第7話 無責任なのは誰?

 究極最終戦争アルティメットラグナロク


 その言葉は、実は何度か耳にはしている。


 などをしていれば、その『現場の人間』から噂話や、どんなものなのかを雑談がてら聞かされる。



 神も、悪魔も、邪神、旧支配者、人類、精霊、妖怪……


 生きとし生けるもの全てが絶滅する最終戦争。


 自分たちが存在し続けるために、誰構わず殺し合う。


 真っ先に滅ぶのは人間だ。


 全ての均衡を保っていた存在が消えたことで、星々は己の運命を悟り、旧支配者たちを復活させる。


 そうなれば、天地どころではない。


 宇宙そのものを巻き込む大戦争になる。


 今は、宗派や教義などを超えて、戦争を好む『過激派』やクタニドのような『穏健派』とか俺のような『のんぼり』など様々な派閥(?)がある。


 だが、戦争が始まれば運命は一つ。


 宇宙そのものが消え、ビックバン以前の状態。


 つまり、なにもない無に戻る。


 ここまで高度な文明、文化は早々ない。



 煙草を吸いたい。


 だが、ここは病院だ。


 俺は軽く胸を叩き、深呼吸をした。


 次に、俺は自然と爆笑しそうになった。


 我慢するが、口の端から笑いの欠片が漏れる。


「それは、それで一興ではありますな」


 非難する前に彼女は驚いた顔をした。


「酷いことを言いますわね……」


 俺は平然としていた。


「酷い……というか、如何様であっても俺は俺の仕事を全うする。これしか、俺にはできません」


 断言する。


「俺に『世界云々』は実感が沸きにくいですな……あなたを守るためにファウスト元旦那と喧嘩するほうが分かりやすいと思う男ですよ」


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