第12話
「
「……(えーーーんこの子気持ち悪いよぉ~~~!)」
【悲報】クソゴミ民族統括思想のロリPカップことラフムちゃんに崇拝されることになった件。
くっっっそ迷惑だからやめてくれないかなぁ……?
「私は気付きましたなのだ! これまで獣人の種が撒かれればそれでよしと考えてたけど、思えば獣人の中にも劣等はいるのだ。ゆえに真に見るべきは『種族』ではなく『個人』……! 最も優れた雄の種をッ、アルヴァトロス隊長閣下様のぴゅっぴゅをバラまくことが真理なのだと、心で理解しましたのだぁ~……!」
「ふふんっ、その通りだぞラフムよ! これからは民族統括思想ではなく、『アルヴァトロス族統括思想』で生きていこうぞッ! 同じ子宮を持つ
「ニーナ!」
ぎゅっ~っと抱き合う二人。
LカップとPカップが押し付け合ってドえらい光景になってるが、そこに飛び込んだら終わりだと理性が告げている。
「(身体100点・中身0点の女が増えた……)……ちなみにラフムよ、傷がだいぶ痛むんじゃないか?」
「のだぁッ!? あっあっ、そういえば死ぬほど痛いし寒気がしてきたのだ……すまないニーナ、私は逝くのだ……」
「あぁラフムよッ!? 隊長閣下、まだ温かいうちに使ってあげてください!!!」
ナニを使えってんだよ馬鹿じゃねえの!?
「はぁ、重傷を負った昨日の今日で馬鹿騒ぎしたのだから当たり前だ。だがラフムよ、貴様は運がいい。言いたいことは山ほどあるが、俺に心から忠誠を誓うと魂で決めているようだからな」
「のだぁ……?」
保有魔術【創造術式】の影響でそういうのはわかる。
ならば条件はあと一つだ。
俺は
「ラフムよ。心から宣言するのだ。“現所属軍を抜け、アルヴァトロス領の軍門に下る”と。そうすればお前を術式で癒せる」
「のぁッ……!? 現所属軍をって、つまり、ウルス王国を見捨てるってことなのだ……!?」
流石のPちゃんもすぐには頷かなかった。
まぁそうだな。この子、向こうの国の辺境伯の子らしいし。
民族統括思想患うくらいだから自国愛はかなり強いだろう。
「無理に宣することはない。最期まで自国を愛した戦士として逝くのは自由だ。その際には丁重に遺体を還すと誓おう」
捕虜軍人の転属は本人の自由意志でなくてはならず、これを強制することは許されない――。
ソフィア条約三条第五項で決められていることだ。
「だが生きたいなら、どうか忠誠を宣してほしい。――俺にはお前が、必要だ」
「っっっ!?」
うん、ぶっちゃけ魔術に目覚める可能性大だからね。
ニーナちゃんも言ってたけど、ウルス王国が今後どんな動きをしてくるかわかったもんじゃない。
だから少し(少し?)思想が歪んでいようが、希少で強力な魔術兵は是が非でも欲しいんだよねぇ~……!
「わ、私が、このラフムを、必要と言ってくれるのだぁ……?」
「ラフム?」
俺の言葉に、なぜか彼女は泣き出してしまった。
うぉおどうしたどうしたっ!?
「わ、私……うっすら気付いていたのだ。辺境伯の父上から、嫌われてるって。でも仕方ないのだ……私馬鹿で、とんでもないことをしちゃったから……」
「む(えっ?)」
と、とんでもないことって……?
「私――同盟のために人質になってたエルフ国の王子様の金玉を、潰しちゃったのだ……!」
ふぁッ、ふぁああああああああああッッッ!?
おまおまおまおまおまッ、大問題じゃねーかッ!? えッ、エルフ宗国と王国でそんなトラブル起きてたのぉ!?
「そ――れは、その王子に強姦されかけたからか……? それで抵抗するために仕方なく、か? それならば言い分が」
「違うのだ。『先んじて帝国に負けたお前らカスエルフのためにも王国は頑張ってるんだから、もっと支援よこすよう本国に言え』って殴って交渉してたらウッカリ潰しちゃったのだ」
はいゴミーーーーーーッ!
ゴミカス戦犯決定ですわ……!
あぁ~なるほどねだからこのロリPカス便器は先陣突っ込まされてたのね。
向こうのズカキップ辺境伯様、そうやってこの地雷娘を消そうとしてたんだ! うん、正解ッ!
血の繋がりで許される範囲をブッチギリで飛び交えちゃってるから、こりゃぁ~殺しますわこんな汚物!
こんなん生かしてたらいつエルフ国と戦争のきっかけになるかわかんねーもん!
