「窒息 短編」を含む小説

　夕暮れ時が嫌いだった。 　安住の場所がなかった。 　さみしい、なんて言ってしまえば――温もりを知ってるから寂しいんだ。最初から知らなきゃ良かったんだ。『その感情の入口』に立た…

貴方はただ、底へ沈んでいくだけ。

食品開発の社長の息子である俺は、ちくわが大キライだった。 しかし、中国マフィアの長である、龍鳳によって、側近の黒服に羽交い締めにされながら、俺はスラム街の一角にある開発室へと連れ…

窒息の症状と経過は第I期、第II期、第III期から第IV期。そして最後の第V期で死に至る。 第III期の三分以内に手を打たなければ仮死状態、死へと向かうのだが、その先に待っていた…

僕の危機一髪といえば、就寝中にみる悪夢だ。 悪夢がどうして危機一髪なのかというと、僕は悪夢をみる度に呼吸困難に陥り、窒息死寸前で目が覚めるからだ。

世界を謎のウイルスが蔓延している。言葉を発するごとに悪化し、いずれ窒息して死に至る病で、たくさんの人が死に、世界を閉塞感が満たしている。 いま、伝えるべき事はなんだろう

男は死の病（自称）のために床に伏せ、そこに死神のお迎えがやって来る。 だが、男は抗う。 生にしがみ付き、魂を刈り取る者を拒絶する。 《本編＋あとがき　８０００字》

人見知りだが希代のスクロール魔法使い・シルベは、なんか知らんがキツネになってしまった。魔法が使えれば元に戻れるんだが、手がそういう作りになってないんよ。忘れたい事実だが公爵令嬢。…

　亀の産卵を表現したくてピンポン球を口の中に放り込んだ拍子に喉に引っかかり、浅田賢治三十三歳はワンルームの自宅で一人窒息死してしまった。 　気づけば、なにやら赤ん坊になっている。…

１４人の女性達による入水をテーマにした物語。 双子、親友、恋人、親子。様々な女性達の関係性と降り注ぐ不幸、招く死。そして水。

　――恋と愛、俺はどちらの彼女に思いを抱いているのだろう―― 　恋人のいる書道ボーイ・菊池涼介《きくち りょうすけ》が、転校してきた華道ガール・愛染彩華《あいぜん あや…

少年とシンガーソングライターの話