第7話 ファー!甘い甘い!

「明後日推しと会うのかぁ緊張すんなぁほんと」

「アッ…んッ...///そっそうだね…」

「………推しに失礼のないようにしないとなぁ失礼した瞬間自害しかねん」

「アッそこ良い…ッ」

「……なぁアオ」

「んッ...///どっどうしたんだいご主人様」



「肩のマッサージで変な声出さんでくんない?」


なんだろう俺の自制心削るのやめてもらっても良いですか?






「ふぅー大分楽になったよありがとうご主人様」

「…それなら良かったよ」


あれから1週間…1週間?まぁそんぐらい経ち俺は今アオの家で心頭を滅ぼし尽くしながら肩のマッサージをしていた


「そんな長居しても悪いだろうしそろそろ帰っていい?」

「いやいや待ってくれご主人様!折角来てくれたんだからご飯をご馳走するよ!」

「おーご飯…何作んの?」

「前好きだって言ってたオムライスを作ってあげようじゃないか!」

「おぉ良いね、手伝おうか?」

「いやいやご主人様はそこでスマホでもつついておいてくれ。素晴らしいオムライスを作ってあげるからね!」

「おー楽しみー」


どんなんになるんだろ

普段の暴走具合からするとあんま期待出来ないけど大丈夫かなぁ

まぁ見た目からは凄い料理出来るオーラ出てるし大丈夫か




─────暫しあと

「お待たせ!ご主人様!」

「………何これ」

「何って…やだなぁご主人様、何処からどう見てもオムライスじゃん」

「何処をどう見たらいいの?」


俺の眼前には何かもう黒いとした表現出来ない何かの塊があった


「まぁ確かに見た目は悪いかもしれないけど味は良いから!ちゃんと味見もしたし」

「…えぇ…うん…いただきます…」


パクッ


「ん?」


パクパクパク


「美味い…なんで…?」

「酷くない!?」


何故かちゃんと美味しかったよあの黒い塊

オムライスかって聞かれると首を横に振らざるを得ないけど



「じゃあまた明日一旦事務所で」

「来てくれてありがとねご主人様!」

「外であんまご主人様って言わないで?通報されちゃうから俺」

「なんでご主人…悠真が通報されるの?」

「アオよりも年上だし袴スタイルだからな。立派な変質者だよもう」

「確かに」

「…」

「…」

「じゃまた」

「ばいばーい」



───翌日


ジリリリリジリリリリジリリリリリ


パァン!


「ふわぁ…ん?あっやべまたやっちゃった」


今日は推しの家に訪問の日

遅刻なんて絶対に許されないので集合時間5時間前に起きました


眠いです


取り敢えず粉々にしちゃった目覚まし時計片付けながら家出る準備しよ


「良し、行くか」

今日は事務所11時集合だからそろそろ出ないとね


あっ母さん、行ってきまーす


現在時刻8時だけど

時間前行動は大事だよね()



