第4話 ニョグダ(女医?)登場

 うっすら目を開ける。


 それでも、光が細かい針のように目を刺す。


「無理しないで……」


 ゆっくり光に慣れ、目の前を見る。


 白衣が見えた。


 声からして女の声。


 それも、俺の勘だと相当の美人だ。


 色合いや容姿も少しづつ見えてきた。


 予想していたより数倍の美人の上、セクシーな衣装だった。


 スレンダーでグラマラスな体。


 黒髪を後ろに縛り、白衣の下はホットパンツとタンクトップのみ。


 セクシーすぎて、鼻血出そう……



 だが、それ以上に気になるのが場所だ。


 波の音が聞こえ、視線を横に見れば、木造家屋にカーテンがかかり、窓の向こうは海だ。


 どうみても、中央局(中央塔)の無機質な病棟ではない。


「ここは街外れの病院……私はニョダク。ここでお医者さんをしているの」


「……俺は……」


「大丈夫、春平おじいちゃん。毎日、仲間のクトゥルフとか心配でお見舞いに来ているから、あなたのこと大体知っているの」


 あの我がままクトゥ坊が……


 意外だった。


「じゃあ、あんたも……」


「あまり、人前に見せられるほど美人じゃないわ」


 彼女はそう言って微笑んだ。


 ……うん、美人だ。


「ところで、昨日、中央局から華佗先生が来診されて焼けた皮膚再生をしたの……どう、痛い?」


「いや、少し違和感があるが……」


「じゃあ、今から華佗先生に電話してくる……あなた、自分では分からないでしょうけど雷撃で髪の毛、ちりちりよ」

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