「現像」を含む小説

現像した写真がブレていた。写っていたのは抽象化された現実で、そこから読み取れる情報は少なかった。 しかし数年後見返したとき、「ああ、こんなこともあったな」と笑いながら記憶が掘り起…

　写真家のわたしはその日、カメラのフィルムを現像していた。自分で撮った写真ではない。学生時代の友人――久世の遺品として、預かったフィルムだ。久世はわたしにカメラを教えた師匠であり…

人間以外の何かが，人間に何かをされている間に思っていることを想像してみたというよくわからんお話です。

見た物を写真のように記憶するフォトコピ―メモリー（映像記憶）を持つ主人公、双見現像は、美大の合格発表の日、駅のホームで神泉ましろと言葉を交わす。雪のチラつく駅のホーム。絵画の神童…

少女は高校卒業後の進路を決められず、夏休みを惰性で過ごしていた。 そんなある日、写真を撮る者が見る世界の形を捉える『ココロフィルム』という現像サービスの話を聞き、気分転換がてら体…

「ここでは、思い出と引き換えに写真を現像してくれるんだよ」 「思い出を写真にするんですか？」 「そういうこと」 「思い出はどうなってしまうんですか？」 「写真にしたら消えてしま…

出掛ける時は段々と荷物も増えてゆく、幸せな数だけ。

「夏はさあ、フィルムにしか写らないんだよ」おじの現像してくれる写真は、魔法の色を宿すようで。あの夏を思い出す。

角川武蔵野文学賞初戦敗退作品 武蔵野台地は、映画の地。 角川さんの撮影スタジオのほか、他社撮影所、現像所もあります。 武蔵野台地の、そんな一面を切り取った短編です。 映像化さ…

　皆様もご存じの通り、現在日本では異世界旅行が大変流行しております。しかし、その日程は最低でも７日。一般的には３０日近い日程を組んでのものとなっております。 　ですが、やはり長期…

「キミが写真部に入ってくれて感性を自分なりに表現した写真を撮って見せてくれたら、あの写真をあげてもええわ」 私立 松雲学園高校３年　応援部チアリーディング･ユニットマネージャー…

前作「ラストチャンス」の後日談です。前作は、コンテストの規定(文字数)で、あんな終わり方になりました。しかし、この話をこのまま終わらせるには、勿体ないと思い、今作を創りました。読…

高校最後の夏休み。表イヅルは、たまたま借りた本に挟まっていた、アルバイト募集チラシにひかれ 面接を受けにむかったのだが…。

カメラマンの昌弘とアシスタントの由梨は、ある森を撮影してたところ、おかしな写真が撮れてしまう。現像すると、森が燃えているのだ。そんなことは起きていないというのに。 これは森からの…

詩