土曜の朝はここら辺人が少なくて良いね

人っ子一人居なくて静かな街を見ると何だか不思議な気分になっちまう


やっぱ早く出過ぎかな


取り敢えず近くにあった喫煙所で一服する

数多の異世界で状態異常に晒され続けたこの体はもはや煙草の毒なんて効かないんだなこれが

副流煙だっけ?そんなんがあるらしいから玉藻さんやアオやタカシの近くでは吸えないからこう言う機会に吸っとかないとね


タカシ確実に気が狂ってるしめちゃくちゃ煙草吸ってそうな顔してるけど煙草を吸わなければ酒も飲まないんだよね


健康的だよね



まだまだ時間あるしどうしようかなー



そういやニュースで…







────10時半

「よく来たな兄上…って兄上何か血の匂いせんか?袴もなんか赤くないか?」

「ん?ちょっと暇だったから遊んでただけだよ」

「血が出る遊び…?犯罪でもしてきたんか?」

「あっ犯罪ではないから大丈夫だよ」


こっちの■■の血も赤いんだねぇー



「んー取り敢えず着替えてくるからちょっと待ってて」

「まぁそれは構わんぞ葵もまだじゃしな」


「じゃ行ってきまーす」

全力で走ったら五分で戻れるかな多分




「…………もう見えん…」

「あっ社長ー!どうしたんですか事務所の前で」

「いやなんでもないんじゃ…」

「絶対何かありそうだけど聞かないようにしますね」

「そうしてくれ……」

「悠真はまだなんですか?」

「そうじゃなぁ…多分すぐじゃないか?」

「まぁまだ集合時間でもないので気長に待ちますか」

「そうじゃな」



───二分後

「そういや最近モン〇ンの新作発表されましたね」

「楽しみじゃよな!発売と同時にやる予定じゃぞ儂は」

「社長は〇ンハンどの作品やってたんですか?」

「全作品やっておるぞ!下手じゃけどな!」

「なんか下手だよね玉藻さん」

「何故か上手く行かないんじゃよなぁ」

「いっぱいやっても上手くならない時ありますよね…」

「そうなんじゃよ!どうしたらええんじゃろなぁ…」

「どんまいです」



「……って兄上!?いつの間に!?」

「さっき着いたら2人が喋ってたんで気配消してました」

「気付かなかったのじゃ…」

「僕も気付かなかったよ…こんなザマじゃ奴隷失格だよね…」

「お前は何で自分を奴隷だと思ってるの?今のところ失格なのはお前の頭だよ?」

「んッ効く…///」

「………気配も消せるんじゃな兄上」

「これもオタクの嗜みだよね」

「いやオタクそんな事出来んじゃろ…」




「まぁなんだかんだあったがそろそろ時間じゃしアイリスの家に向かうぞ」

「まだ心の準備出来てないんだけど俺」

「そろそろ覚悟決めようよ悠真…」


オタクがそんな簡単に推しに会える訳ないだろ舐めんな




「この家じゃな。チャイム鳴らすから待っとれ」

「了解です」

「OKだよ」



ピンポーン


「じゃあ出てくるまで少し待」

「いらっしゃい社長!新たな我が子は何処かな!」


玉藻さんがなんかごちゃごちゃ言おうとした瞬間に勢い良くドアが開かれる

出てきた女性はまさか…それに後ろにいる女性ももしかして…


「落ち着いて雪…後輩たちが驚いてる…」


やはり陽菜様…圧倒的陽菜様…ならばやはり最初に出てきたのはアイリス様…!?

あっやばいキャパが…やべ逝く


「あっあっ」

「悠真?」


駄目だ…意識が…もう…


「我が人生に…悔いなし…」ドサッ


「あれ!?我が子!?」

「ほら…雪が驚かすから…」

「いや兄上のはオタクの習性みたいなもんじゃから気にせんでくれ」

「そうなの?良かった!…ってん?」

「兄…上…?」

「あっ」

「ねぇねぇねぇねぇ!兄上ってどう言うこと?社長!」

「私も気になる…教えて社長…」

「いやえっとそれは…あっ後で教えるから!」

「分かった!じゃあ後でちゃんと教えてね!社長!」

「聞くのが…楽しみ…」

「クッ言いたくない…ってあれ?そういや葵も喋っておらんな…葵?」

「…」まるで石のようだ…

「お前もかよ!あーもう!運ぶの手伝ってくれ雪!」

「はいはーい」

「私は…?」

「力ないし潰れそうじゃから休んどって良いぞ」

「社長に言われるのは…屈辱…」




ん?こ、ここは…

「知らない天井だ…」

「ん?起きたか兄上、もう気を失わんでくれよ」

「フッ甘いな玉藻さん…一回で慣れられるほどヤワなオタクライフは送っていないのさ」

「威張らんでくれそんなので…」

「それでそちらの方々は一体…」


なんだか頭にモヤがかかったように思い出せない…なんでだ?


「社長から聞いたけど、悠真君は私たちのファンなんだね!応援ありがとうね!」

「私も…応援…ありがとう…」


えっあれこの2人推し…えっあっ、えっえっ


「ふぁ」ドサッ

「兄上…」




─────暫くあと


「では改めて、聖女アイリスこと九条 雪です!」

「紫 陽菜改め…望月 音子…よろしく…」

「たっ巽 悠真です…」

「立花 葵です…」

「そろそろ緊張を解けお主ら…」


────────────────────

カァッ(モチベに直結するので感想や星ください)

カァッ(多分初配信回までまだかかります(絶望))

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