第12話 『初配信』@鬼灯─②
『まぁ…皆さんもね心配する気持ちは分かりますよ?最高難度クリア報告なんてZにもないですからね』
『あっどれだけ難しいか分からない人に少し説明すると一番易しい難易度ですら2発喰らったら死ぬし、敵の足音と息遣いだけで場所を判断して避けないと行けないのに森の木が揺れる音で凄い邪魔されるんだよね』
・何度聴いてもクソ
・なんなんマジで
・やってみたけど心折れたわ
・3段階難易度あって真ん中のクリア報告3件しかないの終わってる
・こんなんに結構いいAIを使うな
・何で作ったんですか?
『そんじゃやって行きますか』
ゲームをスタートして戦場(森)に降り立つ
降りた瞬間から何かがプレイヤー目掛けて飛んでくる
『よっと、まぁこんな感じで最高難度はほぼ休まる時間ないし敵も20人居るんですよねぇ〜しかも1発喰らったら終わりって…』
・どう避けた今の
・なんでそんなにサクッと避けられるの?
・最高難度は敵増えるし森の音が大きくなるんだよな
・作ったやつ何してんだ
四方八方から飛んでくる弾を避け身近に居る敵に近付いていく
『武器もねぇ…棍棒だからねぇ…近付かないといけないし、3発殴らないといけないしで、辛いなんて次元じゃないんだよね…』
・それをサクサクとこなしてる貴方はなんなんですか?
・上手すぎん?
『目と耳が異常に良いからこう言うのめっちゃ得意なんだよね俺。まぁそれでもこうやって詰む時あるけど』
逃げる位置を固定されそこに弾が飛んでくる
一撃で沈むキャラ、神経を逆撫でするBGM
『まぁこんなゲームっすね。やりたくなった人はフリーゲームなんでやってみて下さい』
『じゃあリトライしますか』
2回目
GAME OVER
3回目
GAME OVER
4回目
GAME OVER
5回目
GAME OVER
『そういや最近も結構話題になってたけどさぁ、環境テロリストどもってまじで何なんだろうね』
・それな
・分かる
・今来たんですが何でこの人雑談しながらポンポン弾避けてるんですか???
・もうこの人だからとしか言えない
『犯罪者どもがさ、私たちは地球のために戦っている!私たちの主張を聞け!って言ってくんの意味わからな過ぎないか』
『何で捕まらないんだあいつら』
・この話配信で大丈夫?
・過激派に燃やされそうで笑う
・過激すぎる雑談…だがそれがいい
・捕まって欲しいよね
『ツイフェミとかもそうやん。あいつら何か私らが正しいですよみたいな面して正義(笑)語ってくるし』
『私たちは女性のため戦ってる言うとるけど一番女性の地位下げてんのお前らやで?』
『そろそろ気付いたら?何か色んなもんに喧嘩売り始めとるしさぁ…3歳の男の子に喧嘩売った時は流石に困惑したわ』
・それはそう
・正義面程鬱陶しいものは無いよね
・私たちは女性のために戦ってるのに(笑い)
・この人の配信の方向性イカれてんなぁ
・推していくか
・これで炎上するならこいつらのアカンさが際立つからな
『最近はZで容易に人を攻撃出来るようになったからそう言う人増えたよなー』
『ネットだったら何言っても良いと思ってる人間が居るからこんなことに…おっなんやいつの間にか後3人やん』
・そういや耐久中やったな今
・上手すぎて草
・雑談しながらクリア者居ない難易度クリア出来そうなん笑う
・勝ったな
・勝つさ
『フラグを立てまくってるそこの人らには残念やが…ほい、これでクリアや』
画面に両手を上げて喜ぶ主人公が映る
『油断しすぎやないこいつ…だから装備が棍棒オンリーやねん』
・おめでと!
・おめ!
・すげぇ!この画面初めて見た!
・確かにw
・こいつ兵士の癖に危機感ないよな
『思ったより早く終わりましたね』
『うーん、じゃあファンネームとタグ考えますか皆で。ちなみに俺は思いつきませんでした。クソ』
・環境テロリストアンチにしよう
・同志は?
・確かに俺らは同じ志を持っているからね
・これええやん
『確かにこれはええな。じゃあ我らが同志諸君次はタグを考えてくれたまえ、頼んだよ』
─色々あって
『と言う訳でファンネームは同志、配信用タグは同志との語り場、ファンアートタグは鬼灯肖像画に決定します』
『もう2時だからそろそろ配信は終わろうかな』
・お疲れ様やで
・お疲れ様です
・おつかれー
・もうこんな時間か
・あっちゅーまやったな
『じゃあ皆さんお疲れ様でeeeeeeeeeeeee』
画面にノイズが走り声がバグる
画面が黒い背景に変わり、真ん中の目玉の前に頭を抱えた鬼灯が佇んでいる
『また会おうね…皆』
そう言って笑う鬼灯の目は黒く濁り、口からはどす黒い血が流れていた
・やめてやめてやめて
・寝れなくなるって!
・何これ何これ何これ
・!?!?!?!?
阿鼻叫喚なコメント欄を置いて配信はそこで終わりを迎えた
ふーっ終わった終わった
最後のやつの反応も上々だしこりゃ成功って言ってもいいな、お疲れ俺
テロンテロンテロンテロン
「もしもーし」
『あっ悠真?今先輩方と喋ってるから君も来ない?てか来い』
「あっそうなん?じゃ行こかな」
『待ってるよー』
『兄上、怖い』
『トイレ…行けない…』
『一緒にトイレ行こうね音子…』
『さっきから悠真のせいで阿鼻叫喚なんだけど…何か言うことは?』
「返す言葉もないね」
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カァッ(モチベに直結するので感想や星ください)
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