はげたおじさんが現像したであろう色のない写真の切れ端を齧る死んだ犬ももに叱る
かたち
詩
海の匂いを知らぬ盆地
都会の印が通過する街で
塞閉の土を感じながら
ふと見上げなくとも
くらげくらげ
水の月が昔から鳴っている
雲間に消失を願う昼間の月
飛び込めば死ぬだろう高低差の川
さかなさかな
覗き込む私の眼に輪郭が盗まれる
農作業中のおじいさん
水を久しく忘れた田んぼ
ざりがにざりがに
殻の欠片しか最近覚えがない
「かぁ、かぁ」
カラスはいつも通り宇宙へと涙を唱え、接続可能な森の向こうへと消える
カラスが鳴いたら帰りましょう
大きくなった私も街の法則に従い家路についた
はげたおじさんが現像したであろう色のない写真の切れ端を齧る死んだ犬ももに叱る かたち @katachikatachi123
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