誰も好きにならないと頑なに言い張る少女と、彼女をモデルに雇い一緒に住む画家。周りの人々を巻き込みながら、少しずつ距離を縮めてゆく彼らがとても可愛く、良いなあと微笑ましく読みました。恋愛模様だけでなく、少女の肖像画を中心とした、ミステリやホラー要素が絡まってくるのがとても好みでした。
まず何といっても、作品全体から立ち上る叙情的な雰囲気が素晴らしい。パリの街並みを描写するテキストは品が良く、独特の妙味が漂っています。また、ヒロインのアルメルをはじめとする登場人物は、非常に魅力的で、会話のユーモアには読んでいて思わず頬が緩んでしまうことも。基本的には恋愛物なのですが、適度なミステリ要素もアクセントになっていて、ひたすら洒脱な傑作です。
19世紀末のパリを舞台にした、とっても素敵な恋物語です!丁寧な描写は読みやすく、おしゃれな雰囲気にあふれていて、ついつい夜が更けるのも忘れて読み続けてしまうような魅力的な作品です。歯の浮くような台詞を朝から晩まで言っているフランスお貴族ルシエと、ちょっとツンデレ気味の冷めた美少女アルメル。一見ミスマッチそうな二人が、ゆっくりと交流を深めていく姿が微笑ましくて大好き!脇を支える脇役陣もみんな魅力的で、個性的で、一度はまると何度でも読み返したくなりますよ。おすすめです!
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