26歳独身、彼女なし 平凡な独り暮らしに猫が転がり込んできた ~ラッキースケベってなんですか?!~

第1話 猫?との暮らし

 うちにねこはいない。


「にゃあお」


 いないのである。


「にゃあ!」


 猫はったことがない。


「フシャー!」


 いやだって、きみねこじゃないし。


「なあによ、もう! わたしとの生活せいかつがいやってわけ?」


 っていうか、すりってこないでくれる?


「なあんでよ」


 ぼくは猫、苦手にがてです。


きらいじゃないでしょ?」


 苦手です。


げるな」


 映画えいがるのを邪魔じゃましないでください! 休日きゅうじつたのしみなんですから!!


「そんなのより、わたしなさいよぅ!」


 君なんかを見てもおもしろくないです。


社畜しゃちくいやしをあたえてあげますよん? かわいいモフモフ。だって、猫だから!」


 ふつうのモフモフならねえ……。


「もう! ふつうでも特別とくべつでもいいじゃない! 普段ふだんかまってくれないんだから、やすみのときくらいぃ~!」


 ねこなでごえしてもダメです。


「けぇち」


 休みの時は休ませてください。


「もう、かまってえぇ」


 あとからね。


「ふーん……。私のこと、そんなに無視むしするんだ?」


 だからね、君は勝手かって居候いそうろうしているだけでしょ?


「あぁら、ごめんあさぁせ。れてくれたのはあなただしぃ」


 け猫とはりませんでした。


「化け猫なんて失礼しつれいな! 由緒ゆいしょただしき、ねこまたですぅ」


 おなじではありませんか。


ちがいますぅっ。私をあんな下品げひんなのと一緒いっしょにしないでくださいぃ」


 人間にんげん姿すがたにならないで。


「おやおやぁ……。ふふん♪ 私がこわいですか? そ・れ・と・もぉ?」


 そのニヤニヤがお、やめてください。


「なぁにを、期待きたいしているのかなあぁ?」


 あ、あ、ダメ、ダメです!


「そんなエッチな動画どうがとかないでも、生身なまみでおさわり自由じゆうな、かわいい私がいるでしょ!」


 み、観てません! ふつうの洋画ようがです!!


「ドーテーくさわけだなあ」


 ド、ド、ドーテーって、おんなが……。


ふるくさ! あ、でぇも……」


 な、なんですか?


「私のこと、女の子って、意識いしきしてるんだ。ふーん……」


 ニヤニヤして、なんですか、もう!


なによもう、本当ほんとうはうれしいくせにぃ!」


 はいはい。うれしい、うれしい。


「ピッチピチの、17さい! 人間にんげんなら制服せいふくキラキラの女子高生じょしこうせいよん」


 ポーズはいいですけど、女子高生だからって、おとこならだれでも興奮こうふんするとおもったら大間違おおまちがいです!


「おやおやあ? そんな発言はつげんするところがまた、意識してるって証明しょうめいじゃないですかあ?」


 ニヤニヤしない。にじりらない。


「ふっふふん? どこまで理性りせいつかなあ♪」


 あ、ダ、ダメ、ダメ!


「これか、これがええのんか! これか!」


 ダメですってば!


「よいではないか! よいではないか!!」


 ダメ! ダメ!! パソコンなんて精密機械せいみつきかい乱暴らんぼうあつかっちゃダメです!! 猫のあそ道具どうぐじゃありません! 繊細せんさいなんですから!!


「私のほうがよっぽど繊細せんさいです! 私こそ、丁寧ていねいあつかいなさい!」


 ▼▼▼


 ぼくは26さい独身どくしん。しがないひとらし。

 彼女かのじょなし。

 ……いたこともなし。


 そんなぼく部屋へやまえに、ある、猫が一匹いっぴきへたっていた。


 おろおろして、どうしていいものかからず、とりあえず部屋へやに入れて、あたためて、一晩ひとばんったら……。


「ありがと❤ ねえん♪ ついでに私をここにまわせてくれない」


 猫がおんなに!


 猫とも女の子ともくららしたことなんてない!


 僕の日常にちじょう、これからどうなるの?!

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