第17話 狐坂玉藻と巽悠真の一日

─10:00

「んにゃ…むぅ…」

「ほら起きろタマ。もう10時だぞ」

「んぅ…後5分…」

「5分前も聞いたぞそれ…何か行きたい所あるって言ってなかった?」

「あぁー…そうじゃったなぁ…顔洗ってくる…」

「はい行ってらー…ってか早く服着てくれ目のやり場に困る」

「散々見たのに…?まぁいいや顔洗ってから着替えるねぇ」

「それまで俺の目は闇しか映さないみたいやな」

「目開けなよ…」



──10:30

「完全復活なのじゃ!」

「かかったね時間」

「お風呂にも入っておったからな!」

「それ考えたら早いか。で今日何処行くんです?」

「実家じゃ」

「え?」

「実家」

「………日帰りできるの?それ、明日もタマの実家だったらアオに申し訳が立たないんだが…」

「それは安心してくれ!電車で10分くらいじゃ」

「覚悟…決めますか…」


娘さんをください。でも僕は四股してます何て言ったら殺されるよなぁ…でもここまで来たら誠意見せないとなぁ…


「なんじゃそんな死にそうな顔して」

「タマの両親に殺されるだろうなって」

「大丈夫じゃろ…………多分」

「遺書書いとこ」






ガタンゴトンガタンゴトン


「タマの両親はどんな方なん?」

「うーん両親と言うより育ての親の人って感じかなぁー。本当の両親は分かんないのじゃ」

「そういやタマって大妖怪だもんね」

「全部の力使えば兄上すら止められるからな」

「何度も逃げようとしたのに…」


──次はー■■駅ー■■駅です。お出口は左側です


「おっここじゃここ。降りるぞ兄上」

「緊張すんなぁ…」


何とか半殺しで許されないものか…


「母上は分かりやすい格好で駅居る言うとったからすぐ見つかる筈じゃ」

「何なら袴着てる俺居るし相手も見つけやすいんじゃない?」


袴着てるやつと夏祭り以外で会ったことないからなぁ


……………………ん?


「何か凄い人居ない?」


ゴスロリの擬人化みたいなロリが何かいるんだけど。てか何か俺の事見てね?

え?やっぱゴスロリの人から見ても俺って変なん?嫌やめないけどさだとしても


「残念ながらあれが母上じゃな」

「残念でなんねぇよ」


だからこっち見てたのかぁ…いやそれは格好のせいか?


「久しぶりなのじゃ母上!」

「久しぶり玉藻!」


見た目ロリ2人が俺の目の前で熱い抱擁を交わす。緊張で死にそうにさえなっていなければ俺のような人間は灰となり消え去っていただろう


「玉藻…こちらの人が貴方の未来の旦那であり兄なのね?」


どんな紹介してんの?


「そうなのじゃ!」


そうなんだ


「初めまして悠真さん。貴方のことは娘からとてもとても良く聞いておりまして…あっ私狐坂 花子と申します」

「これはどうもご丁寧に…花子?トイレの花子さんですか?気配的に」

「やはり貴方は分かるのですねぇ…ここでは何ですから私の家で話しましょう。聞きたいことも…ありますしね?」

「お手柔らかにお願いします…」

「レッツゴーなのじゃ!」


元気だねタマ…俺は結構戦々恐々としてるよ

有名であればあるほど強くなる妖怪の中でもトップクラスで有名な人来たなぁ…


痛いだろうなぁ…




「どうぞ、座ってください」

「はい…」

「では悠真さん。貴方が四股していると伺ったのですが本当ですか?」

「本当です」

「成程…夜伽はもうされましたか?」

「もうしま…ん?」

「母上!?」


夜伽?夜伽ってあれだろ?セック…うん


「何聞いてるのじゃ母上!」

「ええい止めてくれるな我が娘よ!大事なことなのこれは!」

「そんな訳ないじゃろうが!見ろ!兄上がポカーンってしとるじゃないか!初めて見たのじゃこんな顔!」

「4人相手にするなんて相当な性豪じゃないと耐えられないわ!そう言うのが不和になったりするのよ!」

「そうかもしれんが本人に聞くことないじゃろ!」

「貴方は良いの!?段々蔑ろにされるかもしれないのよ!」

「それは嫌じゃけど兄上なら大丈夫じゃ!だって今日の朝も…」

「あらお盛んなのね」

「ごめん兄上…///」

「何してんの!?」




「成程、悠真さんがとんでもない性豪だと言うことは分かったわ。これなら安心ね」

「俺が言うのもあれですけど何が安心なんです?四股男ですよ?はっきり言ってカスですけど」

「確かに貴方が四股のカスだと言うのは間違いないけど娘が認めている辺り悪い人じゃないのでしょう。大方酔った娘に何かされたんでしょう?」

「ギクッ!」

「図星なのね玉藻…後でお話があります」

「はい…」

「まぁ一言言うなら4人とも絶対に幸せにしなさい。命をかけてもね」

「はい…それは勿論でございます」

「ならいいわ。ちょっと玉藻と話をしてくるから待ってなさい」

「助けて兄上…」

「どうぞ幾らでも」

「兄上!?」





気まづいなぁ…聞こえてないと思ってるのかどうか分からないけどどんなプレイしたか結構な大声で言うのやめてくんねぇかなぁ…


えっそんなこと…そんなのまで!?って声聞こえてくるしどう顔合わせれば良いんだ花子さんと…


後タマちょっと盛ってない?絞めてないよ?首。何で絞めたことになってんだ俺


だっ大丈夫なの?って声聞こえるじゃん

心配されてるじゃん

きっきき気持ちよかったのじゃ!じゃないよ焦りすぎだろ

声から動揺がこんにちはしちゃってるよ



───暫くあと


「激しいプレイは程々にね?」

「誤解です」





ガタンゴトンガタンゴトン

「今日は楽しかったのじゃ兄上」

「俺はちょっと心が削れたよ…まぁタマが楽しんでくれたなら良かったよ」


「これからもよろしくな!兄上!」

「勿論。これからもよろしくなタマ」


これからも悲しませないように頑張らないとなぁ…嫌われたくないし…ん?嫌われたくない…?あれそう言えば言ったことないなアレ


「なぁタマ」

「ん?どうしたんじゃ兄上」

「好きだよ、これからもよろしくな」

「んえっ」

「いやそういや言ってなかったなってなって…言葉にしないとって思ってさ…」

「わっ儂も、儂も好きじゃぞ!兄上!」


夕焼けに彩られたタマの姿を見て、ただただ綺麗だなと俺は思った




「じゃあ帰ったらヤろうな!」

「台無しだよ」

────────────────────

カァッ(モチベに繋がるので感想や星ください)

カァッ(次は葵回です。頑張ります。)

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