大和の国に魔導書を

　外洋からの来訪者をきっかけに、大和の国は開国を余儀なくされる。政治体制が幕府から政府に移ってから、すでに三十年以上の時が過ぎていた。

　列強ひしめく世界の中で国を維持していかなければならなくなった大和は、異国の忌まわしくも強大な力、魔術を取り入れざるを得なくなる。
　政府は魔術の教育に力を入れることを決め、すぐさま各地に魔術を学ぶための学園を七つ作らせた。

　政策は一応の成功を収め、それまで忌避されてきたはずの力は、当たり前のものとなりつつあった。

　すべては富国強兵を目指して。

　だが、急激な変化によって発生したあらゆる問題が、いまだに大和を蝕んでいるのこともまた事実であった。

　これは、そんな時代に教授として教鞭を振るう小さな少女『河崎ヤサカ』と、日々教授にこき使われる助手の…続きを読む