空にキラキラ!

大創 淳

第一章 キラキラなこと。

Episode 001 まずは撮り鉄?


 ――青い空、澄んだ海。そして、どっしりと構える大陸。



 私はその中を今日も駆ける。


 キラキラを求め、手に入れた二つのキラキラを駆使して今日も行く。


 桜舞い散る、早朝。トキメキを誘う、風景たち。着いた場所はね、無人駅。私のお気に入りの場所だ。もちろん電車には乗車する。ここが最寄りの駅だから。


 その前にね、三脚を立てて構えるカメラ。


 銀塩写真からの歴史を学ぶも、今はもうデジタルしか手に入らないと……

 でも、このカメラはね、オジサンからの贈り物。一眼レフの凄い奴だ……


 私は、オジサンに預かって貰っている身。訳があってこの地にいるの……ちょっぴり思い出したくないことも含めてだけど。そのことは、いずれ語ることになるの。


 その前に、私が何をカメラで……


 一眼レフのカメラで撮っているかだね。普通なら、走ってくる電車だけど。ややクリーム色がベースの青いラインの電車で、その電車は乗車するために待っている。


 私が撮影しているものは、この駅。

 舞い散る桜がキラキラするこの駅なの……


 春夏秋冬まで、もう少し。雪の景色もアルバムに飾っている。


 そして私が何者かって? 思えばまだ名乗っていなかったね。


 ――そら


 それが私の名前だ。ここは動橋という名の駅。粟津、小松という順に、これから乗車する電車は私を運ぶの。その電車を待つ間こそが、私の細やかな撮影のショータイムだ。


 私を預かっているオジサンは、椎名しいなという名字。


 私の名字は卜部うらべ。何となくだけど、複雑な家族構成を連想させそうな感じ。実のところは、私自身もよくわからずに、パパに言われた通りに訪ねてきたのが始まりだったの。


 でも、キラキラしているの。ここに来てからの私は……



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る