概要
浮気者として有名なゼウス。そんなゼウスに怒り狂う、「嫉妬深い妻」としてわたしは知られている。
でも、そんなわたしたち夫婦に、かつてない危機が訪れている。
『アキハバラ』という街に旅行へ行ったゼウス。そこでゼウスに、とんでもない変化が訪れた。
灰色のネルシャツ、白のチノパン、シャツの裾はしっかりとズボンにIN。背中には大きなリュックサック。
そうして店頭にある二次元の美少女ポスターなんかを見て「も、萌え~」とか口にするように。
どうしよう、ウチの夫が、重度の『オタク』になっちゃった!!
今までは、浮気相手の女たちを懲らしめるため、熊とか牛とか動物の姿に変えてきた。そうすれば、ゼウスの興味が一気に失われる
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黒澤主計さん。いわゆるカヌレさんの最新作です。
いやー、安定の面白さ。今回も素晴らしかったです。堪能致しました。
1万字近い短編で、少し量があります。今、1分小説が大流行りですけれども、確かにこの短編をきちんと書ききるにはこのくらいは必要ですね。
第1話の秋葉のオタク文化の風景に「なるほどなー、信玄たんねえ。。今はそうなのか」と思っていると急展開。第2話で、なぜかヘラの手にたい焼きが握られている辺りから、どこかかすかな違和感が。。これはきっとカヌレさんが何か企んでいる。ことは分かりながらも、それを探るような野暮はせず(どうせ分からんけど)、読み進めると、なんと衝撃的な種明かしが。…続きを読む