「歩いて来た」を含む小説

子どもの頃、謎が解けるまで物凄く怖かった記憶。 「【公式自主企画】怖そうで怖くない少し怖いカクヨム百物語」参加作品。

私が日々に思ったことを綴っています。

　雨粒がカーテンに打ち付ける音が、佐伯清の書斎に響き渡っていた。佐伯は大きなアームチェアに腰を下ろし、窓の外を見つめながら、次の推理小説のアイデアを探っていた。ガラスに映る自身の…

　うらぶれた老医師が病の床から起き、一日がかりで海までの散歩へと出かける。帰った時には旧友が猫と一緒に待っていた。 　そして、振り返った時には総てが終わっていた。

杏奈は殺人事件のあとはじめてダブルベッドで寝たが、もちろん眠れるはずもなかった。 真夜中をすぎても、暗闇の中でますます目がさえて、窓の外の通行人の足音や遠くの車のタイヤのきしむ音…

帰り道。夜道を歩いていると人が歩いて来た。

リビングに鎮座している大きな猫のぬいぐるみ。 そいつは母曰く、どこからともなく歩いて来たらしい。

　エルフのコノリリは歴史を記録する。 　それが彼にとってライフワークだからだ。 　しかし、そんな日々に飽き始めていた彼は、遺跡からの帰りに無鉄砲な少年と出会う──！ ───…

終わりが来るのは普通のことなのだ。 それは今かもしれないし、明日かもしれない。もっと先かもしれない。 劇的なことは何も無い。彩さえあるいは無いかもしれない。 ただ何も無く消え去…

　高校２年生の神崎渚子は、かつて非常に泣き虫だった。何かと感情が高ぶった拍子にすぐ泣いてしまうほどの泣き虫だった。それを恥じていた渚子は、せめて場所を選んで泣ければと考え、行動を…

勤務中トイレに行こうと顔を上げると、半透明の男達が歩いて来た。 男達は消えかけの私だった…。

過去を振り返りながら散歩する「私」の話。