蒼井七海

少年ユレンは、ネフリート王国の田舎町で、しゃべるねずみのカシューとともに暮らしている。王国が異例の不作に陥った春、彼は王都から来た少女と二人の護衛に出会った。 この国の第二王女…

「私を！　大図書館に！　入れてください!!」 「無理だっつってんだろ！　あんただいぶしつこいな!?」 ……始まりは最悪だった。少なくとも、一方にとっては。 オロール王国随一の学…

名を忘れられた『帝国』には存在を忘れられた神話がある。 『金銀の翼を持つ女神が、一時代に二人、人間を選び出し、その力を分け与える。彼らは女神の姿になぞらえて、”翼”と呼ばれる―…

それはまるで、暗闇を照らす灯火のようだった。 『永遠の青』世界のさまざまなこぼれ話を集めた短編・掌編集。時には、触れられずに埋もれてしまった物語の欠片もお見せするやもしれませ…

彼は未来を失った。それでも、約束を果たすためと旅に出た。 彼女は未来を掴みたかった。ゆえに、通過儀礼にすべてを賭けた。 ロクサーナ聖教の総本山、シャラクを目指す旅人イゼットは、…

精霊信仰に端を発したロクサーナ聖教。長い歴史の中で力をつけた彼らは、神聖騎士団という武力を有していた。 その神聖騎士団の見習い騎士であるフェライは、けれど不思議な力を持っている…

名門学院の問題児アニーと幼馴染の優等生フェイは、学院の備品を壊したことをきっかけに、アニーの担任教師から不思議な課題を与えられる。 ――《雪月花》という、名前しかわからないもの…

争いが絶えない大陸をさすらう青年シャハーブは、大賢者の書と『全能の書』が眠るといわれる『叡智の館』の噂を聞きつけ、好奇心から館を目指す。 館があると噂の森に踏みこんで、彼が出会っ…

自主企画（https://kakuyomu.jp/user_events/1177354054887450340）参加作品。 数年前まで自分のブログでもこんなのやってたな、と懐…

姓をもたない異邦人の青年ロトは、学術都市と呼ばれるヴェローネル市で、便利屋を営んでいる。舞いこむ依頼はどういうわけか、いらぬ騒動を引き連れてくる。そして、時には、仕事でもないのに…

大陸の半分を席巻し、もはや元の名が忘れ去られた「帝国」。 国内屈指の有力教会の息子・キリクは、家業を嫌い、帝都で軍人となっていた。今年に入って皇族を守る「皇室師団」に配属された…

各地を放浪する少年ディランは、久々に訪れた町で、変わった少女に「護衛をしてほしい」と頼まれる。 彼女が持つのは正体不明の小包で、それを狙うのは怪しい黒装束の者たち。明らかに危な…

「この絵を見て、どう思いますか？」 「わたし」はあるとき、絵を描いて、いろんな人に見せに行きます。そして、こう訊いたのです。 「わたし」の意図、彼女が描いた風景画の意味とは。

カラスや野良猫って、意外と人を見てると思うのです。

――「彼女」は決まった曜日にだけ、行きも帰りも俺と同じ電車に乗る。 だからと言って、親しくなるわけではなく、すれ違うだけ。 そのはずだったけれど、ある日、俺は彼女と話をする機…

小さな村に住む少年の一幕。 突発的に思い付いて、勢いのまま書いた掌編です。なんだか専門用語がたくさん並んだ上に、地味ですが、少しでも気にいっていただけたなら嬉しいです。 ※長編…

なんだかんだで長年一緒にいる「あいつ」への思いの変化を書いてみました。 「カクヨム」の使用感をつかむために、お試し投稿です。