概要
そんな僕に運命のバレンタインがやってきた。といっても先輩からチョコを貰った訳じゃない。
チョコをくれたのは、特別な、あまりにも特別な女の子――篠宮理恵。
僕には、選択肢がなかった。告白を受け容れたふりをして、彼女を騙し続ける。
なぜなら、彼女は日本政府公認の『運命の子供』。その負の感情、怒りや悲しみはセカイを壊すから・・・・・・。
カメラが相棒の男の子が、セカイの運命を担わされてしまった女の子と過ごす日々――ただただひたむきなボーイミーツガール。
※※ 著者紹介 ※※
天埜冬景(あまの・とうけい)
2012年、『白銀新生ゼストマーグ』で第8回MF文庫Jライトノベル新人賞最優秀賞を受賞、同作を『白銀
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!セカイの運命は、恋人役の「僕」の演技に懸かっている!?
彼女が笑顔なら、世界は平穏無事である。
事故、事件、災害、紛争、そうした災厄は起こらない。
だから、彼女の機嫌を損ねてはならない。
実際、全世界の法律が彼女を庇護する措置を採っている。
そんな宿命を背負った「運命の子供」篠宮理恵から、
「僕」はバレンタインに告白され、付き合うことになった。
世界の運命を左右する大役で、ゆえに「僕」のバックには、
国家機密絡みの組織が付いてサポートしてくれている。
引っ込み思案でカメラ好きの15歳の平凡な少年が
「運命の子供」の恋人役を演じる戸惑いや葛藤や心労、
その苦しい状況から次第に変化していく恋心の様子は、
みずみずしいボーイミーツガールで、とても楽…続きを読む - ★★★ Excellent!!!『はじまり』はバレンタインデー
※このレビューは、第一章だけ読ませていただいてのレビューになります。あしからず。
皆様、ごきげんよう。黒虎でございます。
こちらのレビューは少々長いため、お時間があるときにでも読んでいただければと思います。
このお話は本作の主人公である『山口勝紀』が、クラスメイトであり些細なことで世界を変えてしまう《運命の子供》である『篠宮理恵』がバレンタイチョコを渡すところから物語が始まります。
しかも、篠宮理恵は自身が《運命の子供》であることを知りません。そして知ることも許されない立場の少女です。
なぜならちょっとした感情の機微で世界が変わってしまう可能性があり、彼女の感情を揺るがす者…続きを読む - ★★ Very Good!!薄氷のように脆い世界で踊る
傍観者で良かったんだ。
ファインダーに映った誰かの物語を写真に収める、そんな生き方で良かったんだ。
世界の裏側なんてなんにも知らずに、華やかな舞台を見上げる人生で満足できたんだ。
ある少女の告白によって、少年は雛壇へと引き上げられちゃった。
感情も、意志も、都合も、みんな無視されて主人公にさせられたんだ。
人類のために。
そんなの、一人の少年に背負えるものじゃないと思うんだけど。でも、拒否権はないんだよね。
壇上で、少年は知りたくもない世界の脆さを見せつけられる。そして、踊ることを強要されちゃう。
右足を出して、左足を交えて、くるって回って――
一人のヒロインを笑…続きを読む - ★★★ Excellent!!!突然、僕の身に『セカイ』が降り掛かったら?
――人と人との関係性の基本はギブアンドテイク。等価交換だ。
(本文・第一章より引用)
過去の出来事が原因で心に傷を負った少年・勝紀は、周囲の親しい人々から受ける無償の善意に戸惑いを覚えながらも、ごく普通の生活を送っていた。
大切な人に少しでも恩を返すため、首から下げたクラシックカメラ。
ファインダー越しに幾つもの『セカイ』を切り取る中、やがて1人の少女が勝紀の前に現れる。
篠宮理恵。世界の命運を握る『運命の子供』だった。
理恵に告白された勝紀は、自分の意思とは無関係に彼女との交際を強要される。
無数の監視と厳密なシュミレーションのもとで用意されたやりとりは、勝紀の気持ちと…続きを読む