寂しくも美しい滔々とした語り口が世界観をより鮮明にしています。ジェットコースターのようなエンターテインメントではないけれど、静かに染み入ってくるような物語でした。
老僧・鉄心は山間の庵で、小坊主の知念と暮らしている。山の頂に領主が築いた高い櫓。また戦になるのか。塔に上って手を伸ばしても、月には届かぬ。第五話で、「えっ」という展開を迎えます。皆様、絶対にそこまで読んでください。読んだら、今後どうなるかが気になって気になって、最後まで読んでしまいます。老僧は何を思い。その心に、手は届くのか。ネタバレになるので多くを語れませんが、読了後にいろいろと考えます。
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