「机の引き出し」を含む小説

人は誰しも他人に知られたくない秘密を持っている。机の引き出しの裏、ベッドの下、本棚の中の難しい表題の本(あくまで一例)……様々な秘密、様々な――隠し場所。これは、ひょんな事から他…

結婚のため新居へ引っ越す準備をしていた中条純平は、整理していた机の引き出しの中から、一枚の古びた便箋が舞い落ちた。 それは、高校時代に文通していた埼玉県に暮らす三井由香子からの手…

俺の机の引き出しには、3年前に手に入れた女児用パンツが入っている。 このパンツのせいで、俺の高校生活は狂わされたんだ。 パンツの持ち主を探すため、青年は今、立ち上がる。 新感…

　翔平(しょうへい)は七年ぶりに実家へ戻り、子供部屋の掃除をすると、机の引き出しの中から手紙を発見する。差出人は桃井涼子(ももいりょうこ)――翔平の幼馴染であり、初恋の人――だっ…

　過労死寸前の部下から手渡されたのは、小さな記憶媒体だった。 　自分が完全に狂ったらみんなで見てほしいと言われたそれの中には音声データが一つだけ入っていた。 　その冒頭だけ聞いて…

怜子は、本当に、夫の匠を愛していた。 それは、まぎれもない事実だ。 しかし、匠は、生来持って生まれた性格で、妻の怜子に、日常のすべてに口出しをせずにはいられなかった。 別に取り立…

隣のクラスの女友達、中野未来(なかの・みく)と話していた田島優吾(たじま・ゆうご)が教室に戻ると、机の引き出しにハートのシールで封のされた手紙が入っていた。 ラブレターなど無縁だ…

僕はある日、机の引き出しに紙切れがあることに気づいた。読みづらい文字で書かれていたが、紛れもなく僕の字だった。所々文字が滲んでいる。これは一体なんだろうか。全く記憶にない。その紙…

　その思い出のウォークマンは、勉強机の引き出しの一番奥から出てきた。 　懐かしさがこみあげた僕は、そのウォークマンにイヤホンをつないで外の世界へと飛び出した。 　 　ポケットの…

袖机の引き出し。 そこに仕舞うもの。 彼は何を仕舞うのか。

定年を過ぎた六十代の男はある日、自分の机の引き出しが動いている場面に出くわす。見たことのない現象を見てしまった男は後日その引き出しの中をのぞいてみる事にした。そして、その正体を見…

ある高級住宅地に住む老人は、夕暮れのベランダで心の不安におののいていた。 夕暮れは彼にとって、世界の瓦解の象徴だった。 彼の心のイメージでは、不安は暗雲のように世界を覆い人々の心…

　もちろん未来人が未来人たるには証拠が必要で「未来から来たよ☆」とかどんなに可愛く言ったところで「そうだね最近暑いしね」みたいな生温い視線はやれても信じてはやれない。やはり証拠が…

愛と魔弾と青春の物語――それは一枚のA4用紙から始まった。 高校一年生の外村進吾は、幼少時に負ったトラウマにより女性恐怖症を患っていた。 そんな彼にとっての心の拠り所は、対人ア…