霊感商法と言えば、人を騙してお金を儲ける悪徳宗教
ところがここに在わす教祖様は心根の優しいとってもいい人♪
少しでも世の中を良くしたいという想いをしっかり持ってます♪
そんな教祖様は間違いなく本物の霊能力者!
病を治し健康を約束する『霊水』を作る能力の持ち主なんです
そんな霊験あらたかな商品を安価な良心価格で販売
効果はばっちりな大評判!
だけど、あれあれ?
信者の息子くんがおかしな実験を始めてしまって?
思わぬ実験結果に次々と巻き起こる霊現象な珍騒動!
優しい教祖様は誠心誠意を込めて対応します!
ピンチを乗り切る先に待つさらなる大ピンチ!
霊より怖い人の業もしっかり解決して平和な世界を願う
そんな教祖様の楽しい悲劇で喜劇な物語と笑っちゃうオチをぜひどうぞ♪♪♪
教祖様の霊能力はホンモノ。
だから水にも力が宿ります。
飲めば健康になりますが、ほかの使用法に行き着くと……あれ?
笑い声が聞こえたり、トイレが開かなくなったり。
オカルト現象のオンパレードです。
こんな事態を引き起こしたのは、一人の小学生。
好奇心からか、出来心からか、はたまた――――
コミカルなやり取りを中心に、ガラリと変わる展開。
ここはお馴染みのカヌレ節ですね。
夢中になって読める内容は、霊水の効果と同様ホンモノ。
くわえて本作では、特筆すべきことがあります。
更に一歩踏み込んで、描かれる人間模様と状況。
「パルメザンのちっぽけな祝福」にも通ずる印象を受けました。
あなたはどう感じます?
いわずと知れたカクヨムのスター、コミカルな短編の名手、黒澤主計(カヌレ)さんの最新作です。相変わらずの、卓越したアイデア、構成力、そして読みやすい文章。ぐいぐいと最後まで読ませますね。
今作は、とある宗教団体の教祖様が販売する「ありがたや霊水」が、ヨシオ少年の好奇心によって、間違った使い方がされ、大騒動に巻き起こるお話です。
この教祖様、霊能力は本物で、人柄もよく、人々のために尽くしたいだけなのに、ヨシオ少年に振り回され、どんどんと窮地に追い込まれていきます。
教祖様には気の毒ですが、読んでて、ククっとなってしまいますね。
このあたりの笑いのセンスが抜群で、本当に感心してしまいます。
最後は、ヨシオ君の真意が明かされ、円満解決へ。
教祖さま、ちゃんとPL法(製造物責任法)を勉強して、霊水には「飲用以外不可」、壺にも「飾りもの以外不可」って書いておきましょうよw
と、教祖様がいい人の分、いろいろ考えさせられるお話でした。
これお勧めですよ。
本当なんです、この教祖様はインチキじゃないんです。その証拠にほら、教祖様の霊力をこめた水をこんなふうにしてみると、あ~ら不思議。
霊力が本物だからこそ追い詰められてしまう教祖様の姿が、笑えます。便乗者、動画アップ、現代ならではの事件の広がりがリアル。テンポよく読むことができます。こんなに笑えるのに、どことなくうすら寒いのは「教団」が舞台だからかもしれないのですが。
しかし、笑える(教祖様は笑い事ではないのですが)事件の中で、教祖様がふと気づいた違和感とは…? オカルト事象さえも取り込んだミステリー、今作も油断できません。
それにしても。オカルトを科学で解明しようとする向きはそう珍しくはないのですが、科学的好奇心の結果オカルト事象が次々に発生するって、あんまり見ない傾向かもしれませんね……。
カリスマ性のある教祖様が人々のために、パワーを送って作っている「ありがたや霊水」。
その「ありがたや霊水」にまつわるホラーです。
ホラーといっても、あんまり怖くないかもしれません。というのも、教祖様はちょっといい人で憎めないところがあります。
それもそのはず、教祖様は心から世界を救うために活動をしておられるから。
教祖様はおそらく、ただ人のために尽くして、静かな日々を過ごしたいだけなのだと思うのですが、なかなかそうはいきません。
その教祖様の奮闘する姿を描いた「ありがたや霊水」。
とても面白いです。お薦めいたします。
黒澤先生の新作は『宗教』がテーマの少し尖った内容。
……おやすみプンプンだね。
しかし、テーマが宗教だろうとなんだろうと黒澤ワールドにしてしまうのが、
この先生が天才たる所以なのだろう。
この物語を称賛するのは、他の先生がおそらく散々やっていることだ。
私は違う切り口から、この物語を見ていこうと思う。例えば……
あなたが、宗教関連の記事を読んだか、動画を見たか、漫画で知ったとして、
教祖が信者につぼやら、水やらを高額な金で売っていると知ったとして、
それで一本お話を書いてみようと思い立ったとする。
どこから切り込む? というのが大事なテーマだ。
教祖が吹き込んだ(らしい)魔法の水があるらしい。飲むと、健康にいいんだかなんだか知らないが、それを水気を帯びた物体にかけると本当に霊現象が起きるから水は本物らしい。
さて、「あなた」ならこの水をモチーフにした物語をどう扱うか……?
この先生は教祖を主人公にする。
そして、厄介な問題が次々に起きて振り回される。
今回は……終盤に若干ショッキングな出来事があったが……。
これなのだ!! これが怪物黒澤カヌレを怪物たらしめる要因なのだ!
我々のような凡人は、まず水の正体がわからないけどやばい水らしい……などと、
自分の立場に近いモチーフを主人公にしてしまう。
そこを、この先生は水を作った本人を主人公にしちゃうんだから! これでまず、長くなりそうな話をコンパクトにできるのだ。
……熱くなってしまった。
今回も勉強になりました。
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さて、現在、黒澤先生の新しいペンネームを考える担当をおおせつかっている私から、皆様に朗報がございます。
黒澤先生は『当然』この物語の続編を考えております。
心を入れ替え、ツボをやく日々の教祖さんですが、ある日……
また目の前にヨシオ少年が現れます。
「先生ごめんなさい 残ってた水を全部使ってやっちゃいました……」
やれやれ今度は何をしでかしたんだい? と呆れながら外に出てみると……
オリンポス山が地上を闊歩していたのです。
「何をした!?」
「水を富士山にかけたらこうなりました……」
「馬鹿な! 水気のないものにかけても……」
「それがー……溶岩でも良かったみたいでして」
「何ーーー!!」
オリンポス山が日本を蹂躙するところで……目が覚めました。
どうやら夢だったようにございます……しかし……
嫌な予感に窓の外を見てみると阿鼻叫喚!!
魑魅魍魎たちが所狭しと溢れかえっておるのです!!
そこにヨシオ少年が……。
「先生ごめんなさい。やっちゃいましたー。
……考えてみれば、『水がたくさんあるところ』に使ったらどうなるんだろう?って思ったんです……」
水がたくさんあるところ……?
ば……馬鹿野郎……
「なんてことをしてくれたんだ。君が水を使ったのは……」
海じゃないだろうね。
という物語を執筆中です!! ご期待ください!!