カクヨムWeb小説短編賞2023:円城塔賞追加選評
えんしろ
個別評その1。最後まで悩んだ3作
最後まで悩んだのは、以下の三作でした。
・『ペンギン先生の講義』みらいつりびと。https://kakuyomu.jp/works/16817330666678580289
・『無題』なんようはぎぎょ
https://kakuyomu.jp/works/16817330653273119436
・『レモネードに彗星』灰谷魚
https://kakuyomu.jp/works/16817330667733885854
候補作を読み進めている間は、ほぼ『ペンギン先生の講義』かな、と思っていました。
今回不思議と、ペンギンものは強かったです。
ただわずかに引っかかったのは、創作論をテーマにしていることで、もの書きはつい、ものを書くことをテーマとしてしまいがちです。自分などもほとんど、ものを書くことばかり書いています。それで全く構わないのですが、こと、賞を考えたとき、ギリギリのところで、小説について書いていないものを選びたくなる、ということは起こりえます。
『無題』については、今回の応募作の中で多分、一番うまいのではないかと思います。情感の制御技術として、ちょっと他の追随を許さないところがあります。かすかに引っかかったところはなんといってもタイトルで、これが『無題』でなかったならば、という感もあります。『無題』は利いているのですが、そこまででもない。
最後の最後は本当に僅差でした。
これが、(電子)雑誌に載るのでなければ、結果はまた違ったかも知れません。
円城塔賞というくくりでなければ、また結果は違ったかも知れません。
そのくらい、どれをどうというのは際どいところで、3作どれもそれぞれに優れていると思います。
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