概要
苛烈な火ノ竜の、燃えるような激愛を受ける巫女は、やがて斎王となる。
竜人が治める国、四竜皇国(しりゅうおうこく)。火土風水の四竜人が、百年ごとに交代で竜皇となり治める国は、自然豊かで平和に見えた。四百年に一度巡るという、火ノ竜が竜皇に就く『災厄の代』以外は。
獰猛で野蛮、常に攻撃的な暴君である火ノ竜の焔(ほむら)の側付きとなる巫女は、命懸け。占いにより白羽の矢が立ったのは、正二位である右大臣の長女・春姫(はるひめ)であったが、策略でもって従七位である朝比奈(あさひな)家の長女・琴乃(ことの)へ替えられた。声を失い話すことができない琴乃は、病床の弟の世話を生き甲斐にしていたため、渋々禁中(後宮)へ参内すると、噂通り口も態度も悪い焔と出会う。さらには貴族たちの権謀術数が渦巻いていて――琴乃の巫女としての波乱の生涯が今、幕を開ける。
獰猛で野蛮、常に攻撃的な暴君である火ノ竜の焔(ほむら)の側付きとなる巫女は、命懸け。占いにより白羽の矢が立ったのは、正二位である右大臣の長女・春姫(はるひめ)であったが、策略でもって従七位である朝比奈(あさひな)家の長女・琴乃(ことの)へ替えられた。声を失い話すことができない琴乃は、病床の弟の世話を生き甲斐にしていたため、渋々禁中(後宮)へ参内すると、噂通り口も態度も悪い焔と出会う。さらには貴族たちの権謀術数が渦巻いていて――琴乃の巫女としての波乱の生涯が今、幕を開ける。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!巫女の燃えるような心が竜の心をとかす
七歳下である弟・五典の世話に人生を捧げていたはずの琴乃は、突如として、火ノ竜・焔の巫女に任命されます。
琴乃は気弱で巫女としての仕事も、火ノ竜・焔へもどう接すれば良いのか分からず戸惑います。
しかし、ある話に登場するこの琴乃の言葉。
「はい。わたくしは、このお役目に全力を尽くす所存です」
自分が成すべきと思ったことを実行に移す芯の強さと、覚悟を決めて立ち向かう強さが根っこにはあります。
芯の強さと覚悟、そして他者を想う心。琴乃の心のありようが、味方を作り、人と竜の心をとかし、それも彼女の力となります。
琴乃の周りを囲む人と竜も個性に溢れ、読んでいて楽しくなります。
少将・充輝は、琴乃と…続きを読む - ★★★ Excellent!!!愛さえも、燃えるよう
声を失い話すことができない琴乃は、ある日皇帝の側付き巫女に選ばれる。皇帝と言っても、それらは竜人と呼ばれる者達で、人ではない。
四竜皇国(しりゅうおうこく)は、竜人が治める国。火土風水の四竜人が、百年ごとに交代で竜皇となる。国は平和。しかし、四百年に一度巡る火ノ竜の御代は、『災厄の代』と呼ばれ、奇しくも琴乃は火ノ竜――焔の巫女となったのだった。
始まりからして、陰謀の匂い漂う。陰謀に思惑漂い巡る宮中に放り込まれた琴乃。焔との邂逅も、良いものとは言えなかった。しかし、それでも健気に頑張る琴乃姿は、逞しくもあり、支えたくなる。
そんな姿に焔との距離も……。
陰謀に、陰陽師、思惑に。二人の関係…続きを読む