「香り」を含む小説

福娘童話集の小話「ほどほどに」をアレンジしてみました。 寒い冬の夜、子どもたちが「火の用心」と声をかけながら街を歩きます。 街に漂う夕飯の香りに、子どもたちの意識が「火の用心」…

　すぐ近くには、侍女の暴力の香りが漂っている。そんな中、皇女は愛すべき彼の香りを嗅いでいた。 ＊なろうにも掲載しています。

はちみつが好きだ。 栄養価もさることながら、あの脳天に突き刺さる甘ったるい香り、 黄金色にとろりと滴る様子…

不安定な恋愛を繰り返す主人公は、一時的な満足と孤独を紛らわせるために、取っ替え引っ替えの男性と関係を持つ。彼女は嫌いなタバコの香りが残る自室で、自身の行動や選択、真実の愛の拒絶に…

クチナシの花の香りに初めて出会った時の事を思い出して書きました。

妖がいなくなったとされている国、青蘭。 かつて妖と人は共存していたが、やがて人による妖への差別が始まり妖は人に隠れて生活をするようになる。 いつしか妖は次第に減っていき、今の妖の…

　北陸の潮の香り美しい町並み。そこで私は二つのキラキラを手に入れたの。夜にキラキラするお星様のような感じのね。でね、キラキラって何だと思う？　それはね、空が前へ進むためのアイテム…

22歳の頃に書いてた詩を編集した物になっております。どうぞごゆるりと

緑深い森の奥、知る人のない村で母と兄二人と共にささやかな暮らしを営んでいた少女、ハル。 嵐の夜に迷い込んできた羊はヒトの言葉を喋った―――天空神ルーミルの眷属、ラタミルの雛を元…

あなたにとって、世界一美しいと思う景色はなんですか？様々な思い出、香り、人、太陽のあたたかさや風の冷たさを思い出すでしょう。 これは私が人生で1番美しいと思った景色のお話。

日常に疲れたとき、ちょっとした休憩を。これは、もはや魔法の話である。

「お前じゃあなぁ」「ごめんよぉ私でぇ」 俺と彼女は幼馴染だ。みんな付き合ってると思ってるけど実は付き合っていない。 しかしそんな俺たち二人は俺の爺ちゃんの家に遊びに行くことになっ…

目の前の彼女からは、いつだって透明の香りがした。 国境を守る守護者として生きるディランは、或る日仕事中に獣に襲われそうな人間を発見する。 彼女は見慣れない服装に身を包み、その髪と…

　枕元に置かれたスマホの画面が振動音と共に明るくなる。 　ゆっくり体を起こして物音を立てぬ様に慎重に歩き、寝室のドアをそーっと閉める。まだ明るいスマホの画面には、たーちゃんという…

高校一年の夏休みが始まってまだ間もないある日の午後。 疎遠になっていた親戚で不幸があったことを知らされた万里（ばんり）は、海外出張中の父の代理で葬儀に出席するために遠方にある母方…

二十歳になったばかりの僕は、退屈な日常をごまかすように1人旅を繰り返していた。適当に乗った電車に身を任せ、見知らぬ町で降り、非日常的な出来事が起こることに期待しつつ猶予期間を消耗…

日菜子は夫を愛している。心も体も愛されたいと願っている。けれど、夫には伝わらない思いもある。それをわかってもらいたいがために、歪んだ方法を取るようになった。それは……

とある場所で座り込んだ人物が、自分の思い出を語る。語る先は自らが持ち込んだ銀色の器。二つのうちの一つにむかってただひたすらに語っていく。 語り尽くした時に届いたものは……。

葉脈をきれいに切り取ることに熱中する中学生の陽三(ようぞう)。 ゴッホはママより先に鉛筆を発語したというのであれば、陽三はメスである。 医者が使う素晴らしく切れ味の良いメス別名…