「日常ドラマ 純文学」を含む小説

老夫婦が営む小さな中華料理店。今日はその最後の営業日。

ある日、「私」は行きつけの本屋で、何もかもが真っ白な本を見つける。 タイトルも、作者名も、バーコードも、何もかもが存在していない。 しかし「私」は、何かに惹きつけられるようにその…

下宿先の出戻り娘に「クズ」呼ばわりされる俺は、バイトを一ヶ月続けたら一万円という賭けをする。 ※去年「坊ちゃん文学賞」に応募した落選作に、若干の修正を加えました。 ちなみに作…

とある平凡な夫婦がささやかな問題に出会い、真摯に考える。例えば貧や人間の弱点について。 どんな非常識な物語よりもおかしなこの時代に、大切な人と寄り添って生きる。ただそれだけの当た…

仕事に、恋人に、隣人。日常の悩みは当たり前に尽きないのに、『その日』までのカウントダウンが始まっている。

【けれど、本の中は違う。その薄っぺらな紙の上で、文字の羅列でしかない「ヒーロー」はいつだって私を「ヒロイン」として救い続けた。本を読んでいるあいだだけならば、私はヒロインとして、…

【自宅の最寄り駅に着いても席を立たず、窓の向こうだけを睨んでいれば、いつの間にかこの電車はわたしを東京へ、ここじゃないどこかへ強引に連れて行ってくれるのではないだろうか。わたしは…

【だって、藍里ちゃんは知っていたのだ。何かあるたびそうやって眉間を狭め、眉尻を下げて、申し訳なさそうに小さくなりながら口角を上げるだけで、彼女は自身を圧倒的な弱者として演出できる…

【それはまるで最後まで幽霊みたいだった彼女の呪いだとしか思えず、僕は一度大きく息を吸った。】 幼少期に出会った女の子と決別する健康な男の子の話です。 （別名義で書いていた小説の再…

【小窓と押し入れのちょうど真ん中、“溝”や“透き間”という響きがよく似合うその三角形に座りながら、狭い台所に立つ先輩の背中を見ているのが好きだった。】 互い、本当の名前も知らない…

【そうなのだ、私は山内くんに女として見られていない。だからこそ山内くんは私に平気で鍵を貸したし、住所だって教えてくれたのだろう。私の知っている山内くんはつまりそういう男の子だった…

【姉はあるときから突如として「私の姉」として私の隣に存在し始めた。】 イマジナリーフレンド、あるいは幻視や幻覚としての「姉」と生きる一人の女の子の話です。 （別名義で書いていた小…

■あらすじ 　晴海の鮮魚市場で仲卸として勤める辰巳功二は子どもが学校でいじめられていることを知る。翌日、勤務を終えて同僚の千川要とファミレスに酒を飲みに行くと近所のタワーマンショ…

国から給付された10万円、使い方は人それぞれだったと思います。生活費にしたり、パーっと使ってしまったり、貯金したり... これは、理想の生き方なんて考えたこともないのに理想の死に…

純文好きの著者が感覚に任せて綴るショートストーリーの雫たち。素敵なものって、案外目に見えなかったり、後から気づいたりするものです。 基本的にタイトルごとで話が違うので、気に入ら…

「猫なんて嫌いだ」 売れない小説家の家にやってきたのは一匹の黒猫だった。 猫が嫌いな男性と気ままな猫の日常生活を綴ったコメディ。

恐縮ながら、3000字程度で、心が揺れる瞬間を切り取った話を書いています。なので一話完結短編集になってます。 現実も非現実も扱います。 何卒よろしくお願いします。 （毎週更新）

子どもの時に書いた日記を大人なった「私」が再び発見する。 そこには「君」がいた。恐らく私が一番大切にしたい過去だ。「私」は「君」についてを備忘録として再び書き留めることにした。 …

カナコは弱い人間だった。 ヤザキは大馬鹿者だ。 双方の視点から描く、停滞した恋愛小説。 ※別所にて同時掲載中

主婦サユリは、ある日街で見かけたホームレスの青年に、不思議な母性本能のような感情を抱き、彼と一緒にホームレスになる。 ホームレス青年、クレハには悲しい生い立ちがあった。神々の悪戯…