第17話 クリスマスサプライズ! ……成功しすぎ?

 ただいま。


(シーン……)


 あれ? ミケコ?


 なんで部屋へやくらなの?


 おーい……。


(パチッ)


 あれ? どこった? おーい……。


 ミケコ? ミケコ!


 まさか……!




 ミケコッ!!






(パン! パン!)


「メリー! クリスマス!」


 あ、あ……。


おどろいた? 驚いた?! サプラァイズ、大成功だいせいこう! ……って、なにこしかしてんの?」


 ミケコまで、いなくなった、かと……。


「ちょ、ちょっと! かないでよ、もう!」


 な、泣……。あ、こ、これは……。


「もう、よしよし(ハグ)」


 あ……。


いた?」


 ……うん。ありがとう。


「もう! わたしていくわけないじゃん! こっちがぎゃくおどろかされたよ」


 ごめん。でも……。ほんとうに……。


「私になんかやましいことでもあるわけ?」


 それはない。絶対ぜったいに。


「そうつよられるとそれはそれで……」


 ニヤニヤわらわない。


「とりま、私はあいされてるってことで、OKオケ?」


 ま、まあ……。


「いにゃん。……あ、でも、ちょっと私も反省はんせいおんなにトラウマの、たぁぼうのそれを刺激しげきしちゃったか。いやしてあげるとかいっておきながら」


 なさけない姿すがたせてずかしいなあ。


「たぁ坊の恥ずかしいとこなんてもういっぱい見てるし? にしない、気にしない」


 ぼくはまたトラウマだよ。


「ウフフ。私てきにはちょっとうれしいかも。そんなにまでおもってくれてるなんて❤ それよりさ、おなかペコペコなんだけど?」


 ケーキは?


「あっりまぁすよぉ! おっきいのが!!」


 うわあ、これはすごい! こんな豪華ごうかな、なイチゴたっぷりなんて。


バイト先バさきのだけどね♪ 割引わりびきはしてもらったよん」


 ぐみだったっけ? ミケコがはたらくといったときも驚いたけど、ねこまたミケコでも働けるところを紹介しょうかいしてもらえるなんてね。


たよれるところは頼らないとね♪ 私だって成長せいちょうするしぃ。大好だいすきなたぁ坊のやくにもちたいのです! がんばれば出来できねこちゃんなのです!」


 ねこまた組合くみあいにはおれいいわないと。


「マジメか! いいの、いいの。気にしなくて。組合っつっても、互助会ごじょかい? みたいなもんでゆるいもんだし」


 だったらいいんだけど。


「それよりさ、ご馳走ちそう、ご馳走♪」


 はいはい。いま仕上しあげにかかるよ。


「たぁのしみ! ずっとたぁ坊が仕込しこんでるの見てるだけだったし」


 味見あじみだぁ! って、つまみいはしてたけどね。


わらうにゃ!」


 僕もはじめて作る料理ばかりだったから、ちょっとでも手伝てつだってもらえたのはたすかったよ。


「ブイヤベース♪ グラタン♪ ローストビーフサラダ♪ メインはやっぱ! ローストチキン!!」


 ご機嫌きげんだね。


「もち! たぁ坊が真心まごころめて私のためだけにつくってくれるんだもん❤」


 僕もべるんだけど?


「ふたりでおいしく、それが愛情あいじょうスパイス! 失敗しっぱいしてもケーキあるし」


 いやなこといわない。


「アハハハ!」


(ハッピークリスマス! いただきまぁす!)

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