第5話 _(┐「ε:)_
☆
アイツは。
葉月は一体、どうしたのか。
何か調子が悪そうな感じでトイレに駆け込んで行った。
俺はよく分からないまま家事をする。
そうしているとスマホに通知が入った。
「っ!?」
そこに表示されていたのは...乙武さんから入ったLI◯Eだった。
女子とLIN◯とか先ず葉月以外した事が無い。
その為、俺はメッセージをオドオドしながら表示する。
そしてこう書かれていた。
(今日は有難う。私は楽しかった。君は楽しかったかな٩( 'ω' )و)
そんな感じで、だ。
俺はその言葉に返事を考える。
だけど上手く言葉が見つからないのと。
リア充の日差しが厳しい。
(そうだね)
それだけ送ってみる。
するとウーン?_(┐「ε:)_という顔文字と一緒に文章が送られてくる。
(怒ってる?)
という感じの文章。
俺は慌てながら返事をまた考える。
というかこれをリア充は直ぐにやってしまうのか。
凄すぎる。
(いや。君の圧力が凄いから)
そう送ってみる。
すると顔文字が^_^になった。
俺はビクビクしながら返事を待つ。
文章はこう送られてくる。
(良かった。私、君と話ししたのが楽しくて)
(楽しい?楽しいって何が?)
(君、優しいから。楽しい)
(?)
意味が分からない。
思いながら俺は周りを掃除する。
やはりリア充っていうのはパーリーなのか?
頭の中がパーリーなのか?
(ね。在里くん)
(はい?)
(一緒に買い物に行こうか)
(何でですか?貴方...好きな人が居ますよね)
(居ますね。だけど行きたい)
信じられない躱し方だ。
リア充過ぎるんだがwww
そう思いながら俺は心の中で痛みを感じながら画面を見る。
すると乙武さんは(実はね)と送ってくる。
(新しい服を買いました)
(は、はあ)
(それでどっか行きたいの)
(あ、成程ですね)
(...がっかりしたの?)
(してないです)
(そうなの?面白くないな)
この状況下で面白みを求めているとか凄すぎる。
あまりにもリア充すぎる。
思いながら俺は慌てながら(あ、あの)と送る。
すると写真が...添付された。
「...?...!!!!?」
そこには笑顔でピースしている可愛い女の子。
めちゃ可愛い女の子が居た。
外出着。
スカートが似合っている...というかそれしか分からない。
だけど似合っている。
(え、えっと)
(似合ってるかな)
(お、おう?)
(似合ってる?(^_-))
(は、はい)
俺に威圧をかける様にそう聞いてくる乙武さん。
汗をダラダラかきながら返事を考える。
そして考えていると乙武さんがメッセージを更に追加した。
(これが君との外出着)
(...は、はあ)
(もう決まった。どっか行くよ)
(は、はあ!?)
(君は私のボディーガードだもん)
どういう事ですかね。
思いながら俺は見ていると調子の悪そうな葉月が戻って来た。
俺を見てからビクッとする。
「葉月?」とスマホを置いて心配げに声をかける。
その葉月は俺のスマホの内容を見てから更に悲しげな顔をした。
でも直ぐにニコッとした。
「お、お兄ちゃん。デートするの?」
「...デートっていうか...買い物に一方的に付き合わされている誘いかな」
「そう、なんだね」
「...ああ。...葉月。どうしたんだ?調子が悪そうだけど」
「な、何でもないよ。あ、アハハ」
「...?」
俺はその顔を見ながら居るとまたメッセージが送られてきた。
それはまた違う服装のメッセージ。
写真付き。
さっきと違っておへそが見える。
俺は赤面しながらそのボーイッシュな服装を見る。
するとジト目を食らった。
「...お兄ちゃんのスケベ」
「...あのな」
「そういう感じが、服装が好きなの?」
「...い、いや。そういう訳じゃ」
「の割には乗る気だよね。...えっち」
「...」
どうすれば良いのか。
そう思いながら居ると葉月が二の腕に手を添えてから「そういうのが好きなのか」と呟いた気がした。
俺は「?」を浮かべながら葉月を見る。
葉月は俺の視線に舌を出した。
「お兄ちゃんのあほ」
「へ?」
「おへその変態」
「...い、いや。あのな」
「ふーんだ」
そして葉月は2階に上がって行く。
俺はその事に乙武さんとの◯INEを見る。
そこには(返事)と書かれていた。
その事に(は、はい)と慌てて返事をした。
それから暫く俺は乙武さんとのLI◯Eを交わした。
☆
そうか。
お兄ちゃんはボーイッシュな女の子が好きなんだ。
だ、だったら私も。
そう思いながら私はクローゼットを開ける。
そしてそこにあるボーイッシュスタイルの服装を取り出す。
それは...尊様のコスプレ衣装。
高かったけど大切にしているものだ。
だけど私には似合わないかな、と仕舞っていたのだ。
「...お兄ちゃんの為なら」
そして私はそのままコスプレ衣装を着る。
それから鏡の前に立ってみる。
するとそこには格好良い...というか。
私は可愛い系だから似合わないというか。
そんな感じの人が居た。
「...うーん。せめてこれは髪の毛を切らないと」
そんな事を呟きながら私は一回転する。
そして私は胸元を強調する様に前屈みになる。
だけどまな板の様な胸だ。
意味が無かった。
「うーん」
私はなぁ...胸パッドは。
嘘は吐きたくない。
そう思いながら私は無い胸を弄っているとドアがノックされた。
その場で私は飛び上がる。
「は、はい」
「...葉月。大丈夫か?」
「あ、うん。今は入らないで。お願い」
「...何かあったのか」
「な、何も無いから。お願い」
「分かった。お前がそう言うなら」
そして足音は遠ざかる。
私はその事に心臓の高鳴りを抑えながら深呼吸した。
それから私はベッドに腰掛ける。
心臓がバクバクしている。
「...この衣装じゃやっぱり無理...ボーイッシュは無理かな」
私は涙を浮かべる。
だけど...うん。
負けられないな。
そのお兄ちゃんを...家に招いた女子に。
負けてたまるか。
「...」
私は頬を叩く。
それからクローゼットの中にある服を選んでからそのまま自らにそのまま着せ替え人形をした。
うーん...どれが良いかな。
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