概要
『バタフライ・エフェクト』という、とんでもない力の存在を。
なんでも僕たち蝶々が羽ばたくと、そこから起きた風が巡り巡って、地球のどこかで大きな嵐を起こすことがあるらしい。
なんという、ことだろう。
僕は衝撃のあまり、出会った他の蝶々にも『その話』を聞かせてみせた。
だが、それは大失敗だった。
「私たちはどうやら、この世を牛耳る『ヴィラン』だったらしい!」
クロアゲハ、キアゲハ、ブルーモルフォ、ツバメシジミ。
話を聞いたこいつらは、激しく調子に乗り始めた。毎日毎日菜の花畑に集まって、「自分が引き起こした悪事」だとか『大ボラ』ばかりを吹きまわっている。
なんなんだよ、こいつらは。
僕はもう、うんざりだ。どうに
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!一体、どれだけの仕掛けを用意すれば気が済むのでしょうか!?
モンシロチョウが語り手の本作。その語り口調の面白さに乗せられて、また、特徴的な四匹のチョウたちの魅力にひかれて読み進めておりますと、「おお、なるほど!」と思わず唸るようなオチ……かと思いきや「えっ、そういうことだったの!?」と思わず驚愕するラスト。
慌てて読み返してみましたが、作者様が仕掛けた言葉の数々が嫌と言うほど飛び込んできました。
その言葉の一つ一つが結びつけられていく度にまたもや驚愕。
しかし、謎が解けていくとともに、それまで驚かれていた私の心は、これほどのものを読めたことへの感謝の気持ちへと浄化されるに至りました。
童話、ミステリー、SF、コメディ……ともかく色々なジャンルが完…続きを読む - ★★★ Excellent!!!超、超、超面白い、蝶の小説です! 独特で楽しい発想がいっぱいでした
まず、蝶というモチーフの使い方が超すごいです。
バタフライエフェクトという言葉だけで、蝶に人間っぽさを持たせて、独特な世界観に運んでくれるこの感じがたまらないです。
昆虫が好きな自分は満足ですし、昆虫が好きじゃなくても最高です。
推理あり、ファンシーあり、コメディあり、起承転結もしっかりしていて、文章も読みやすい、なんかいいところしか見つかりません。
チョウたちが風刺じみたほら吹きしあってる。
そこの皮肉めいた視線も鋭すぎる。
なんか蝶のくせに、人間を見ているみたいで楽しいです。
バタフライエフェクトを題材にしているものは世の中に存在していますけど、これだけ広げること、しかも短編でコ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!蝶の羽ばたきひとつで……
バタフライエフェクト。
それは、北京で蝶が1匹飛ぶと、その小さな気流が数ヶ月後にアメリカに嵐を起こす可能性がある。と言うやつだ。
それを間に受けた蝶々達が、ありがた迷惑にも人間の文明を、自らのバタフライエフェクトによって崩壊させようと試みた。
経済を崩壊させるもの。
生態系を破壊するもの。
闇雲にスカートを捲るもの……
もちろん、たかが蝶の1匹で人間の文明が崩壊するはずがない。
いや……『はずがなかった』
衝撃のラストはご自身の目で見届けてほしい。
……ところで、黒澤カヌレ先生は、この物語の続編の構想中であり、
色々あって●●●●年にタイムスリップしたのちに、
さらにそこから…続きを読む