恵民署という平民に医療を施す施設に、生まれながらにして預けられた主人公は、美しく成長していた。そして、自分が美しいことを誰よりも自覚していた。そんな主人公は、入院患者に食事を用意する調理師として、日夜腕を振るっていた。美しさを自覚しながらも、我がままではなく、自分のやりがいを見つけ、働く。
そんな主人公のもとに、見たこともない術式と知識、道具を扱う美貌の医師が現れる。その医師は、助手に主人公を指名し、自分の術式を教え込んでいく。医師に振り回され気味になりながらも、必死に異なる医術を学び、実践していく内に、主人公と医師の間には、信頼関係が芽吹いていた。
ある日、重度の火傷を負った男性が運び込まれる。放火の現場を目撃したかもしれない男だった。主人公は医師から、馬鈴薯という初めて見る食材を提供され、夕食に提供するが、入院した男はそれは「毒」だと言って食べる事を拒否した。
果たして、放火の犯人は?
男は何故馬鈴薯を毒だと言ったのか?
まだまだ謎の残る本作の今後の展開に期待大!
是非、御一読下さい。
恵民署で生まれた蝴蝶は、自尊心は強いがとても人命に真摯な少女。
あるとき恵民署の提調として現れた美丈夫・花精とともに最先端の医療を行っていく……。
中華・韓国風、医療ファンタジー。
主人公たちの距離感がちょうど良いと感じました。
甘い恋愛でもなく、それぞれが熱意を持って役割をこなしていく、そういう物語がわたしには大変好ましく思えました。
蝴蝶も花精も個性が豊かなのに尖りすぎず、二人とも辛い過去を背負っていますが、品格を失わない。
この絶妙な雰囲気はなかなか出せるものではなく、作者様の強みだと思います。
中華系、西洋系、問わず、この作品は他と比べて少し斬新な雰囲気を持っています。
これまでの物語に飽きて、ちょっと変わった物語が読みたい方は必読です!