「「円城塔賞」」を含む小説

西暦751年、黒衣大食（アッバース朝）のホラーサーン総督、アブー・ムスリムは唐の安西節度使・高仙芝が西域──石国を荒らし回っていることを聞き、麾下のズィヤード・イブン・サーリフに…

豊臣秀勝（豊臣秀吉の姉・ともの子。豊臣秀次の弟）と江（豊臣秀頼の母・茶々の妹）の子・完子は、まだ乳飲み子の頃に秀勝が病没し、結果、江が徳川秀忠に嫁入りすることになったため、江の手…

あなたは強迫的空耳「ルー・ジーレ・フーラ」に悩み、医師の「わたし」に相談する。そして医師は保健体育の教科書に記されているビームについて語り、あなたに提案する。数学嫌いのあなたはた…

私の世界は全部水。ぱくぱくと酸素を体に取り入れる。生きるために。

これは世界を作る何モノかのお話。それは永遠に続く世界を計画し、世界を作り始めた。

小学５年生のしゅんは放課後、 友達とかくれ鬼をして遊んでいたが、ひとりだけ置いて みんな帰ってしまう。 置いていかれた子はなにかに憑りつかれてしまい……

「……セラ。俺を──愛せ」 炎の瞳が揺れる。 魔王は喉の奥で言葉を噛み潰し、それでも逃げずに少女を見つめた。 「……俺を、愛してくれ」 その声は、命令でもなければ支配でもな…

希望が死んだ。自殺だった。 優等生で、友人もいて、恵まれていたはずの少女・希望。 そんな彼女が、何故、自殺に至ったのか。 彼女を取り巻く人々（母、友人、教師、ネッ友）が“希望…

「ゴメンね、松永くんみたいなデブのキモオタは、タイプじゃないから」 「…………え」 　勇気を振り絞って片想いをしている吉岡さんに告白した俺。 　が、吉岡さんの口から放たれた返事…

手術で「声帯」を失った私が、第二の声を手に入れるまでの物語。

震度七の直後、集合住宅の一三〇三号室で男性が死亡していた。 ドアは内側から施錠され、凶器は消え、証言は揺れによって歪んでいる。 現場に入った“観測者”である主人公は、 二人の住…

ただし副作用で頭が悪くなります。 ……なんてことは一応ないようで、テレビCMでも白衣を着た医師が「これであなたの頭はキレッキレ！」とおっしゃっています。 一部には「あのドリン…

童話をめざして書いてみています。

これは、僕が彼女にプロポーズするまでの話。あるいは、ボクが不思議な男の子と鬼ごっこをする話。 ※全6話

社会人二年目の遥には、仕事の傍ら情熱を注ぐ場所があった。プロ野球チーム「流星フレアーズ」のライトスタンドだ。 亡き父との思い出から、彼女の長年の夢は、「自らの手で、ホームランボー…

人形制作に取り憑かれた女性と、たった一度の逢瀬と文通で女性に執着心を抱いた美しい男が、女性をあの世へと連れていく話。

－短編（読了時間 約３分）－　 少年が見つけた回る円盤。 少年はもう一度、その円盤と出会う――。 　その時、少年はまだ言葉も知らぬ赤ちゃんだった。 　母と、ベビーカーに乗せ…

主な産業は漁業、島民は皆釣内姓か砂噛姓、かつて人魚伝説があったという小さな島で暮らすための数々の手引き。 トリのぬいぐるみがほしいので短編部門に出します。ホラーです。因習島です。

　僕の名前は天野純一。とある新人賞で運良く奨励賞を受賞し、プロ作家に仲間入りした。しかしネタがとんと思いつかず、あっという間に底辺作家。 「『月が綺麗ですね』を題材とするアンソ…