第18話 クリスマスプレゼント! それはわ・た・し♥ なんちゃってぇっ!!

(ごちそうさまでしたぁ!)


 はい、お粗末様そまつさまでした。


「おいしかったよ、マジで」


 ぼくとしてはもっとチキンにジューシーさがせたとおもう。ぎたかな? もうすこし、もう少しがヘタったなあ。


「おいしかったって、いってんじゃん! こだわりもいいけどさ、わたしのおいしかったかお満足まんぞくしてよ」


 うん、かった。かわいいミケコがいればいい。


「な……っ! いきなり、なに?!」


 かわいいうちのミケコは、かわいいのれす。


ってない? つよくないのに、いいワインだ、おいしいなとか、がぶみしてたよね?」


 こんなにたのしいクリスマスはどものとき以来いらい! 義理ぎり参加さんかのコンパに楽しいなんて思ったことなかった! クリスマス、なんて……ぇ。


こえおおきいなあ、もう。ま、かわいい彼女かのじょはじめてのクリスマス! そりゃ、おさけすすむか」


 そうだね。僕にはもったいない彼女だ。


「なぁんか、からかい甲斐がいないなあ。言葉ことばかるい、しんじられん。酔っぱらって本音ほんねてるとは思っておくけど」


 本音……? そうかもぉ?


調子ちょうしくるうなあ、やっぱ」


 ミケコのかおあかいけど?


「私はんでません! ああ、もう! とにかく、つぎはケーキ、ケーキ!」


 そのまえに……、(かばんごそごそ)はい。


「え! うそ! プレゼント! なに? もう! サプライズがえしじゃん! たぁぼうのくせにぃ!!」


 ってもらえるかからないけど。


「えー……(ごそごそ)ネックレス!」


 そういうののほうが……、って、どこくの?


「エモい!」


 かがみ? さっそくつけてくれたのか。なんだかうれしいな。


「ねね、ほら、て! すっごくいいかんじ!」


 胸元むなもと、見えてる!


「酔ってても奥手おくて純情じゅんじょうわらずか」


 うるさいなあ。


「でもさ、想像そうぞうしてなかったとはいわせないよ?」


 らにぃを?


「フフン。私がこれをつけてるとこ。はだけた胸元とかぁ? 二つのメロンの谷間たにまひか宝石ほうせきとか? どう? どう? 想像どおりでしたかなあ」


 うっ、ま、まあ……。


「キャハハハ! たぁ坊、やっぱ、酔ってるから本音出やすい! 保養ほよう、それがたぁ坊へのクリスマスプレゼント!」


 はいはい。いいれすよ、それで。


「うそうそ。じゃあん! はい、これは私から」


 え? うそ。


「いたずらでもうそでもありません! ちゃんとはたらいていました。いらっしゃいませ♪ って、がんばったんだから。のカフェで」


 ダウンジャケット……。


あおいのがしいっていってたじゃん? 男物おとこものでカラフルなのってないから、おみせ紹介しょうかいしてもらったり、ちょっと苦労くろうしちゃった」


 おぼえててくれたんだ。


「もち! ね、てみて。……お、似合にあう、似合う! 今度こんどさ、私はこれつけて、たぁ坊はそれ着てデートしよ♪」


 そうらねぇ。せっかくミケコがそとるようになっているしね。こうか。


「やったね!」


 そのまえ新居しんきょめないと。


「マジメか!」


 れも、実際じっさいに行って分かったでしょ?


「あーね。まさかねぇ……」


 ミケコと行ってよかったれす。ねこ感覚かんかくってするどいね。


「フフン。当然とうぜん。おけと同居どうきょなんてゴメンだし。かと思えば、あっちではなんかあぶなそうなひともいたし。でも、やっぱめんどい! ええい! ケーキでもべなきゃやる出せない!」


 はいはい、きなだけ食べてくだしゃい。僕はもう、なんか……。


「ちょ、たぁ坊!」


 ▼▼▼


 ああ、気持きもちいい。

 こんなに気分きぶんく酔っているのは初めてかも。

 こんなにビックリして、でもたのしくて、手離てばなしたくないクリスマスは。


 手離したくない……。


 そうですね。絶対ぜったいに。

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