第12話 これからもよろしくね!

「でも、おばあちゃんのわりじゃなく、たぁぼうはたぁ坊でいてよね❤」


 どういう意味いみです?


言葉通ことばどおりです。そのさき自分じぶんかんがええてくださぁい、鈍感どんかんさん」


 よくかりませんけど、分かりました。


「ニヒヒヒ❤」


 すっかりもとのミケコですね。


「フフン。ほっとした?」


 なんです? ニヤニヤして。


「いやぁ、なんかたぁ坊、わたしまわされてるのがいいとかぁ、私をよろこばそうとして一生懸命いっしょうけんめいとかぁ……、エム? ねこきになって、目覚めざめめた?」


 だれが!


「アハハハ。そうだよね! 猫じゃなく、たぁ坊が好きなのは私だもんね!」


 しおらしくなったと思ったのに、結局けっきょくそれですか。


「んじゃ、かえろ、私たちのあいへ。二人ふたりきりでイチャイチャしよ❤」


 だれかにかれたら、また誤解ごかいされるようなことを……。


「いいじゃん。二人でらしてるのは事実じじつなんだし♪」


 って、するっとうでからませない!


「えー、だってぇ、たぁ坊のふさがってるしぃ」


 誰がったものですか! だからって!


「マーキングだもん。これは私のですって、においけ」


 ひと姿すがたでやることじゃないでしょ。


「よくわかんなぁい」


 まったく……。


「やぁらかいでしょ? ブラ、ちゃんとしてても❤」


 りません!


「あ、ドーテーがラッキースケベでれてるぅ」


 人にられてますよ、聞かれますよ!


「ゆーて、こうしとかないとまたへんなのに絡まれるじゃん?」


 僕は虫除むしよけスプレーですか!


「お、いいたとえ! そこはでも、ボディガードでいいんじゃない?」


 はいはい、おひめさま。


「ふむ。それはわるくない」


 すぐる。


「いいの♪ いいの♪ さ、おうちへレッツリターン! 帰ったら悩殺のうさつ下着したぎファッションショーしたげるね❤」


 いりません。


「かわいいお姫さまにってあげたもの、にならないわけ?」


 いいです、それは。


「ウフフ❤」


 なに?


興味きょうみあるのは中身なかみですかあ?」


 ちがいます!


「それはまた今度こんどとしても」


 しません。


りずにまたいつでも、どこでもれてってね」


 それは、まあ……。


「ストップ」


 へ?


人間社会にんげんしゃかいまなぶためとか、そとれるためとかはなし」


 それ以外いがいって?


純粋じゅんすいにデート❤ かわいいミケコ姫をよろしくエスコートしてよね、王子おうじさま」


 ボディガードじゃなかったでしたっけ?


「姫には王子じゃん?」


 ま、いいでしょ、それで。


「うん。これからもよろしくね、私の王子さま」


 ▼▼▼


 かえみち、ビルの谷間たにま夕焼ゆうやけをびて、ミケコのかおはほんのりあかかったがする。けど、僕の顔はもっと赤かったかも。


 ミケコはミケコ。


 そうですね、そのとおりです。自分じぶんでいって、確認かくにん出来できました。ミケコはねこまたであることアイデンティティ戸惑とまどっているのでしょうが、そこは僕がフォローしてあげないと。猫だろうが、人だろうが、ミケコはミケコで、なにわりはないって。


 僕はぎゃくに変わらなければいけません。女性じょせい苦手にがてなままではミケコをまた不安ふあんにさせてしまいます。でも、もしかしたら僕はもう変わっているのかも? ころころと表情ひょうじょうの変わる、おもどおりにはけっしてなってくれない、僕をからかうことが愛情表現あいじょうひょうげんな、ミケコによって。


 こちらこそ、これからもよろしく。


 やんちゃな僕のお姫さま。

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26歳独身、彼女なし 平凡な独り暮らしに猫が転がり込んできた ~ラッキースケベってなんですか?!~ @t-Arigatou

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