主人公小泉雲八たちは見てしまう。雪女が人を殺してしまうところを。
「いい? このことを絶対、誰にも言ってはダメよ」
普通の殺人犯でもここで殺される動機が出来ちゃうのに、相手は雪女である。見たことを誰かに言ったら殺されちゃうんである。
ところが、雪女のうっかりと管理人のミステリ愛好家が高じて、密室殺人になってしまった。
民話ホラーがミステリーに早変わり。
しかし事情を知る主人公たちの間で、犯人が『雪女』であることがバレないよう、それっぽく推理を立てて濡れ衣(ババ)を着せるというとんだデスゲームが始まった。
「まるで雪女を連想させたような事件だ。俺たちは雪女なんて信じないし、会ったこともないけど」と白々しく言う主人公たち。
はたして、ババ抜きの行方はいかに!?
……そして、一番のうっかりさんは、はたして。
雪山の山荘、集った若者の元に初めからいきなり現れる雪女。そして、自分を見たことを他言するなと言い含める。物語はここから始まる。
密室殺人が起きる。
そこにいた若者達は、雪女の仕業と分かっているのに、それを口にすることは出来ない。雪女との約束があるから。しかし、山荘の管理人はそうではない。
仲間の裏切りに追い詰められた主人公の反撃、手に汗握る攻防が繰り返されるが、最後に用意された結末は!
うわ、そんなこと⁈ なんか、笑ってしまう、コメディタッチのホラー。
あ、また、黒澤カヌレにやられた!
年末年始に、楽しいミステリーホラーをどうぞご堪能あれ!