甘露の味をした絶望。その果てにあるものは。
- ★★★ Excellent!!!
主人公の舞は、殺害衝動を抱えています。
してはいけないことだと頭では理解していても、その衝動は身体を突き動かそうとするほど。
代替のものの命を奪うことで何とか止めてはいたものの、舞に瓜二つの少女、雪蝶が現れてから一変します。
〈高位の存在〉
自由に命を奪えてしまう存在であり、試練を乗り越えれば舞もそうなれると提案されたのです。
この提案は、衝動に悩む舞にとって蜘蛛の糸のようだったのでしょう。
けれど、それは絶望への入り口でした。
一つ、また一つと与えられた試練をこなしていくうちに、舞の心は壊れていきます。
やがて、その試練の対象は──。
心理描写がきめ細やかで、舞の葛藤などが痛いほどに伝わってきます。
はたして、どのような最後を迎えるのか。続きがとても楽しみです。
皆様もぜひ、読んでみてください。