作コレクション発表会に足を運ぶが……。 ―――――――― 【文学賞…

“建物にピーナッツバターを塗る仕事を続けて十年になる私。最近の仕事場は、日本屈指のビジネス街A駅付近の界隈だ” どうぞお好きなようにお読みください。 ―――――― 【…