「#掌編」を含む小説

　男は、物語を紡ぐ。 　夢と現実、意識と無意識のあわい。 　深縹（こきはなだ）の薄闇の底で。 　 　世界を、繋ぐため。まなざしを、忘れないために。 　それは誰が為の物語か。 　…

ある日突然、身体からスライムが生まれました。 あなたはスライムのことがかわいくてかわいくて『ムー』と名付けました。 ムーといっしょに暮らしてから毎日がとても素敵です。 ※この話は…

｢雲を1000円で買って！｣ そう、幼い頃の｢あいつ｣は俺に言った。 これは、高校で再会した｢あいつ｣と俺の、 雲の話。 掌編のつもりが短編の長さになってしまい ました…

砂糖菓子でできたドールたちは、人々に笑顔を与えてきた。 けれど幸福の代償は、いつも誰かの“心臓”だった。 その連鎖を断ち切るために生まれた“鍵を喰むドール”ロク。 願いの果てに、…

儚げな少女の声で目覚めると太陽と月が同時に輝き、透き通る湖だけが息をしていた。 辺獄にも似た楽園で彼は誓う。 壊れないように。壊さないように。 果たされる事のない報いが、今ここに。

　六十を過ぎて今、死を意識し始めている。 　体のあちらこちらが痛み、重い。当たり前のように病気をし、当たり前のように薬を飲んでいると、生物としての機能以上に生かされているという…

駅の東口のベンチに、毎日同じ男が座っている。 ただ座っているだけなのに、人々は勝手に物語をつけはじめ、彼は【待つ男】と噂されていく。

私の初恋っていつだったっけ？ なんて面倒なことを考えている、だって誰も彼もが恋愛してるから 真面目系優等生が探す初恋と、見つけた親友の話 掌編です

とある小説家の内弟子をしている男は、夢を見た。 それは彼の師が有する奥方の夢。その奥方もまた書き手だった。 彼の師はその女と女の書く作品を狂おしいほどに愛していた。 内弟子に…

本編→https://kakuyomu.jp/users/cardincauldron/collections/16818622170814530166 登場人物→https:/…

幸福を託された鉄で出来た人形の少女。 雪の降り頻る街の中、見つけたのは透き通るほど純粋で、触れれば崩れ落ちてしまう様な心だった。

加藤隆道は非常に賢い男だった。なにせＩＱが２万４千もあったものだから、宇宙の理の殆どを理解していた。隆道はその華麗な人生の中で様々な発明品を生み出して来た。８歳の時に発明した癌完…

わたしは、帰り道の夕焼けにみとれていた。 いつも前を通っていた景色なのに、絵を描きはじめたわたしには、発見に満ちて見える。 指でつくったファインダーから風景をのぞいて、描くことを…

最後まで読むと少し怖い。 意味がわかると怖い。 そんな短編集。

学生時代の先輩の思い出。 卒業後の自分。 そしてある時、ふとした拍子であの頃の思いが静かに蘇る。

休日の朝、主人公は鏡で見つけた白髪を【おけけくん】と名付け、感情を重ねる。 おけけくんが歩むかもしれない旅を想像する。

三年間、ずっと好きだった。 卒業式の日、校門の前で離ればなれになる君と、僕。 言わなければ、もう一生言えない言葉がある。 「二年前の文化祭でピアノ弾いてただろ？」 僕の三年間は、…

　酒を飲みたい。 　猛烈な飲酒欲求に居ても立っても居られず家を飛び出した。

階段の上で“悪の秘密結社”が結成された。 100mlの野菜ジュースで乾杯して、そっと証拠隠滅して、 「みっしょん・こんぷりーと」。 ——そんな小さな“わる”を描いた、園児との合作…