第18話 立花葵と巽悠真の一日


「いや予想はしてたけどさぁ…」

「はぁ…///はぁ…///」

「椅子になりたいが最初の要求なの終わりすぎだろお前…」

「きっつぅ…///」


どうも清々しい一日ですね!(やけくそ)

俺は今朝からアオの家に呼ばれ何故か家主を椅子にしています

意味が分からなすぎるね、うん


「この絶妙な負荷がたまらないんだよね…」

「聞いてねぇよ…えっ俺どうしたらいいのこっから」

「ゲームでもしてくれてていいよ1時間くらい」

「1時間椅子になるおつもりで…?」




───1時間後

「た…立てない…」

「当たり前だろマジで」


途中から我慢出来なくなったのか尻叩かされるし…あれなんで従ったんだろ俺

眠ってんのかな内側に何かこうSの心が


「ご主人様…水…水を…」

「分かった分かったちょっと待ってろ」

「お願い…」


なんでこんなことになってるんだろう




「ふぅーやっと落ち着いたよ!ありがとご主人!」

「ご主人様に水取りに行かせる奴居る?」

「えっもしかして遂に自分をご主人様だって認識してくれたの!?」

「いやそういう訳じゃないけども」

「なんだ…」

「悲しそうなん辞めない?言ってることめちゃくちゃなのに何か悪いことしたのかなって気持ちになるじゃん」

「はーい…じゃあちょっとご飯作ってくるから待ってて」

「その足で?大丈夫?怪我しない?」

「毎日背中に重いもの乗せてから料理してるから大丈夫だよ」

「大丈夫じゃねぇだろ。頭が」





「お待たせーこちらカルボナーラと生ビールになります」

「えっなんか昼から飲もうとしてる?」

「いやこれご主人様の分」

「昼から飲む人だと思われてんの?」

「夜配信するらしいしここで酔わせとこうかなって」

「何求めてんだ俺に」

「そりゃナニよ」

「あんま近付かないで貰っていい?」

「いやいや冗談!冗談だから!」

「顔がマジだったけどな本当に…」


ありゃ狩人の目だったぜ…搾り取られるかと思った…


「いやこの前皆で飲んだ時ご主人だけ全然飲んでなかったから酔ったらどうなるんだろうって思って」

「あーまぁそうだなぁ、俺酒弱い上に記憶飛ばすタイプだからあんま飲まないようにしてるんだよね」

「酔ってる間どうなってるかカメラで撮って後で見せようかなって」

「地獄か?」

「えー嫌ー?」

「良いぜ面白そうだし」


タカシと飲んだ時あいつなんか優しい顔してたけど何なんやったか分からんかったのが判明するかもしらん


「「いただきます」」

「美味しいなこれ」

「音子さん程では無いけど得意なんだよね」

「あの人も凄いけどアオも相当凄いな尊敬」

「尊敬よりも罵倒の方が…///」

「良くその言葉で頬染められるなお前」



「ささどうぞどうぞ、沢山用意したからじゃんじゃん飲んでってよ」

「いただきまーす」





───30分後


「あ、あのご主人…?」

「あー?どーしたー?なんかあったー?」

「いやそのあのー…流石に僕でもこれは恥ずかしいかな」

「恋人なんやからええやーん」

「いやでもこんなこと僕には似合わないって言うか何て言うか」

「えっなんで?」

「これは社長とか音子さん見たいなちっちゃくて可愛い人にやるものじゃ…」

「大丈夫大丈夫アオも可愛いから」

「んっ、嫌そういう事じゃ///」


何でこんな言ってくるんだこいつ…胡座の間に座らせて後ろから抱きしめてるだけなのに


「いつも良く頑張ってんなアオ」


そう言って俺はアオの頭を撫でる


「ご主人様酔うとこんなになるの???」

「フワフワして何も考えらんねぇんだわ」

「恥ずかしいんだけど…///頑張ってるなんて言われても別に何もしてないし…」

「何言ってんだよお前ー知ってんだからなー俺。お前が俺のためを思って中性としてデビューしてくれたの」

「えっ…」

「確かにお前が女としてデビューしちまったら女4の男1になる所だったからなぁ…今でさえ多いアンチコメがさらに増えちまうよ」

「でも結局何も変わらなくて…」

「いや変わってる変わってる。そんな事言うなよー助かってるしさ。気軽にコラボ誘えるし」

「誘われてないよまだ…」

「すぐ誘うすぐ誘う…多分」

「多分って…」

「まぁ何が言いたいかって言うと…あれ?何が言いたかったんだ?まぁいいやいつもありがとなアオ。俺のためを思って行動してくれて本当に助かってるしお前と居ると疲れることも少しはあるけどそれを軽く凌駕して楽しくなっちまうんだ」

「ご主人…」

「前からお前が…何か抱えてることは分かってたけど…何かあったら頼ってくれよ」

「…」


息を飲んで固まってしまったアオに言葉を重ねる


「救ってくれた分今度は俺が力になるからさ」

「僕は…」

「お前から言ってくれるのを何時までも待ってるよアオ」

「絶対…いつか言うから…」

「うん。待ってる」


そう言うとすすり泣きはじめてしまったアオをゆっくりと撫でる


「僕は…僕は人の役に立ててるのかな…」

「立ててるに決まってるだろー?お前が頑張ってくれたから配信が楽しいんだよ俺」

「僕は…誰かに好かれる人になれてるかなぁ…」

「なれてるだろ。俺アオのこと好きだし」

「……………え?今僕の事好きって…」

「えうん好きだよ?」

「こんなドMで可愛げがなくて胸もない僕が?」

「好きじゃなかったら一緒に居ねぇよ」

「………そっか…そっかぁ…」


そう言ってニヘラと笑うアオを見て、自然と身体が動いた


チュッ


「ふえ?ご、ご主人…?」

「あぁーごめん我慢出来なくて」

「我慢出来なくてって…ファーストキスだったんだけど…///」


「あれ?ご主人?あれ?」

「スピースピー」

「寝てる…えっ生殺し?」




きろ…起きろ…!


何か呼ばれてる気がする…何だ?あれそういえばさっきまで俺何して…


「起きろご主人!」

「あれ、おはよアオ…もうそんな時間?」

「30分後だよ予定時間…」

「ん、起こしてくれてありがと…で酔った俺どうだった?何も覚えてないんだけど」

「…内緒」

「えっ俺何やったの一体」


え怖何やったんだマジで、この様子だと録画したヤツもくれない気がするし何も分からん


「ご主人」


そんな事を考えているとアオに声をかけられる


「どうした?」


チュッ


「え」

「配信頑張ってね///」


そう言いアオは顔を真っ赤にしながら去っていく


「え?」


その場にはポカンとした顔の俺だけが取り残されていた


────────────────────

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