「幻想 短編」を含む小説

僕の指先のささくれが、どんどんと増えていく。彼女は冷たく、友は無関心で、姉は素っ気なくて優しい。増え続けるささくれは、どうなってしまうのだろう。

　中学生の圭吾は、父親の再婚で新しい家族と生活を始めることになった。その直前、市民プールを訪れる。未だ折り合いのつかない自分の心に、何某かの落とし所を見つけるために、圭吾は人気の…

2024年5月19日（日）文学フリマ東京38（＠東京流通センター）で頒布予定のアンソロジー第二弾『飛ぶ子ども』（ドロップス書房）所収予定の短編です。 大人のための仄暗い幻想童話…

主人公の健一が尾崎紅葉の「金色夜叉」に魅了され、AIが創り出したその完結版と対峙する過程で、現実と虚構が交錯し、健一自身の内面と向き合う物語です

色んな世界をまとめた、異世界ファンタジーの短編。百合描写などを組み込むことがあるかもしれないので、ご注意ください。

　太陽系の果て、人類がこれまで足を踏み入れたことのない領域に位置する宇宙ステーション「アナレクタ」は、居住者たちの間で奇妙な噂が絶えない場所だった。 　彼女たちは時折、自分たちが…

よろしくね、と返してきた詩人の手に眼を向けると、今夜の夕食の食材なのか、つやつやしていて、苔のような緑と赤紫が印象深い、黄色がかった濃茶の根菜が、ひとつ、握られていた。

いつもの山で見つけた、幻想的な桃源郷。 本当の姿を見た私は、ひどく失望してしまった。

あの月が、邪魔だった。

9つの球体の浮かぶ不思議な空間に、僕は立っていた。

ボクはいつも旅行でぬいぐるみを買う 今回の旅行では『ピンクでファンシーなイルカ』を家族にした 旅行はメチャクチャ楽しかった。だけど、その後の日常は辛くて――

氷漬けの大地に生きる少年は、氷洞の奥で氷柱の少女に出会った。 長い時間の果て、春になるまでの話。

　夜の帳が静かに下り、紫陽花がひっそりと色づく頃、古都には人々の営みがひそやかに息づいていた。 　そこは、時間がゆっくりと流れる場所であり、古き良きものと新しきものが奇妙に共存す…

「カクヨムWeb小説短編賞2023」・「円城塔賞」参加作品。

海外ホラー風短編集。怪物ホラーや怪奇幻想文学を目指したホラー作品集です。 収録作：「エーゼルランド島の怪物」「フラッフィー」「緑の沼」「死体処理」「ある幻覚剤について」「ウォータ…

主人公、岳内群六は海の中にある空港、「深廻空港」の夢をよく見る。 その夢を見た明くる8月14日。その夢を仄めかす現象が次々と起こり________

彼が語り始める「前世」の記憶。 「カクヨムWeb小説短編賞2023　短編賞創作フェス③秘密」 参加作品。

グリム童話の「いばら姫」あるいは「眠れる森の美女」を新解釈（？）し、恋愛をテーマに（？）短編化（笑）。一方的に才能を与えられた子どもは本当に幸せなのか？初対面でキスした皇子と熱愛…

その桜は、青く色付く 咲き誇る満開の桜。その内に、ふと揺れる異彩。少女、石動椎名《いするぎしいな》が出会ったのは、薄紅の濁流の中にあってなお鮮烈に芽吹く、青い花弁だった。