第4話 君の名は!

 おもした!


「な、なに! 突然とつぜん、びっくりするじゃない」


 きみ、おばあちゃんところのミケコか!


「チッ……。思い出しやがった」


 そのすず、むかしぼくがあげた。


「そうですよぅ。おりですぅ。いまでも大事だいじにしています。よろこべ」


 イヤイヤ、そういうことではなく。


残念ざんねんでした」


 へ?


「ドーテーの自意識じいしきたか妄想もうそうやぶってもうわけありませんが、あなたをってきたわけじゃないでーす」


 は?


「おばあちゃんんで、身寄みよりなくなったけど、せっかくこの人間にんげん姿すがたたしぃ。どうせなら田舎いなかからてシティガールになってやろうって出てきただけ」


 シティーガールって、ふるいなあ。


「うるさし! とりま、まちをさまよってたけど、へんやつらにからまれるしぃ……」


 だ、大丈夫だいじょうぶだったの!


「あ、心配しんぱいしてくれるんだ。あいかわらず、やっさしいぃ❤」


 じゃ、なくて!


「そこんところは全然ぜんぜんあぶなくなったらねこの姿にもどってね。でもさ、おなかくじゃん。それでまあ、ふらふらっと……。あ、なつかかしいにおいがする。ビンゴ! って、かんじ?」


 そ、そうなんだ。よかったね、無事ぶじで。


「ふーん……」


 な、なに?


「いやあ、やっぱやさしい人だわ。これからもよろしくね」


 いや、でも、それはね? 君はやっぱりおんなだから……。


「いいじゃん、いいじゃん♪ こーんなかわいい子と同棲どうせい生活せいかつ、26ねんまもったドーテーにはっていたラッキー! そうおもっとこ」


 思えますか! ぼくはいわば、保護者ほごしゃ? ぬしとしてですね!


「えー……。私って、かわいい?」


 ま、まあ、それは……。


「だったらいいじゃん。かたかんがえなくても♪ 猫はかわいいで十分じゅうぶん! あなたをこのかわいさでいやします。だからそばにいてぇん❤ それでいいじゃん?」


 いまの君はひとの姿じゃないか。


「やっぱ猫のほうがいいの? ……変態へんたい


 そ、そうじゃなくて!


「キャハハハハ! なあにをあかくなって、なぁにを想像そうぞうしたのかな? ドーテー」


 ドーテー、ドーテー、うるさい!


「ま、いいじゃん♪ さわらせてあげる、でさせてあげる、猫のときにね❤ それが私の仕事しごとです。だからもっとかまってね」


 まったく、もう。ていくはないんですか!?


「出ていってほしいわけ?」


 ……それはそれでまあ、心配しんぱい、かな。


「とりま、それでいいか。保護者、飼い主、のちにはダーリン❤」


 なりません!


 ▼▼▼


 結局けっきょく肝心かんじんなところはごまかされた?


 ほんと、なにかんがえているんでしょうか?

 ねこ? いや、女の子って。

 ミケコが特別とくべつ


 ああ、もう!

 ひとらしの気楽きらくさをかえしてください!!

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