概要
三年間言えなかった。「好き」のかわりに、僕はピアノの思い出を告げた。
三年間、ずっと好きだった。
卒業式の日、校門の前で離ればなれになる君と、僕。
言わなければ、もう一生言えない言葉がある。
「二年前の文化祭でピアノ弾いてただろ?」
僕の三年間は、その一言で報われた。
はずだったのに――。
唐突に降り出した驟雨が、僕たちの最後の時間を濡らしていく。
これは一瞬で終わった、僕の一生分の、恋の物語。
卒業式の日、校門の前で離ればなれになる君と、僕。
言わなければ、もう一生言えない言葉がある。
「二年前の文化祭でピアノ弾いてただろ?」
僕の三年間は、その一言で報われた。
はずだったのに――。
唐突に降り出した驟雨が、僕たちの最後の時間を濡らしていく。
これは一瞬で終わった、僕の一生分の、恋の物語。