甘露の味をした絶望。その果てにあるものは。

主人公の舞は、殺害衝動を抱えています。
してはいけないことだと頭では理解していても、その衝動は身体を突き動かそうとするほど。
代替のものの命を奪うことで何とか止めてはいたものの、舞に瓜二つの少女、雪蝶が現れてから一変します。

〈高位の存在〉
自由に命を奪えてしまう存在であり、試練を乗り越えれば舞もそうなれると提案されたのです。
この提案は、衝動に悩む舞にとって蜘蛛の糸のようだったのでしょう。
けれど、それは絶望への入り口でした。
一つ、また一つと与えられた試練をこなしていくうちに、舞の心は壊れていきます。
やがて、その試練の対象は──。

心理描写がきめ細やかで、舞の葛藤などが痛いほどに伝わってきます。
はたして、どのような最後を迎えるのか。続きがとても楽しみです。

皆様もぜひ、読んでみてください。

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