第3話 ラッキースケベ(お風呂編)

 あ、ごめん!


「へ?」


 ビックリしたぁ。そ、そうだ。彼女かのじょがいたんだ。


「ラッキースケベ! おめでとうございます!!」


 ああ、もう! きみはなんで、そうかなあ!


「うれしいくせにぃ」


 ふ、ふくなさい!


「オトンか! もう、ドーテーくさいなあ。ラッキースケベをよろこべばいいのに」


 うるさいなあ。でも、ごめん。お風呂ふろはいっているなんておもわなかったから。


あやまるところがまた……。ま、いいか。一緒いっしょはいろ♪」


 入りません。


夜中よなかつかれてかえってたあなたの背中せなかながしますよぅ。ああ、なんて甲斐甲斐かいがいしいのか・し・ら」


 しらじらしいなあ、もう。


「フンフン……」


 な、なに?


「くさい」


 へ?! あ、そんなに?


おんなくさい」


 え?


「ドーテーのくせに、浮気うわきしたなあ!」


 浮気って……。そもそもですね……。


わけするな!」


 つめさない!


「フゥゥゥッ……!」


 だから、ね、まずは服を着て、ね。


おそってやる。おまえわたしのもんだってしるしけてやる」


 うわあ、ぎゃあ! やーめーてー!


「フフフ……。よいではないか、よいではないか!」


 うわ! いったぁ!


「浮気のバツだ」


 ああもう、かおにこんな爪痕つめあとを。目立めだつなあ。


「目立たせてんの!」


 接待せったいですよ。仕事しごとだったんですよ。


「仕事? ほんとに?」


 でもなければ、つよくもないおさけなんてみません。


「ふーん……」


 股間こかんない!


「ま、いいか。じゃ、入ろ♪」


 入りません!


「チッ……。既成事実きせいじじつつくってやれると思ったのに。どさくさに」


 そのにはりません。


「あ、こら、とびらめるな!」


 着替きがえるか、さきにお風呂入るかしなさい。


保護者ほごしゃか!」


 ぬしです!


「うわ、エロ」


 そういう意味いみではないです!


「もう、かったよ。じゃ、そこで私のシャワーのおとでもいて悶々もんもんとしてね♪ ナイスバディ想像そうぞうしてさ❤」


 しません。着替えてます。


「うわ、それこそくっさ」


 そ、そうですか。


「もういいからさ、私があがったら入りなよ。モテないよ」


 モテていいんですか?


「そこは複雑ふくざつ女心おんなごころ❤ にゃんこ心? ま、いいか」


 はあ……。


「なぁによ、ためいきなんて」


 あきれてるんです。


「でもさ。きな人がモテていないのも複雑じゃん? られるのはイヤだけど、わるくいわれのはもっとイヤ」


 す、すきって……。


「あ、動揺どうようしてる。キャハッハハハ。ドーテーにはやっぱ、刺激が強いか?!」


 からかったんですか、もう!


 ▼▼▼


きらいじゃないよ♪」


 しゃわーにまぎれ、鼻歌はなうたまじりにいわれてもなあ。


 まったく、あの子はいったいなにかんがえているんでしょうか。


 ラ、ラッキースケベ……。これからも?


 イヤイヤ、ダメダメ!

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