「ズカキップ辺境伯……」
「あっ、父上を悪く思わないで欲しいのだ! すべて私の責任なのだ!」
っあったり前だろ馬鹿じゃねーのッ!? 俺はむしろ辺境伯に同情してたんだよ玉潰し器が!
「ぐすんっ――でもアルヴァトロス隊長閣下は、こんなラフムを必要だと言ってくれたのだ……!」
えっ。
「わかったのだッ、決めたのだ!」
ちょっ、おま!?
「宣言するのだ――私は今日から、アルヴァトロス領の一員になるとッ!」
うぉおおおおおおおいッ!?
――こうして彼女が宣言した瞬間、収容室の向こうからたくさんの拍手が響き渡った……!
そちらを見れば、そこには涙ぐんでいる配下たちが所狭しと並んでいた。
「うおおおおおおッ、さっすがアルヴァトロス隊長閣下! まさかこのような娘すら受け入れるなんてッ!」
「あのニーナを部下にしたことといい、なんて慈悲深く剛毅なのか!」
「まさに男の鑑ッ! 伸ばされた手を決して払わぬアナタ様こそ、軍人の理想だぁーーーっ!」
おいおいおいおいおいお前ら何言ってくれてんのぉーーー!?
ニーナちゃんもこの玉潰し器も、そこまで事情を知らなかったから受け入れちゃっただけなんだけどー!?
「流石はアルヴァトロス隊長閣下……!」
「偉大なる空に輝く黒翼山の星にして隊長閣下……!」
「少女一人を守るために国家と戦う勇気を見せるその姿……! 万人がアナタ様についていくことでしょう……ッ!」
……すっっっごい勢いで褒めてくるみんな。
この状況下で、『ラフムちゃんいらね! やっぱ野垂れ死ね!』って言ったらどうなると思う?
俺の評価終わりだよチクショー!
「ぐ、ぅ、ぅ……ッ!(こ、こうなったら受け入れるしかないじゃねーーかーーー!?)」
こうして仕方なく、俺は王国の怨敵・ニーナちゃんに加え、宗国の仇敵・ラフムちゃんを抱え持つことになってしまったのだった。
なんか戦犯美少女ばっか集まってくるんですけどッ!? チクショオオーーーーーーーッ!
◆ ◇ ◆
「【創造術式】発動――『物体修復』」
「おおおおおおッ!? 矢傷も火傷も全部消えたのだっ!? くらくらもなくなったってことは、失血も治ってる!?」
……部下たちを追っ払った後のこと。
俺はラフムちゃんの傷を(ぶっちゃけ嫌だけど)治してやった。
俺の魔術は無駄に完ぺきだから、これで急死することはないだろう。ふぇぇ……。
「ニーナよッ、我らが隊長閣下はこんな魔術を使って魔力は大丈夫なのだ!? 精密で効果が高い術ほど、術者は疲労するのに……!」
「ふっふーん! そこが隊長閣下のすごいところなのだっ! 閣下は歴戦の戦いで極限まで術発動イメージと魔力使用効率を磨いてきたことに加え、肉体的にも極めて優れている! ゆえに三千人を一気に治癒することも出来るのだぞっ!?」
「ふぉおおおーーーーーすごいのだぁああああ~~~~~~~! 優秀過ぎる雄なのだぁああーーーーー!」
白犬耳をぴこぴことさせる姿は可愛い。赤い瞳はきらきらで、興奮で跳ねるたびに130cmの超バストが弾むさまはやばすぎる。
が、
「やはり隊長閣下は最雄の雄ッ! 王国民に全員ぴゅっぴゅしてよさをわかってもらうのだぁ~~!」
中身がゴミカスすぎるんだよなぁ……ッ!
はぁ~~~。ニーナちゃんといい、外見最高なやつらはなんでこんなろくでなしなんだろ。
少しは俺を見習えっての。やっぱ消そうかなぁ。
「はぁ、復調したなら何よりだ。ではしばらくは俺について回るといい」
「? 嬉しいけど、なぜなのだ?」
「……お前は一応敵国民だ。その容姿と合わさって、不埒な輩が手を出さんとは限らんだろう」
こいつ、別に民族統括思想がなくなったわけじゃないからなぁ。
強姦魔なら俺の部下にいらんから好きにしていいが、軽くセクハラかましたヤツまで金玉潰されたら困る。
だからしばらくは見守ってなきゃな。
「のだぁ~……!? ニ、ニーナッ、隊長閣下が私を心配してくれてるのだ~~~!」
「閣下は優しいですからねぇ~!♡」
ってお前の心配はさほどしてねーっつの!
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