現実とは異なる世界で、楽しくお仕事をするキャラクターたちの小説を募集します!
588 作品
本コンテストへの応募、皆様誠にありがとうございました。
今回は、「もし現実とは違う世界に行けたなら、何をしたいか」というところからコンテスト概要を固め、「こういうお仕事があったら楽しそう」「こんな働き方で活躍する主人公がいたら楽しそう」を考えていただくものになりました。
応募作は多様性のあるラインナップとなっていましたが、ご自身がすでに持っている知識を使った職業を考えた方が多かったのか、同系職作品であっても主人公の活躍方法が全く異なっていることもあり、みなさまがオリジナリティを注ぎ込んでくださったことをひしひしと感じました。「お仕事」という縛りがある分、同じ職業を考える応募者がいるだろうと考え、その中でいかに差別化するのか、いかに魅力的に読ませるのかを試行錯誤してくださったのだろうと、大変嬉しく感じた次第です。
本コンテストで受賞となった7作は、発想力、独自性、主人公の魅力、物語性という観点で、特に優れていた作品になります。
拝読しながら、作者様の「こういうの面白いでしょう!」という、物語を考えることを楽しんでいる姿が見えて、エンタメ業界の一員として心より嬉しく思いました。
激戦の様子をお伝えするため、記事下に受賞作以外の、編集部内の最終選考作品を改めてリストアップしております。いずれも素晴らしい作品ばかりですので、ぜひお読みいただきたいです。今後も皆様と編集部とご縁があるよう祈っております。
今後もカドカワBOOKSでは、「戦うイケメン」中編コンテスト、「楽しくお仕事in異世界」中編コンテストのように、テーマを決めた中編コンテストを実施していく予定です。時に不思議なテーマをみなさまに投げかけるときもあるかもしれませんが、作家様方の無限の発想力を楽しみにしておりますので、ぜひお気軽にご参加頂ければありがたく思います。
保育士の紬は聖女召喚によって異世界に呼び出された。だが、なぜかそこには2人目の聖女候補として天才科学者の怜も姿を見せていた。
試験の結果、怜こそが本物だと判明、紬はハズレ聖女の烙印を押される。だが、怜は紬を見捨てず、聖女になる見返りとして紬の身の安全を要求する。おかげで隠居の身になった紬だが、孤児院で子供の世話を始めることに。
保育士としての力を発揮する紬に、子供たちや同僚のシスターたちの信頼が集まる。幸せな日々を過ごしながら、紬は己の異変に気づく――あれ、子供の気持ちがわかるんだけど?
そんな噂を聞きつけた公爵家に、紬は子供付きのメイドとして雇われる。若くてデキる当主代行や小さな令嬢、そして、現代知識で開発を始める怜との楽しい日々が始まる。
「私には信念があります。それは、お客さんの旅立ちを素敵なものしてみせることです」
天才魔法使いの少女・ソフィは、引っ越し屋を営んでいた。
どんな荷物も軽々と宙に浮かせ、危険な魔導書だろうが呪われた魔剣だろうがきっちり封印して運んでみせる。ソフィは知る人ぞ知る、特別な引っ越し屋だった。
魔法使いの引っ越し屋には、時折、不思議なお客さんが訪れることもある。
人間、精霊、神獣、亡霊、果ては神様まで……ソフィは色んなお客さんの旅立ちを見届けた。
引っ越しは、出会いと別れを紡ぎ、新たな旅立ちを彩る。
だからソフィの仕事は、彼らを幸福にすることだった。
別れを惜しむ人たちへ――。
出会いを恐れる人たちへ――。
これは、剣と魔法のファンタジーな世界で、小さな引っ越し屋を営む少女の物語。
ところは現代社会から離れた異世界、産業の街アーガスティンのはずれ。
成金資本家・オルタンツィア家に仕える「ポンコツ」ハウスメイドのイーディス。そしてオルタンツィア家の令嬢、グレイスフィール。二人は16歳になった夜、流れ星が流れるのを見た。
翌朝、イーディスは気づく。「私には前世があった?」
一方グレイスフィールは突然人が変わったように周りを拒否し始める。あまりの妹の変わりように、悪魔祓いを呼ぶと宣言する、屋敷の主人ヴィンセント。
「お待ちください旦那様!」
イーディスは無謀にも主人に物申す。
「お嬢様に悪魔祓いは不要です!」
「なら、3日だ。3日で妹を“まとも”にしてくれ」
それはできなければ──イーディスはクビ!
こうしてイーディスの、前のめりな3日間が始まった!
「――――ノーミィ…………今まで黙っていたが、おまえは本当はドワーフではないだよ…………」
「えええええ?! なんて?!」
ノーミィの父は、最期に大変なことをぶちかまして亡くなった。
たしかに他のドワーフとは違うとは思っていたし、そのせいでドワーフ村では除け者にされていたけれど、まさかドワーフではなかったとは!
天涯孤独になってしまったノーミィは、村から追放され殺されそうになり逃げるように旅立つ。
そしてたどり着いたのは、唯一の細工師を亡くし困り果てていた魔王国だった――――。
これは世界で唯一の魔細工師ノーミィが、ちょこまかと好き放題お仕事しながら魔王国で楽しく暮らす物語。
いたって普通の会社員だった主人公・小鳥遊蒼太(32)は、ある日横断歩道に突っ込んできたバスに跳ねられて死亡。
気がつくと、真っ白な空間にいた。そして。
「実は今、ラスボス補充が間に合ってなくて……ちょうどよかったです!」
「つよつよ特殊スキル5つ、それから追加で好きなスキルを5つ選ぶ権利を与えます」
「ラスボス専用スペースは好きに使って構いません。それじゃ、頑張って長生きしてくださいね!」
と、カタログとともにダンジョン最下層奥地へと転生させられてしまう。
ラスボスといえば、一般的にはいつか勇者によって倒されてしまう存在。
だがしかし。
「絶対死にたくねえええええええええええ!!!」
そこで蒼太は、ダンジョンの最下層奥地で”あること”を始めることにしたのだが――
転生者にしてグランベル王国宮廷の副料理長、サーシャは途方に暮れていた。
鼻持ちならない貴族に飛び蹴りをかました咎で、厨房をクビになったからだ。その上、一切の調理器具を持てなくなる呪いを受けてしまった。
母が死に、「踊る月輪亭」を継いだキルシュは途方に暮れていた。
雇った料理人が、金を奪って逃げ出したからだ。残ったものは、客足の絶えた店と借金だけ。
包丁が持てない「元」宮廷料理人の少女と、料理下手な大衆食堂の跡取り娘。目指すのは、二人で一人の料理長(グラン・シェフ)。
癒花は神からの恩恵であり、美の象徴であり、女の命である。
古き時代よりある邪な大蛇の封印が解かれ、現皇帝白匣に倒されてから五年。
大蛇復活を機に女は美貌よりも癒花のあり方を尊重された。つまり皇帝に身染められたくば己に咲き誇る花を磨き、なによりも花を美しく魅せねばならない。
しかし人体より咲く癒花は普通の花ではない。
神より賜りし癒花を整えられる数少ない者を、人々は敬意を込めて『花結師』と呼んだ。
「「楽しくお仕事 in 異世界」中編コンテスト」の中間選考の結果を発表させていただきます。
多数の力作を投稿してくださった皆様、並びに作品を読んでくださった皆様には、改めて深く御礼申し上げます。
※掲載の並びは作品のコンテストへの応募順となっております