概要
平和が訪れて5年、ブランカは正体を隠して生きてきた。
しかし、世界は彼女を見過ごさなかった。
町から街へ、国から国へ。
その立場に彼女は追い詰められる。
初恋すら望めないままに――。
戦犯の孫と虐げられてきた者。
50年代ヨーロッパをモデルにした渦巻く歴史の狭間で、壮絶なドラマと切ないロマンスが動き出す!
※作中、地名がいくつか出て来ます。
『小説家になろう(http://ncode.syosetu.com/n9628cm/)』の方で詳しい地図を掲載しているので、そちらを参照いただければと思います。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!対価を払ってでも拝読したい、web小説を超えた大河ロマンですぜ!
数奇な運命を背負った、ひとりの少女の物語。
史実に基づいたかのようなリアリティ溢れる時代背景をバックボーンとし、スリリングな展開の連続は圧巻です。
三十五万字強の長編ですが、物語は今で第五章。むしろ、ここからがこの物語の真骨頂と言えるでしょう。連載中の小説は、完結してからレビューするのが本来だと思われます。しかし多くのかたに、早くこの物語をご覧いただきたいと痛切に願うために、あえてここでレビューをさせていただきました。
世界を巻き込み、多くの犠牲者を出した大戦争の首謀者を祖父に持つブランカ。彼女がいったいどんなイバラの道を歩んでいくのか。
ブランカ自身もある策略によって、容姿が変貌させられま…続きを読む - ★★★ Excellent!!!銀英伝を読んだ時の感動に近いものが味わえます!
短編では決して味わえない、長編でしか提供できない濃厚な感動を味わえるでしょう。
作品紹介文から推察できる通り、第二次大戦直後の欧州をモデルとした舞台で展開される群像劇です。ヒロインを中心に展開されますが、単純な恋愛物ではありません。殆どの登場人物が奥深く、人間の業を感じさせる動きをしています。
何故なら、作者は登場人物に、自分ではどうしようもない宿命なり過去を背負わせており、それを踏まえてもなお現在と将来の幸せを追求するように仕向けているからです。
既に30万字を越す大作ですが、佳境にも入っていない雰囲気です。脇役と思われていたキャラが主役と同じレベルで存在感を主張し始めています。立場の違う…続きを読む - ★★★ Excellent!!!引き込まれていくストーリー展開!
まるでどこか海外のある時代に実在していたのではと錯覚するほどの世界観。どんどん引き込まれていくストーリー展開。そしてどの人も何か抱えていて、それぞれに感情移入する登場人物達。
丁寧な描写と作り込まれている設定に、シリアスな内容なのにするすると読めてしまいます。なのに素直に読み進めると「やられた…」と思うことも多数あり。そういうことか!そっちか!と何度思ったことか。
シリアスで重たい内容ですが、その中でも、その中だからこその恋愛要素があってハンカチ必須です。特に主人公のブランカが切なくて…。
第三章までの感想ですが、気になって眠れない日々が続かないうちに読みます! - ★★★ Excellent!!!作りこまれた歴史大河の中に咲く試練と悲恋
50年代ヨーロッパがモデル、とそれだけでネット小説としては物珍しさを感じ、読んでみるとまずその世界観設定に感心を抱きました。
モデルはあるのだろうと察するものの、架空世界の国家の歴史や情勢が緻密に練られており、構想の時点からかなり計算されているのだろうなと感じました。
そしてストーリーに目を向けてみれば、『戦犯の孫』として過酷な運命を背負うブランカの姿に、目を離せず物語に没入してしまいました。
とにかく壮大で深く構成された作品でありながら、物語の緩急が凄まじく「えええいやいやコレどうなっちゃうのぉぉぉ」と、ボリュームの多い物語を一気に飲み込んでしまいました。
そしてヴォルフとの関係も、単なる…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「戦犯の孫」は、恋すら許されないのか?
この作品、控えめに言って傑作と称していいクオリティの高さです。
登場人物たちの背負う過去はとても重く、中でもヒロインのブランカは今でもその過去に追われ続ける過酷な運命にあります。
健気なブランカが悲しい目にあうと、はっきり言って胃が痛い。
けれど、続きが気になるから読んじゃう。
またブランカがひどい目にあった。胃がキリキリ痛む。
でも、ひょっとすると次の話ではブランカに救いがあるかもと思ってさらに読んだら……。
うわぁぁぁぁぁぁ! ブランカぁぁぁぁぁぁ!!
これの繰り返しです。ひどいよ、ふたぎ先生! こんなの、ブランカの行く末を最後まで見届けないと気になって仕方ない!
何が一番辛いか…続きを読む - ★★★ Excellent!!!主人公に訪れる運命の試練。でも、だからこそ目が離せない物語です。
(閑話まで読ませて頂きました。
続きを読んだら、このレビューも更新させて頂きます!)
第1章を読んで。
まるで人形のようだったブランカに、少女らしい感情が芽生えてくる様子、それがとても丁寧に描かれています。
その丁寧さ故、すんなりと感情を移入することが出来ました。
ですので、ブランカから見た感情そのままに、ヴォルフがとてつもなく格好良く見えます。
過去の辛さを抱えながら、それでいて人に優しく出来る人。
そんなヴォルフの生き様にも惹かれました。
ブランカだけでなく、読んでいる自分自身も心を開かせられているような気分になります。
これもひとえに、作者さまがブランカの感情の機微を繊細に…続きを読む - ★★★ Excellent!!!これほどまでに〝人間味〟に溢れた作品を、私は他に知りません。
『言葉を紡ぐ』という表現がありますが、この作品はその一つ上を行っています。文字という糸で編み物をしているような、そんな繊細さ、丁寧さ、そして真心を感じました。
そうしてできた編み物は、時に寒さを防ぎ、また時に暑さを増長させます。
この物語には優しい人が出てきます。残酷なほどに優しい人がたくさん出てくるのです。
また、この物語には優しくない人も出てきます。環境のせいで優しくなれなかった人もいれば、あまりにも〝人間臭い〟人間も出てくるのです。
優しい人も、
優しくない人も、
優しくしたいのにできない人も、
優しくしたくないのにそうしてしまう人も、
当たり前ですが、人間です。
だ…続きを読む